蓄膿症が原因の鼻づまり対策! 膿のようなネバネバした鼻水を出す方法は?

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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蓄膿症(副鼻腔炎)になると、ネバネバとした膿のような鼻水が出ます。鼻をかんでもなかなかすべて出し切れず、不快な思いをする方も多いでしょう。

そこで、今回は蓄膿症の方向けに、膿を出す方法をご紹介します。今は、花粉症のシーズンです。花粉症からそのまま蓄膿症になってしまう方も少なくありません。

今回は、その予防法もご紹介します。蓄膿症に悩んでいる方やアレルギー性鼻炎の方はぜひこの記事を読んで対策の参考にしてください。

  1. 蓄膿症とはどんな病気?
  2. 蓄膿症を放置しておくとどうなる?
  3. 蓄膿症の治療法は?
  4. 膿のような鼻水を出す方法は?
  5. 蓄膿症を予防・改善するための注意点
  6. おわりに

1.蓄膿症とはどんな病気?

1-1.蓄膿症とは?

蓄膿症とは、慢性副鼻腔炎ともいわれる病気で、鼻の周りの「副鼻腔」という空洞が炎症を起こして、そこに膿のような鼻汁がたまる病気です。かぜやアレルギー性鼻炎が原因で発症することが多く、ドロドロとした鼻水が大量に出ます。

かぜやアレルギー性鼻炎でも鼻水は出ますが、かぜはどんなに長くても1~2週間で症状が改善しますし、アレルギー性鼻炎による鼻水はさらさらとしたものです。

つまり、発症から3週間以上も鼻水がまったく減る気配がなく、しかも膿のようなドロドロした鼻水が出続ける場合は、蓄膿症の可能性が高いです。

1-2.蓄膿症になりやすいのはこんな人

アレルギー性鼻炎を患っている方や冬に風邪をひきやすい方は、蓄膿症(副鼻腔炎)を発症しやすい傾向にあります。子どもの場合は、幼稚園・保育園・小学校等で風邪などに感染しやすいので、注意しましょう。また、鼻をすすりあげる癖のある方も、鼻水が副鼻腔に入り炎症を起こしやすい傾向にあります。

1-3.蓄膿症の患者数はどのくらい?

蓄膿症の患者数は正確には把握されていません。しかし、全国に約100万人以上いると推測されています。子どもの患者数も多く、就学年齢の子どものうち12%が蓄膿症(副鼻腔炎)を患っているという報告もあるのです。

1-4.蓄膿症の種類について

蓄膿症は副鼻腔炎ともいい、急性と慢性があります。急性副鼻腔炎は風邪などから移行して発症する場合が多く、適切な治療を受ければ1か月以内に完治するでしょう。

一方、慢性副鼻腔炎は急性副鼻腔炎の段階で適切な治療をしなかった結果、粘膜の腫れがひどくなり、副鼻腔と鼻を繋ぐ管が狭くなって炎症が悪化した状態です。急性副鼻腔炎が3か月以上完治しなかった場合は、慢性副鼻腔炎と診断されます。膿のような鼻水が溜まり、顔面痛などの症状が出ることもあるでしょう。

2.蓄膿症を放置しておくとどうなる?

熱や関節の痛みがあるならともかく、単に鼻水だけではなかなか病院に行く気にならない方も多いでしょう。しかし、蓄膿症は副鼻腔の炎症が原因です。ですから、蓄膿症が自然治癒することはめったにありません。

蓄膿症が慢性化すると、鼻が詰まりやすくなります。人はもともと鼻で呼吸をする生物なので、鼻がつまればそれだけ呼吸しづらくなるでしょう。また、鼻がつまっていると集中力が落ちて勉強や仕事に身が入らなくなることもあります。

鼻呼吸ができないので眠りが浅くなり、睡眠不足になることも多いでしょう。さらに、蓄膿症が悪化すると膿がひどくなって鼻の周辺から悪臭がすることもあるのです。

急性副鼻腔炎は風邪から移行する場合も多いので、風邪の症状が治まってもしつこい鼻水が続く場合は、副鼻腔炎の疑いがあります。また、アレルギー性鼻炎を発症している場合は、鼻水に粘り気が出て黄色っぽくなってきたら副鼻腔炎を発症している可能性があるでしょう。

この時点で治療を受けておけば、早く完治します。放っておくと、鼻づまりがひどくなり鼻水の粘り気が増してくることもあるでしょう。頭痛・顔面痛などが出てくる方もいます。

3.蓄膿症セルフチェック

  • 風邪治ったのに、鼻水だけがずっと出続けている
  • 黄色っぽく粘り気のある鼻水が出続けている
  • 頭痛や顔面痛がする
  • 鼻を強くかんでも、すぐに鼻づまりが起こる
  • 喉の奥へ粘り気のある鼻水が落ちてきてつらい

このような症状がある場合は、一度耳鼻科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。なお、子どもの場合は自分で鼻づまりの症状が訴えられない場合も多いため、風邪を引いたら耳鼻科を受診するといいですね。小児科は鼻の症状は診察してくれないので、小さい子どもや赤ちゃんでも耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診しましょう。

4.蓄膿症の治療法は?

