鼻詰まりでお困りの方、もしかしてその症状「蓄膿症」では?

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「最近鼻がよく詰まるようになった」「味や臭いを感じない」とお悩みの方。もしかしたら、その症状は蓄膿症が原因である可能性があります。蓄膿症は早期の治療が何より肝心。今回は蓄膿症の症状と、その治療法についてご紹介しましょう。

  1. 蓄膿症ってどんなもの?
  2. 蓄膿症の種類と症状
  3. 蓄膿症の治療法

1.蓄膿症ってどんなもの?

蓄膿症は決して珍しい病気ではありません。しかし、なじみのない方のためにまずは概要を説明したいと思います。「ただ鼻水が出るようになるだけでは?」などと考えていると痛い目を見ることになるでしょう。

1-1.蓄膿症は副鼻腔炎になることから始まる

蓄膿症とは、「副鼻腔炎」の一種です。まずは副鼻腔炎について説明しましょう。 我々人間の「鼻の穴」のことを専門用語では鼻腔といいます。鼻腔は常に呼吸によって外部の空気にさらされているため、ウイルスや細菌、カビなどにさらされることの多い器官です。ウイルスなどの侵入を体の免疫機能で防いでいる間は、特に問題はありません。しかし、体が弱っているときに鼻腔がウイルスや細菌にさらされると、内部で炎症が生じます。

この鼻腔内の炎症により、鼻腔の周囲にある「副鼻腔」にうみがたまる症状が「副鼻腔炎」です。実は、鼻腔の周囲には「副鼻腔」と呼ばれる大小の空間が広がっています。鼻腔が炎症を起こした場合、副鼻腔も炎症の被害を受けることがあるのです。

1-2.蓄膿症=慢性副鼻腔炎

副鼻腔炎は、治療することで多くの場合短期間で治ります。しかし、治療を行わない、再発を繰り返す、といった理由でまれに慢性化してしまうことも。この「慢性化した副鼻腔炎」の俗称が「蓄膿症」です。目安となる基準としては、「3か月以上副鼻腔炎の症状が継続した場合」、蓄膿症だと判断されます。

1-3.蓄膿症の原因は、「副鼻腔にうみがたまること」

蓄膿症の原因は、ウイルスなどによる炎症で生じた鼻水・うみが、副鼻腔に侵入してたまってしまうことです。うみが副鼻腔に進入してしまう原因はいろいろあります。 たとえば、アレルギー性鼻炎などの持病がある人は、常に鼻水が出ていることも珍しくありません。勢いよく鼻水をかんだ際に、その勢いで鼻水が副鼻腔に侵入してしまう、ということも考えられるのです。ほかにも、生まれつき鼻腔が狭く詰まりやすい方、けがなどで鼻が変形してしまい、詰まりやすくなっている人などは、「鼻の形状」が原因で副鼻腔炎になってしまうことも。

誰でも気をつけなければならないのは、風邪やインフルエンザです。風邪やインフルエンザにかかったときは、誰でも鼻水が出ます。つまり、「誰でも副鼻腔炎、そして、蓄膿症になるリスクを抱えている」といえるのです。

2.蓄膿症の症状

蓄膿症の症状は、なにも「鼻が詰まる」ことだけではありません。およそ鼻とはなにも関係なさそうなところまで症状が現れることもあるのです。この章では詳しい蓄膿症の症状について学び、「自分に蓄膿症の可能性はないか」確認していきましょう。

2-1.鼻水・うみにまつわる諸症状

蓄膿症の代表的な症状は、「鼻水・うみの詰まりによる症状」です。単なる鼻詰まりと甘く見ることはできません。鼻水が止まらず、呼吸がしづらくなるのはもちろん、鼻をいくらかんでも詰まっている感覚がなくならないようになります。副鼻腔の内部が炎症で腫れ上がっているため、鼻水を完全に出すことが難しくなるのです。 鼻水の質自体も変わります。通常は粘り気のない透明な鼻水が、黄色いドロッとしたものに変化するのです。症状がさらに悪化した場合、黄色から緑色の鼻水に変わることも。

2-2.「臭い」に関連した症状

蓄膿症によって粘り気を増した鼻水は、様々な症状を引き起こします。まず、鼻から十分に鼻水を排出できなくなるため、鼻水が喉のほうに垂れてくるようになるのです。この「後鼻漏」と呼ばれる症状は昼夜を問わず起きるため、安心して眠ることもできません。

