副鼻腔炎の合併症にはどんなものがある?治療法・予防方法ともに紹介!

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副鼻腔炎とは鼻の周辺にある空洞、副鼻腔が炎症を起こす病気です。風邪やアレルギー性鼻炎が原因で発症することが多く、黄色いどろりとした鼻水が出ます。慢性化すると厄介な病気であり、症状が重篤化すると中耳炎などの合併症を引き起こすこともあるのです。

そこで、今回は副鼻腔炎とその合併症についてご紹介しましょう。副鼻腔炎をたかが鼻水・鼻づまりと放置していると、脳や目にも影響が出ることもあるのです。

  1. 副鼻腔炎とはどんな病気?
  2. 副鼻腔炎の合併症とは?
  3. 副鼻腔炎の合併症を予防するには?
  4. 副鼻腔炎の治療方法
  5. よくある質問

副鼻腔炎の怖さや対処の方法が分かれば、副鼻腔炎らしき症状が現れた時にすぐ対処できるでしょう。副鼻腔炎の治療の仕方を知りたいという方や、副鼻腔炎に悩んでいるという方はぜひこの記事を読んでみてくださいね。


1.副鼻腔炎とはどんな病気?

はじめに、副鼻腔炎はどのような病気かということをご紹介します。通常の風邪と何が違うのでしょうか?

1-1.副鼻腔炎の症状

副鼻腔炎は、前述したように副鼻腔という部位が炎症を起こす病気です。黄色くて粘り気のある鼻水が長期間出続けるのが特徴で、その他鼻水が喉の奥に落ち込む後鼻漏や頭痛・顔面痛などの症状が出ることもあります。また、副鼻腔炎を長期間患っていると、鼻たけという良性のポリープができるケースも珍しくありません。

1-2.副鼻腔炎の原因

1-2-1.細菌やウィルス

副鼻腔炎はなんらかの細菌が副鼻腔に入りこむことによって発症します。風邪に代表される感染症にかかると、その原因菌が副鼻腔にまで入って炎症を起こすのです。

1-2-2.好酸球

また、近年はアレルギー性鼻炎がきっかけになって副鼻腔炎を発症する方も増えてきています。
アレルギー性鼻炎は細菌やウィルスが原因ではありませんが、好酸球(こうさんきゅう)という白血球の一種が増加するのです。

この好酸球が副鼻腔に充満しても副鼻腔炎を発症します。好酸球が原因の副鼻腔炎は成人に多く、鼻腔内にポリープができやすいのが特徴です。

1-3.副鼻腔炎の種類

副鼻腔炎には急性と慢性があります。発症したばかりの副鼻腔炎を急性副鼻腔炎と呼び、症状が3か月以上続く場合は慢性副鼻腔炎と呼ぶのです。

副鼻腔炎は自然に治癒するケースは少なく、急性副鼻腔炎の時に適切な治療を受けないと慢性に移行してしまう可能性が高いでしょう。慢性副鼻腔炎は別名蓄膿症とも言い、何年も治らずに苦しむ方もいます。

1-4.副鼻腔炎にかかりやすい人とは?

副鼻腔炎は性別や年代を問わずに発症する病気です。特に鼻づまりを起こしやすい方に発症しやすく、風邪をひくと必ず鼻水がたくさん出るという方は副鼻腔炎に移行する可能性が高いでしょう。

また、アレルギー性鼻炎を患っている方も同様です。両親のうちどちらか、あるいは両方が副鼻腔炎になった経験があるという方も、副鼻腔炎になりやすいと言われています。

2.副鼻腔炎の合併症とは?

では、副鼻腔炎を発症するとどのような合併症が起こる危険性があるのでしょうか? この項でご説明します。

2-1.なぜ合併症が起こるのか?

副鼻腔というのは鼻や眼の周辺に合計8つ存在し、鼻とつながっています。そのため、細菌が目に悪影響を与えることもありますし、鼻を経由して耳に細菌が感染することもあるのです。

また、目は脳とも近いので最悪の場合は脳に細菌が感染することもあるでしょう。目や耳・脳が細菌に感染すると重篤な後遺症が残ることもあります。

では、具体的にどのような合併症が起こるのでしょうか?次の項からご紹介していきます。

2-2.急性中耳炎

合併症の中では最も起こりやすいのが急性中耳炎です。鼓膜の内側にある中耳という部分が炎症を起こす病気で、激しい痛みが伴います。子どもが発症しやすい病気というイメージがありますが、副鼻腔炎の方は大人でも発症することがあるのです。放置しておくと聴力の低下につながります。

2-3.鼻性頭蓋内合併症

ごくまれにではありますが、副鼻腔炎の細菌が脳に感染すると髄膜炎や脳蓄膿症などの合併症が起こります。脳が合併症を起こすと意識の低下や体のマヒなどが発生し、最悪の場合は死に至ることもあるのです。

2-4.鼻性眼ほう内合併症

鼻性眼ほう内合併症とは、副鼻腔炎を起こしている細菌が目に感染して目の痛みや涙の増加・目ヤニの増加などが起こります。放置しておくと視力の低下を引き起こすこともある怖い合併症なのです。

2-5.鼻たけ・鼻中隔湾曲症

副鼻腔炎の再発が頻繁に起こったり慢性化したりすると、鼻の粘膜にも異常が出ます。鼻の粘膜が炎症を起こしてぶ厚くなり、それに伴って鼻の中央にある鼻中隔という軟骨が曲がってしまう人もいるのです。これが鼻中隔湾曲症という病気で、治療には手術が必要になります。

鼻たけは鼻の中にできる良性のポリープで、やはり取り除くには手術が必要です。

2-6.気管支喘息

好酸球が原因の副鼻腔炎を発症すると、まれに気管支喘息が合併症として発症することがあります。アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎に加えて気管支喘息まで発症すると、日常生活に重大な支障が出るでしょう。

3.副鼻腔炎の合併症を予防するには?

