蓄膿症(副鼻腔炎)で頭痛・顔面痛がする! 原因と緩和する方法を解説

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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頭痛

慢性副鼻炎のことを一般的に「蓄膿症(ちくのうしょう)」といいます。蓄膿(ちくのう)症の症状としてあがっているのは、嫌なニオイ・息のつまり・歯痛・吐き気・頭痛・顔面痛といった不快に感じる症状です。特に、頭痛は日常生活に支障をきたしかねません。

そこで、蓄膿(ちくのう)症の頭痛・顔面痛を緩和する方法や原因、治療・予防方法について詳しく説明します。まさに今、蓄膿(ちくのう)症による頭痛・顔面痛で悩んでいる人、治し方を知りたい人はぜひ参考にしてください。

  1. 蓄膿症の頭痛・顔面痛を緩和する方法
  2. 蓄膿症の原因
  3. 蓄膿症の治療・予防方法
  4. まとめ

1.蓄膿症の頭痛・顔面痛を緩和する方法

突然やってくる頭痛・顔面痛は長く続くほどとてもつらくなります。できるだけ早く治すためにも、知識を身につけておきましょう。これから、蓄膿(ちくのう)症の頭痛・顔面痛を緩和する方法をいくつかご紹介します。

1‐1.一時的処置としての「消炎鎮痛剤」

蓄膿(ちくのう)症による頭痛・顔面痛は、副鼻腔(びくう)の中が炎症を起こして神経を刺激したり、外との交通が遮断されている状態で内圧が高まる事によって起こります。炎症が治まらないかぎり、頭痛、顔面痛は長引くでしょう。よって、まずは副鼻腔(びくう)の中で起きている炎症を抑えなければなりません。

その時によく使われるのが「解熱鎮痛剤」です。一般的にはNSAIDSと言われる非ステロイド系解熱鎮痛剤が使用されますが、これらの解熱鎮痛剤は好酸球性副鼻腔炎と呼ばれる種類の副鼻腔炎にはしばしば「アスピリン喘息」と呼ばれる強いアレルギー反応を起こし、鼻汁、鼻詰まりの他に重篤な喘息発作を起こすことが知られており、注意が必要です。

アセトアミノフェンは比較的安全とされていますが、用量は少なめの方が安全でしょう。一方で従来使用されていたノイチーム、レフトーゼ、エンピナース等の消炎酵素剤は平成28年3月に現時点での医療上の有用性は確認できないという見解で製造が中止になりました。

頭痛・顔面痛の再発を防ぐには蓄膿(ちくのう)症自体を治すことが大切になります。

1‐2.状況によって「冷やす・温める」を見極める

炎症が起きているときは「熱」を持っているため、冷やしたほうが良いといいます。しかし、状況によっては冷やさずに温めたほうが効果的な場合もあるのです。きちんと見極めができるように知識を身につけなければなりません。蓄膿(ちくのう)症による頭痛が起きたとき、冷やして良いのはズキズキとしているときです。一方、温めて良いケースは重たい感じがするときになります。頭が重く、肩こりを起こしているのなら温めたほうが効果的でしょう。

また、普段から蓄膿(ちくのう)症の頭痛がする、たまに頭痛がひどくなる人は温めてください。もし、冷やす・温めて痛みが悪化するようならすぐにやめましょう。

2.蓄膿症の原因

蓄膿(ちくのう)症を治すために「原因」をしっかりつかんでおきましょう。主な原因は全部で4つあります。

2-1.風邪の後の細菌やウイルスの感染

まず1つ目は“風邪”です。細菌やウイルスの感染によって鼻の粘膜が炎症を起こしてしまいます。炎症が副鼻腔(びくう)に広がることで蓄膿(ちくのう)症の症状が出現するのです。風邪が長引く、くり返し症状が起きるとき蓄膿(ちくのう)症になりやすくなります。これは感染が原因の蓄膿(ちくのう)症です。

2-2.アレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲症

そして、2つ目の原因はアレルギー性鼻炎や鼻中隔弯曲症です。花粉やダニ・ノミ、ハウスダスト、ペットの毛などすべてがアレルギーの原因になります。アレルギー性鼻炎と蓄膿(ちくのう)症は根本的には別の病気ですがアレルギー性鼻炎が起こると鼻の粘膜が腫れて鼻水が貯まりやすく、空気の流れも悪くなって蓄膿(ちくのう)症になりやすくなります。