「常に鼻水がたまっている」ということは、自分だけでなく周囲の人にも悪影響を及ぼします。具体的には、「鼻水の嫌な臭い」が周りの人にも伝わってしまうのです。生卵の腐ったような嫌な臭いが発生してしまい、周囲の人から顔を背けられてしまう可能性も。 「臭い」といえば、自分自身に関係する症状もあります。鼻が詰まることで臭いを十分に嗅ぎ分けることができなくなってしまうのです。人は食べ物の味を判別するときも臭いから多くの情報を得ているため、臭いがなくなることでものを味わう楽しみも大きく半減してしまうでしょう。

2-3.鼻以外の場所に影響を及ぼす症状

蓄膿症の症状は、「鼻」だけにとどまりません。副鼻腔は喉から目のあたりにまで広がる空間なので、その場所に炎症が起こるということは、顔全体に影響を与えてしまうのです。 具体的には、顔面や目、歯など、顔全体の様々な部位に痛みを感じる場合があります。頭痛や「頭がもやもやする」といった不快感が現れることも珍しくありません。 まさに、蓄膿症は全身に影響を与えうる極めて面倒な病気なのです。

3.蓄膿症の治療法

蓄膿症の治療法には、症状を抑える「保存療法」と外科手術で症状の改善を図る「手術療法」の2つがあります。家庭でもできる対策と合わせて、それぞれどのようなものなのかご紹介しましょう。

3-1.家庭でもできる蓄膿症対策

蓄膿症は厄介な病気なので、本来は医療機関で治療を受けるのが望ましいといえます。ただし、症状を改善するために家庭でできることもあるので、ご紹介しておきましょう。 まず、アレルギー性鼻炎などが原因で蓄膿症になってしまった方は、アレルギーの症状を抑えることで鼻の炎症も弱められる可能性があります。室内を掃除してこまめに換気することで、アレルギーの原因となりうるハウスダストの蓄積を防ぐのです。

生活習慣を改善して自己免疫力を高めるのもいいでしょう。もともと、免疫力が弱った瞬間を突いて鼻の炎症が始まったのです。免疫力を高めることはさらなる炎症の拡大を防ぐ効果があります。

また、市販の蓄膿症治療薬を使用する場合や、鼻うがい(鼻洗浄)などを自宅で行いたい場合は、医師に相談して助言をもらいながら進めるといいでしょう。

3-2.蓄膿症の保存療法

多くの蓄膿症患者がひとたびは経験するであろう治療法が、ネブライザー治療です。ネブライザーとは吸入器の一種で、炎症を起こしている副鼻腔に直接薬剤を噴霧することができます。

ネブライザー治療に使われる薬剤は、抗生物質・粘液溶解剤・血管収縮剤など。炎症の緩和・原因菌の殺菌・鼻水の軟化といった効果により症状の改善を狙います。一度に劇的な改善を目指すのではなく、繰り返し患部に薬剤を噴霧することで、徐々に症状を緩和していくのが目的です。薬剤はネブライザーで噴霧する方法のほかに、経口摂取する方法もあります。

3-3.蓄膿症の手術療法

かつて、蓄膿症の手術は「歯茎を切り、ほおの骨を削って炎症部分を切り取る」というとても難しいものでした。しかし、技術の進歩により、蓄膿症の手術は以前よりずっと簡単なものになっています。現在では、ほとんどが内視鏡を利用した、患者さんへの負担が少ない手術です。

まず、全身あるいは局所麻酔によって患部を麻ひした後、内視鏡と手術器具を鼻から内部に挿入します。病変を切り取り、後処置をしたら手術は終了。1〜2時間程度で終わります。

まとめ

いかがだったでしょうか。蓄膿症を「怖い」「よくわからない」と不安がる前に、まずは自分の症状を確かめてみることが大切です。最後にもう一度全体を振り返ってみましょう。

  1. 蓄膿症ってどんなもの?
  2. 蓄膿症の種類と症状
  3. 蓄膿症の治療法

症状と治療法を知れば、病気は決して怖いものではありません。正しい知識を持って治療に臨むようにしましょう。

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副鼻腔炎(蓄膿症)の日帰り手術