副鼻腔炎の合併症を予防するためには、副鼻腔炎を放置しないことです。風邪をひいて他の症状は治ったのに、鼻づまりだけがいつまでも治らないという場合は、至急耳鼻咽喉科を受診しましょう。

花粉症など季節性のアレルギー性鼻炎の場合も同様です。子どもでも副鼻腔炎を発症することがありますので、子どもの鼻水にも気を配ってください。また、鼻水をすすっていると耳や眼に細菌が感染しやすくなります。鼻はきちんとかむようにしましょう。

4.副鼻腔炎の治療方法

この項では、副鼻腔炎の治療方法をご紹介します。どんな方法があるのでしょうか?

4-1.副鼻腔炎の治療は何科で行うの?

副鼻腔炎の治療は耳鼻咽喉科で行います。副鼻腔炎は患者数が多い病気ですので、治療が行えないという病院はまずありません。かかりつけの耳鼻咽喉科を作っておくと何かと便利です。

4-2.副鼻腔炎の診断はどうやってつくの?

副鼻腔炎は、レントゲンを撮影したり鼻の中を診察したりすればすぐに分かります。副鼻腔炎を発症している方は、レントゲンを撮ると鼻の周囲が真っ白に写るのです。また、病院によってはCTを撮影して副鼻腔炎の程度を調べることもあります。

4-3.副鼻腔炎の治療法とは?

副鼻腔炎の治療法は投薬治療が一般的です。飲み薬や点鼻薬の他、ネプライザーといって霧状になった薬を鼻から吸う治療法も行われます。重症化した副鼻腔炎の場合は、手術が行われることもあるのです。

4-4.副鼻腔炎の手術とは?

慢性化した副鼻腔炎の場合は、レーザーで鼻の病巣粘膜を焼いたり内視鏡手術で鼻の病巣粘膜を取り除くこともあります。

また、合併症で鼻中隔湾曲症や鼻たけができている場合も、手術が必要です。一昔前まで、副鼻腔炎の手術は数日入院が必要な大がかりなものでした。しかし、今は日帰りで手術が行える病院もあります。仕事や家庭の事情でどうしても入院ができない方は、そのような病院を探して手術を受けるといいですね。

4-5.副鼻腔炎の手術を受けたい場合は?

副鼻腔炎の手術は、医師から提案されることが一般的です。ですから、日程や手術の方法などは医師と相談して決めましょう。

健康保険が適応になりますので、費用は数万円ほどです。内視鏡手術の場合も鼻の中を経由して行うので、目立つ傷跡が残ることはほとんどありません。日帰り手術ですから、日常生活にもほとんど影響はないでしょう。

4-6.治療を受けている最中の注意点

副鼻腔炎の治療は、時間がかかります。ですから、気長に行いましょう。鼻はすすらずにきちんとかむことが大切です。

子どもの場合はうまく鼻をかめないことが多いため、両親が鼻吸い器で吸ってあげてください。そうすれば、急性中耳炎の予防にもなります。処方された薬は必ず飲み切り、市販品とむやみに併用しないように気をつけてください。

5.よくある質問

Q.副鼻腔炎の治療に漢方薬は使えるのでしょうか?
A.副鼻腔炎をくり返しやすい場合、体質を変える目的で漢方薬治療をする方もいます。漢方薬は即効性が期待できないので、一刻も早く鼻水を止めたい・鼻づまりを解消したいという場合は、病院で処方された薬を使用しましょう。

Q.副鼻腔炎にならないようにするにはどうしたらいいですか?
A.風邪をひいたら無理をしないことが一番。体の抵抗力が弱っていると、細菌感染を起こしやすいのです。また、鼻はすすりあげずにきちんとかみましょう。

Q.慢性副鼻腔炎は治りにくい病気ですか?
A.はい、急性副鼻腔炎に比べると症状が重篤化している分治療に時間がかかります。

Q.子どもが急性副鼻腔炎にかかった場合は何に気をつけたらよいのでしょうか?
A.鼻をすすりあげないように注意し、こまめに耳鼻咽喉科を受診してください。医師によっては週に1度の受診を勧めるケースもあります。ネプライザーを行い、鼻水を吸ってもらうだけでも治りが早くなりやすいのです。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回は、副鼻腔炎の合併症やその怖さ、治療法などをご紹介しました。たかが鼻水・鼻づまりと放置しておくと大変なことになります。粘度のある黄色い鼻水が2週間以上治まらない場合は、至急耳鼻咽喉科を受診しましょう。早めに治療を始めるほど、予後も良くなります。

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川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
川村繁樹

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