鼻中隔弯曲症も同様で基本的に鼻中隔(びちゅうかく)は鼻の真ん中をとおっています。鼻中隔(びちゅうかく)が変形すると鼻のとおりが悪くなって症状が起こりやすくなりやすくなるでしょう。

以上のように原因は人によってさまざまです。自分に起きている症状を確認して原因を見極めてください。

2-3.好酸球性副鼻腔炎

3つ目の原因は20年ほど前から難治性の副鼻腔炎として注目されている好酸球性副鼻腔炎です。
これは従来の副鼻腔炎が細菌などの病原菌感染が主な原因でであったのに対して、自身の鼻汁中に増加している好酸球(白血球の一種)が主体となって炎症を起こしているものであり、従来の副鼻腔炎に比べて治りにくいことが知られています。

2-4.歯性副鼻腔炎

4つ目は齲歯(虫歯)が原因の副鼻腔炎です。放置された、あるいは不充分な治療の齲歯が頬の裏にある上顎洞と呼ばれる副鼻腔に炎症を起こします。初期は上顎洞炎のみですが炎症が高度になると広範囲の蓄膿(ちくのう)症を起こします。

3.蓄膿症の治療・予防方法

3‐1.蓄膿症の治療とは

症状が悪化すればするほど蓄膿(ちくのう)症は治療しにくくなるものです。
まずは、専門医療施設で検査を受けてください。蓄膿(ちくのう)症は耳鼻咽喉科になります。
適切な治療を受けるには原因を突き止めることが大切です。
1度、耳鼻咽喉科で診察を受けてから治療を始めていきましょう。
基本的に、蓄膿(ちくのう)症の治療は副鼻腔にたまっている膿(うみ)を取りのぞく、あるいは炎症を抑える方法になります。

初期の段階では抗生剤やステロイド剤、あるいは点鼻薬等の薬を使う治療や局所に貯まっている膿を吸い取ったり、鼻の中を広げる処置をしたり、ネブライザーという細かい粒子状にした薬剤を副鼻腔に送る吸入療法などの保存的治療が行われます。

もちろん、齲歯(虫歯)が原因であることが明らかであれば歯科での治療も必要になるでしょう。これは従来のレントゲンでは診断困難ですが近年は耳鼻科診療所でも副鼻腔や歯の撮影に適したCTを備えている施設もあり、診断がしやすくなってきています。ただ、保存的な治療を続けても膿(うみ)の量が多かったり、炎症が強かったりして症状が重たい場合は手術が必要になるでしょう。

従来の手術は時間が長引いていましたし、1~2週間の入院が必要でした。しかし、最近は症状によって日帰りでできる施設もあります。入院が心配でなかなか治療にふみきることができなかった人でも、気軽に治療できるでしょう。自分にとって不安を解消してくれる、丁寧な対応の病院・クリニックを選んでくださいね。

3‐2.早期治療と自分でできる予防法

蓄膿(ちくのう)症が完治できたとしても、再発を防ぐための努力が必要です。蓄膿(ちくのう)症による頭痛を起こさないために「早期治療」を心がけましょう。早期治療が何よりも大切なポイントになります。鼻づまりがひどい、頭痛が起きる、鼻のとおりが悪いと気になる症状があればすぐ病院・クリニックに診せてください。そして、自分の原因に合った治療をすすめていきましょう。

また、自分でできる蓄膿(ちくのう)症の予防法を始めてください。たとえば、アレルギー症状の場合、部屋を清潔にする、花粉を家の中にいれないなど工夫できます。さらに、風邪をくり返し引かないことも大切です。焦らず、ゆっくり自分のペースで蓄膿(ちくのう)症の症状と付き合っていきましょう。

4.まとめ

蓄膿(ちくのう)症の頭痛を緩和する方法や原因、治療と予防法について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。蓄膿(ちくのう)症の頭痛は長引くほどつらくなります。時間がないから…と症状を放置してはいけません。頭痛が気になったときこそ病院・クリニックへすぐ行ってください。そして、精密な検査をしてもらいましょう。

内視鏡検査やCTによって多くは蓄膿(ちくのう)症の程度、原因が診断できるでしょう。その上で薬物療法や吸入療法などの保存的治療も行われるでしょう。

しかし、それで改善しない場合は根本的な解消にはならないので、副鼻腔(びくう)の中にたまっている膿(うみ)を取りのぞかなければなりません。医療技術が進歩してきている中、日帰りでできる手術内容が出てきています。症状が重たくなければ日帰りでも手術可能です。スムーズに蓄膿(ちくのう)症を治すためにも基礎知識をしっかり身につけておきましょう。