蓄膿症の治療は、耳鼻咽喉科で行います。蓄膿症はどの年代でも発症する可能性があるので、できればかかりつけの耳鼻咽喉科を作っておくとよいでしょう。

通常の蓄膿症の治療は、投薬と点鼻薬が中心になります。特に、ネプライザーという機械で鼻に薬を注入すると、症状が改善しやすくなるでしょう。

また、長年蓄膿症で苦しんできたという方は「鼻たけ」という良性のポリープができていることもあります。さらに、体質によって蓄膿症になりやすい人もいるでしょう。

5.膿のような鼻水を出す方法は?

蓄膿症の治療には、時間がかかることもあります。その間、どうしても膿のような鼻水がつまって苦しいということもあるでしょう。この項では、膿を出してすっきりとする方法をご紹介します。鼻をかんでもすっきりしないという方は、ぜひ実践してみてください。

5-1.鼻うがいをする

鼻うがいとは、鼻に水を入れて口から出す洗浄法です。鼻と口はつながっているので、水と一緒に膿を口から出してしまおうという方法になります。慣れないと苦しいですが、コツをつかめば鼻をかむよりもすっきりとするでしょう。鼻うがいはネティポットという急須によく似た形の器具や、針を外した注射器(シリンジ)で行います。どちらも薬局で手に入るので、探してみましょう。耳鼻咽喉科で販売しているところもあります。

5-2.電動式鼻洗浄機を使う

蓄膿症がひどい場合は、電動式鼻洗浄機を使いましょう。これならば、鼻に近づけておくだけで洗浄してくれます。値段は高いですが、鼻うがいよりもすっきりするでしょう。

5-3.鼻汁吸引機を使う

鼻汁を吸引する専門の機器があります。もともとは鼻をかめない子どもに使用するものですが、きれいに取れるので大人でも利用する方もいるのです。鼻汁吸引機を使いたいという方は、耳鼻咽喉科で相談をしてみましょう。販売しているお店などを紹介してもらえます。

6.蓄膿症を予防・改善するための注意点

では、最後に蓄膿症を予防・改善するための注意点をご紹介します。すぐに実践できるものもあるので、ぜひ参考にしてください。

6-1.鼻をすすりあげない

鼻をすすっていると、鼻水が耳の方へ逆流しますが、鼻水の中には雑菌がたくさん含まれています。ですから、鼻をすすっていると蓄膿症になりやすいのです。鼻はきちんとかんでください。鼻をかむときはゆっくりと片方ずつかみましょう。

6-2.耳鼻科で治療を受ける

かぜやアレルギー性鼻炎を発症しても、なかなか耳鼻科に行かないという方も少なくありません。しかし、鼻水が長引くほど蓄膿症を発症する可能性が高まります。

また、すでに急性副鼻腔炎を発症している場合は、慢性副鼻腔炎(蓄膿症)に移行するかどうかの瀬戸際です。ですから、できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診して治療を開始しましょう。早めに治療を始めるほど、完治も早いです。

6-3.無理をしない

蓄膿症は、進行すれば顔や頭が痛くなったり、臭いがしにくくなったり、いろいろな症状が出ますが、最初は鼻水だけのことも少なくありません。日常生活も普通に送れます。ですからつい無理をしがちな人もいるでしょう。しかし、蓄膿症は炎症です。ですから、無理をせずに体をいたわればそれだけ治りも早まります。

7.蓄膿症に関するよくある質問

Q.蓄膿症に遺伝は関係ありますか?
A.蓄膿症そのものに遺伝は関係ありません。

Q.蓄膿症が自然治癒することはありますか?
A.ないとは言えませんが、可能性はほとんどありませんので病院で治療を受けましょう。

Q.蓄膿症は何歳くらいから発症しますか?
A.鼻風邪からも移行しやすいため、0歳の赤ちゃんでも発症する可能性があり、十分な注意が必要です。

Q.蓄膿症は再発しますか?
A.はい。再発をくり返す方もいます。

Q.蓄膿症は、市販薬でも治るでしょうか?
A.蓄膿症に効果のある市販薬も販売されていますが、耳鼻科・耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。

6.おわりに

いかがでしたか?今回は蓄膿症になると出る、膿のような鼻水の出し方をご紹介しました。蓄膿症は、前述したようにひどい鼻水以外の症状は特に出ません。ですから、病院になかなかいかない、という方も多いでしょう。しかし、記事本文でご紹介したように、蓄膿症が自然治癒することはほとんどありません。ひどくなればなるほど、日常生活も送りにくくなるでしょう。

ですから、かぜをひいて1週間以上たってもネバネバした鼻水の量が減らない場合。そして、花粉症の季節が終わっても鼻水だけが出続ける場合は、一度耳鼻咽喉科を受診してください。