急性喉頭蓋炎にご注意! 急性喉頭蓋炎の症状を学んで治療しよう!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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喉が痛い、と感じるとまっさきに思い浮かぶ病名といえば『風邪』でしょう。しかし、もしかしたらただの風邪ではなく、急性喉頭蓋炎かもしれません。急性喉頭蓋炎は、放っておくと命にかかわります。重症であれば、数時間で呼吸困難に陥り死に至る怖い病気です。急性喉頭蓋炎が疑われる場合には、すぐに治療しなければいけません。しかし、急性喉頭蓋炎は症状が風邪に似ているため、なかなか判断がしづらいでしょう。そこで、今回は急性喉頭蓋炎についての基礎知識をご紹介します。

  1. 急性喉頭蓋炎の基礎知識
  2. 急性喉頭蓋炎の原因
  3. 急性喉頭蓋炎の治療について
  4. 急性喉頭蓋炎にまつわる質問

この記事を読むことで急性喉頭蓋炎の症状や治療方法について学ぶことができます。急性喉頭蓋炎は非常に怖い病気です。身を守るためにも、しっかりと知識を学びましょう!


1.急性喉頭蓋炎の基礎知識 

1-1.どんな病気か

急性喉頭蓋炎とは、喉(のど)と気管の境目にある喉頭蓋と呼ばれる箇所に炎症が発生している状態を指します。

1-2.喉頭蓋とは

喉頭蓋は、いわば喉の分岐器(ぶんきき)です。呼吸をしているときは気管と喉をつなぎ、飲食物がとおるときには気管の入り口を塞ぐことで、間違って入らないようにしています。そのため、喉頭蓋が炎症して腫れると、気道を塞いでしまうことがあり危険です。できるだけ早く治療すべき病気なのですが、症状が風邪と似ているため、発見が遅れてしまう方が多いのが現状となっています。

1-3.主な症状

  • 喉(のど)の痛み
  • 唾を飲むと痛い
  • ヨダレが出る
  • 話しづらい
  • 嚥下(えんげ)がしづらい
  • 38.0℃以上の発熱

1-4.危険な点

急性喉頭蓋炎は重症化すると、完全に気道が塞がってしまい、呼吸困難に陥ります。数時間で窒息状態まで発展することもあり、寝ている間に窒息死してしまった、なんてこともある危険な病気です。症状が風邪に似ているので見逃されがちなのも、さらに危険度に拍車をかけています。

2.急性喉頭蓋炎の原因

2-1.原因

急性喉頭蓋炎の原因は、ウィルスや細菌の感染となっています。特に、B型インフルエンザの感染によるものがほとんどです。なんと、急性喉頭蓋炎の8割近くが、B型インフルエンザによるものといわれています。このほかにも、以下のような病気が起因となって発生することもあるでしょう。

  • 急性咽頭炎
  • 気管支喘息(きかんしぜんそく)
  • アレルギー性気管支炎
  • 急性扁桃腺炎(きゅうせいへんとうせんえん)
  • 急性甲状腺炎

2-2.注意点

ご紹介したように、急性喉頭蓋炎はほかの病気と合併して起こります。そのため、急性喉頭蓋炎については見逃されてしまうこともあるのです。急性喉頭蓋炎の症状が出ている場合は、病院に行った際にしっかりと説明してくださいね。

3.急性喉頭蓋炎の治療について

3-1.病院へ行くべき症状

急性喉頭蓋炎の代表的な症状である、『唾を飲むと痛い』『話しづらい』『嚥下(えんげ)がしづらい』の3点が出た場合は、すぐに病院に行くことが重要です。放置しておくと、最悪の場合数時間で窒息に至ることがあります。もしも、呼吸が苦しくなってきたらすぐに救急車を呼びましょう。「ただの風邪かもしれないし……」と遠慮しがちですが、命が1番大切ですよ!

3-2.診断方法

基本的には問診によって判断されます。呼吸困難を伴う強い咽頭痛があれば急性喉頭蓋炎と判断することになるでしょう。逆にいえば、しっかりと症状を伝えないと、ただの風邪と判断されてしまうこともあります。患者はできるだけ正確に症状を伝えましょう。

ほかにも、レントゲンやCT、咽頭ファイバースコープ(咽頭鏡)などという機器で、喉頭蓋に腫れがあるかどうかを確認することもあります。また、血液検査や培養検査も行われるでしょう。

3-3.治療方法

基本的には投薬による治療が行われるでしょう。B型インフルエンザが原因の場合は、タミフルなどの抗インフルエンザ薬を投与して様子を見ます。また、B型インフルエンザ以外の感染症が原因の場合は、セファム系の抗生剤が投与されるでしょう。アレルギー性呼吸器疾患などが原因の場合は、ステロイド吸引剤などが使用されます。

3-4.重症の場合について

喉頭蓋に腫脹(しゅちょう)が見られるような重症の場合は、呼吸困難に陥るリスクがあります。そのため、診察時点では呼吸困難になっていない場合でも、緊急入院の処置が取られるでしょう。

3-5.注意点

普通の内科だと、急性喉頭蓋炎を見逃してしまうリスクがあります。急性喉頭蓋炎の症状があるのであれば、耳鼻咽喉科などの専門病院の診察をうけるようにしましょう。

4.急性喉頭蓋炎にまつわる質問

4-1.急性喉頭蓋炎に似たほかの病気はありますか?

急性喉頭蓋炎に似た症状が数週間以上続く場合は、咽頭がんの可能性があるでしょう。飲酒や喫煙の習慣が主な原因で、近年増加傾向にあります。

4-2.急性喉頭蓋炎で手術を行うことはありますか?

急性喉頭蓋炎には重症度が1期~3期まで分類されています。重症度が1番重い3期に至っている場合は気道を確保しなければいけません。そのため、気管切開を行うことがあります。

4-3.急性喉頭蓋炎の予防方法にはどのようなものがありますか?

基本的には乾燥を避けることが大切です。マスクをしっかりと装着し、部屋には加湿器などを設置しましょう。また、菌を体内に入れないことも大切なので、手洗い・うがいは習慣づけてください。

4-4.どのような人がなりやすいのですか?

欧米では2~5歳程度の幼児に多く見られますが、日本では成人に多く見られます。これは、インフルエンザワクチンの効果が切れ、インフルエンザに罹りやすくなることが原因です。

4-5.急性喉頭蓋炎の多い時期について

B型インフルエンザが主な原因のため、インフルエンザが流行する秋~冬の時期に多く見られます。

まとめ

今回は急性喉頭蓋炎についてご紹介しました。急性喉頭蓋炎とは、喉の奥にある喉頭蓋と呼ばれる場所が炎症を起こしている状態を指します。急性喉頭蓋炎は症状が風邪と似ているために見逃されがちです。『唾を飲むと痛い』『話しづらい』『嚥下(えんげ)がしづらい』の3つは急性喉頭蓋炎の代表的な症状となります。時として窒息を引き起こす非常に危険な病気のため、疑いがあればすぐにでも専門医に相談しなければいけません。急性喉頭蓋炎と診断された場合は、入院による治療が必要となります。治療には気道確保の上投薬治療が行われるでしょう。急性喉頭蓋炎の予防方法としては、喉を乾燥させないことと、菌を体内に入れないことが重要です。加湿器やマスクで喉(のど)を守り、手洗い・うがいを心がけましょう。