鼻血・鼻出血の原因は? 止め方・予防方法を徹底解説!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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「ちょっとしたことで鼻血がよく出る」という方は意外と多いです。鼻血は、そのほとんどがすり傷と同じで問題ありません。しかし、中には病院で詳しく検査をしてもらった方がよい場合もあるのです。また、頻繁(ひんぱん)に鼻血が出ると日常生活に支障が出る場合もあるでしょう。

そこで、今回は鼻血の原因とその対処法をご説明します。鼻血がよく出るという人とめったに出ないという人の差は、どこにあるのでしょうか? 鼻血がよく出るという方は、ぜひこの記事を読んで対策のヒントをつかんでください。

  1. 鼻血はどこから出るの?
  2. 鼻血が出る原因は?
  3. 鼻血が出やすい人、出にくい人の違い
  4. 鼻血が出た場合の対処法
  5. 耳鼻咽喉科で適切な治療を受けよう
  6. 今すぐできる鼻血の予防方法
  7. おわりに

1.鼻血はどこから出るの?

鼻血のほとんどが、小鼻の内側にある鼻中隔(びちゅうかく)のキーゼルバッハ部位というところから出ます。この部分は粘膜におおわれていて、細い血管が網の目のように走っているのです。ですから、ちょっとした衝撃でも傷ついて出血します。また、高血圧や動脈硬化などをわずらっていると、鼻腔の奥にある粘膜から出血する場合もあるでしょう。さらに、がんや繊維腫が原因で鼻血が出る場合もあります。

キーゼルバッハ部位以外からの出血による鼻血は

  • 何の刺激も与えていないのに突然鼻血が出る
  • 一度鼻血が出るとなかなか止まりにくい

といった特徴があります。ですから、「なかなか止まりにくい鼻血がしょっちゅう出る」という場合は、念のために病院を受診しましょう。

すぐに病院を受診する必要がある鼻血とは?

ほとんどの場合、鼻血が出ても健康に問題はありません。しかし、鮮やかな赤色の鼻血が勢いよく大量に出た場合や、鼻血が1時間以上止まらない場合は、鼻の奥にある太い血管が傷ついた可能性もあります。また、ただ安静にしているだけなのに頻繁に鼻血が出て止まらない場合は、糖尿病や高血圧などが原因で血管がもろくなっている可能性が高いでしょう。

2.鼻血が出る原因は?

では、鼻血が出る原因とはどのようなものでしょうか? この項では、その代表的な例をご紹介していきます。

2-1.鼻のいじりすぎやかみすぎ

アレルギー性鼻炎などで鼻水が止まらない場合は、頻繁(ひんぱん)に鼻をかむこともあります。キーゼルバッハ部位は粘膜の中に血管がたくさん通っているのです。ですから、鼻のかみすぎで粘膜が弱れば鼻をかんだ刺激で血管が破れ、出血しやすくなります。

特に、子どもは粘膜が弱く、鼻をかむほど鼻血が出やすくなるでしょう。また、鼻血が出た後に鼻の中が気になっていじりすぎても出血しやすいです。

アレルギー性鼻炎が原因の場合にはかゆみを伴うことが多いので鼻をいじったりしやすくなります。子供の場合は眠っているときに無意識にほじったりします。ですから夜間に鼻血が出たり、朝起きると枕が鼻血で汚れていたりします。

鼻炎などで鼻を頻繁(ひんぱん)にかむ人はできるだけソフトに鼻をかむように心がけましょう。子どもが鼻をいじっていたらやめさせた方がよいですね。

2-2.血圧が上がったりのぼせたりした

血圧が上がると血管が破れやすくなり、鼻血が出やすくなります。前述したように、高血圧症の方は鼻血が出やすいでしょう。また、熱いお風呂に長時間入っていたり飲酒したりしていても一時的に血圧が上がり、鼻血が出やすくなります。

2-3.刺激物の取りすぎ

「チョコレートを食べすぎると鼻血が出る」といわれたことがある人は多いでしょう。チョコレートにはカフェインが含まれています。カフェインには血管を収縮(しゅうしゅく)させて、血圧を上昇させる働きがあるのです。ですから、カフェインが多く含まれているコーヒーや紅茶、緑茶も飲み過ぎると鼻血が出る可能性があります。

2-4.病気

前述した高血圧や動脈硬化、がんのほかにも白血病や特発性血小板減少性紫斑病(ITP)になっても、鼻血が出やすくなる場合があります。病気が原因の鼻血は、何の前触れもなく大量に鼻血が出たり歯茎などからも出血したりするのです。急に鼻血が頻繁(ひんぱん)に出るようになったという場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

3.鼻血が出やすい人、出にくい人の違いは?

鼻血がしょっちゅう出る人もいれば、めったに出ない人もいます。生まれつき体質的に鼻の粘膜が弱い人は、鼻血が出やすいでしょう。また、花粉症やアレルギー性鼻炎の人は鼻の粘膜が弱りやすく、鼻血が出やすくなります。さらに、鼻中隔(びちゅうかく)が曲がっている「鼻中隔湾曲症」の人は、鼻をかむときや顔を洗うときに粘膜同士がこすれて鼻血が出やすいことが多いです。

鼻血が出やすい人の中には、耳鼻咽喉科で適切な治療を受ければ鼻血が出にくくなることもあります。

4.鼻血が出た場合の対処法

では、鼻血が出た場合はどのように対処すればよいのでしょうか? この項ではその方法の一例をご紹介します。

4-1.やってはいけない対処法は?

鼻血が出ると、上を向いて首筋を手でたたく人がいます。「鼻血の止め方」として紹介されていることもありますが、これは出血を止める効果はありません。また、上を向くと鼻血が鼻から口へ逆流することもあります。ですから、鼻血を止めようと上を向いてはいけません。口の中に血が逆流して、気持ちが悪い思いをするだけです。

4-2.鼻血の正しい止め方とは?

鼻血が出たら、静かに座って頭を少し下げます。そして、小鼻の上の方をギュッとつまんでください。そのまま5分~10分ほど安静にしていれば、キーゼルバッハ部位からの出血の場合は止まります。子どもが鼻血を出した場合は、親が小鼻をつまんで落ち着かせながら安静にさせましょう。

小鼻とは鼻の一番下の部分で鼻翼が左右に張り出している場所です。ここを左右から押さえると鼻の穴がつぶれて見えなくなります。よくある間違いは、鼻筋の硬い部分、鼻根部を押さえるやり方です。これでは鼻の穴はつぶれていないはずで、全く効果はありません。

4-3.脱脂綿をつめる際は、奥までつめる

脱脂綿やティッシュペーパーを鼻につめて止血をする場合は、鼻の入り口にだけつめても効果はありません。脱脂綿やティッシュペーパーを入り口から2~3cm鼻の奥に押しこみ、キーゼルバッハ部位を圧迫してください。また、脱脂綿をつめた状態で小鼻の上をつまんでも効果があります。

脱脂綿やティッシュペーパーは、血で汚れたら換えたくなりますが、あまり頻繁に交換するとその時にかえって粘膜を傷つけるので、ある程度は汚れても圧迫を続ける方がいいかもしれません。

4-4.なかなか出血が止まらない場合や、大量に鼻血が出た場合は病院へ行く

いきなり大量に鼻血が出た場合や、1時間以上たっても鼻血が止まる気配がない場合は病院に行きましょう。耳鼻咽喉科を受診すれば間違いありません。

事前に「鼻血が止まらないので受診したい」と連絡すれば、すぐに対応してくれる病院もあるでしょう。また、交通事故などで頭蓋骨が傷ついても鼻血が出る場合もあります。そのような場合は、決して体を動かさず、救急車を呼んで到着を待ちましょう。救急車が到着したら、頭を打っていることを説明してください。

5.耳鼻咽喉科で適切な治療を受けよう

鼻炎や鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)で鼻血がよく出る場合は、耳鼻咽喉科で適切な治療を受ければ鼻血が出にくくなる場合があります。また、鼻血が出にくくなる鼻のかみ方も指導してもらえるでしょう。

たかが鼻血と思わずに、鼻血がしょっちゅう出るという方は、一度耳鼻科を受診してみてください。よい解決法が見つかるでしょう。

6.今すぐできる鼻血の予防方法

最も有効な鼻血の予防方法は、鼻の中をむやみにいじらないことです。鼻がつまっている場合は、片方ずつゆっくりとかむと鼻の中に圧力がかかりにくく、鼻血の予防になります。また、チョコレートを食べ過ぎると鼻血が出るという俗説がありますが、これに医学的な根拠はありません。しかし、偏食が激しいと糖尿病などの生活習慣病を発症しやすくなります。食事は野菜を意識して取り、バランスが崩れないように注意しましょう。コンビニのお弁当や外食が中心の場合は、おひたしなどの和風の惣菜をプラスするとよいですね。

7.おわりに

いかがでしたか? 今回は鼻血がよく出る場合の原因や対処法についてご紹介しました。
まとめると

  • 鼻炎や鼻中隔湾曲症(びちゅうかくわんきょくしょう)などの鼻の病気が原因で鼻血が出やすくなる場合がある
  • 急に勢いよく鼻血が出ることが多い場合は血液や内臓の病気や高血圧の可能性がある
  • 鼻血を止める際に上を向くのは逆効果
  • 耳鼻咽喉科で適切な治療を受ければ鼻血が出にくくなる場合がある

ということです。鼻血はありふれた体の不調なので、つい軽く考えてしまう人も多いでしょう。しかし、鼻血は重大な病気の症状である可能性もあります。

「昔からちょっとした刺激で鼻血を出していた」というならば、鼻血が出やすい体質かもしれません。しかし、鼻炎でもないのにいきなり頻繁(ひんぱん)に鼻血が出るようになったら要注意です。また、鼻血が出やすい体質でも、耳鼻咽喉科で治療を受ければ症状が改善することもあるでしょう。

「鼻血がしょっちゅう出てつらい」という場合は、遠慮せずに耳鼻咽喉科を受診してください。