花粉症と風邪の見分け方を知りたい! 症状の違いを解説!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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まだまだ寒い日が続いていますが、もう暖かい地方では花粉が飛び始めています。花粉症はアレルギーの一種で、急に発症することも珍しくありません。

そこで、今回は花粉症と風邪の違いをご紹介します。花粉症の症状は鼻水や鼻づまりなど、風邪と共通しているものも少なくありません。しかし、少し注意して症状を観察すれば、同じものでも違いに気がつくでしょう。最近、風邪のような症状が長く続いているという方はぜひこの記事を読んでみてくださいね。

  1. 花粉症ってどんな病気?
  2. 風邪ってどんな病気?
  3. 花粉症と風邪の症状の違いとは?
  4. 花粉症かな?と思ったら
  5. 花粉症の治療とは?
  6. 風邪の治療方法
  7. 風邪と花粉症に関するよくある質問
  8. おわりに

1.花粉症ってどんな病気?

花粉症とは花粉が原因のアレルギー性鼻炎のことです。発症する季節が限られていることから、「季節性アレルギー性鼻炎」ともいわれています。花粉症の原因となる花粉はスギやヒノキが有名です。そのほかにもシラカバやブタクサなど約60種類の花粉が該当します。そのため、春だけでなく晩夏~秋にかけて花粉症を発症する人もいるのです。

花粉症の主な症状には、鼻水・目のかゆみ・皮膚のかゆみ・微熱などがあります。さらに、口の中がかゆくなったりのどがいがいがしたりする症状が出る人も少なくありません。これらの症状は、風邪とよく似ています。「風邪だと思ったら花粉症だった」という方も多いのです。

2.風邪ってどんな病気?

風邪の場合、鼻水のほかに熱・咳・のどの痛みなどの症状が出ます。鼻水だけが症状として現れる風邪もありますが、ごくまれでしょう。また、風邪の場合は1~2週間すれば大抵の症状は治まります。特に薬を飲まなくても、暖かくして栄養のあるものを食べれば治ってしまう、という方も多いでしょう。その反面、小さい子どもや高齢者の場合は風邪が肺炎に移行し、命にかかわることもあります。若い年代の方でも、疲労がたまっていたり病気から回復したばかりで免疫力が弱まっている時は重症化することがあるので気をつけましょう。

3.花粉症と風邪の症状の違いとは?

では、花粉症と風邪のどちらを発症したのか見分けるにはどうしたらよいのでしょうか? この項では、その方法の一例をご紹介します。同じ症状に見えても、違いがあるのです。

3-1.鼻水の違い

風邪と花粉症の代表的な症状に、鼻水や鼻づまりがあります。しかし、鼻水の状態は風邪と花粉症で大きく違うのです。風邪のときに出る鼻水は、色がついていて粘り気があります。ですから、鼻の中にたまっていることが多く鼻をかまない限りあまりたれません。また、風邪の場合の鼻水は1~2週間程度で治まることが多いでしょう。

一方、花粉症の方は透明で水のような鼻水がずっと続くのです。また、くしゃみが止まらないことも珍しくありません。

3-2.目の症状の違い

花粉症と風邪の決定的な違いは、目の症状です。アレルギーの症状は粘膜に強く表れます。ですから、目に花粉が入ると目のかゆみや異物感、さらに涙が止まらないといった症状が表れるのです。

しかし、風邪で目がかゆくてしょうがなくなるということはまずありません。そのため、鼻水と目のかゆみが同時に起きた場合は、花粉症である確率は高いでしょう。

3-3.そのほかの症状の違い

風邪も花粉症も、人によって出る症状が微妙に違います。花粉症がひどい人の場合ですと、微熱がでたり下痢になったり、せきが出たりすることもあるでしょう。その反面、風邪のように高熱が出たり関節が痛んだりすることはありません。

また、風邪が原因ののどの痛みは、ものを飲みこむと痛みが増します。しかし、花粉症が原因ののどの痛みは、ずっと「痛かゆい」という感覚が続くことが多く、何かをきっかけに痛みに変化が起こることはありません。

期間についても、風邪が1週間程度で治るのに対し、花粉症の場合は花粉が飛び続ける限り症状がずっと続きます。ですから、症状が出てから1週間以上よくなる気配がない場合は、花粉症を疑った方がよいでしょう。

4.花粉症かな?と思ったら

花粉症は、アレルギー症状の一種です。アレルギーはコップと水の関係によくたとえられます。アレルギーを受容できる器がコップ、そこにそそがれる水がアレルゲンです。コップに水が入る余裕があるときは、アレルギー症状は出ません。しかし、アレルゲンを浴び続けるといつかコップが満杯になって水はあふれ出てしまうでしょう。これが、アレルギーが発症する仕組みです。ですから、今まで花粉症とは無縁な人が、あるとき突然発症することも珍しくありません。

また、アレルギー物質を受容できる器の大きさも個人差があります。器が小さい人が長期間アレルゲンにさらされていると、早く花粉症を発症するでしょう。そのため、子どもも花粉症になる可能性があります。

花粉症かな? と思ったら、耳鼻咽喉科を受診すると同時に外出時にはマスクやメガネをかけましょう。目に症状がひどく現れる方は、花粉症対策用のゴーグル型メガネがおすすめです。また、服はポリエステルなどつるつるしたものを着ると、外で花粉を落としてから家の中に入りやすくなります。

また、ウォーキングやストレッチなど軽い運動をして自律神経を整える、ヨーグルトや緑茶・甜茶(てんちゃ)・ビタミンDを含む食品など、花粉症の症状を和らげる食べ物を積極的に食べる、というのもおすすめです。

5.花粉症の治療とは?

花粉症の治療は、投薬によるものが多いです。また、花粉症の治療はシーズンが始まる前に行わないと効果のないものもあります。ですから、花粉症を急に発症したという場合は、鼻水や目のかゆみを緩和する薬を使いながら、シーズンが終わるのを待ちましょう。

残念ながら、今のところ花粉症を根本的に治療する方法はありません。しかし、工夫しだいで症状を軽くすることは可能です。花粉症を発症してしまったら、次のシーズンは1月の終わりくらいから治療を始めましょう。時期は医師が指示してくれるので、それに従ってください。

5-1.薬について

2016年秋から、花粉症の治療薬の一種である抗ヒスタミン剤に、ビラスチン(ビラノア)・デザレックス(デスロラタジン)という新薬が登場しました。どちらも即効性があり、他の抗ヒスタミン剤に比べると眠気が起こりにくいという特徴があります。ただし、すべての方に眠気が出ないわけではありません。注意書きには「眠気を催すことがあります」と記されていますので、不安な方は車の運転などは控えましょう。また、新薬は発売から1年間、最大でも2週間分しか処方されません。2週間に1度通院できない方は、来年度から服薬するという方法もあります。

また、子どもは安易に市販薬を飲ませてはいけません。花粉症の市販薬の中には12~15歳以下は飲めない薬もあります。子どもに花粉症の疑いがある場合は、一度耳鼻咽喉科を受診して薬を処方してもらいましょう。

5-2.民間療法に効果はあるの?

ドラッグストアなどに行くと、「花粉症に効果的」という健康食品やサプリメントがたくさん販売されています。また、花粉症に効くお茶やアロマなどもあるのです。それらのいくつかは、実際に効果が確認されています。しかし、残念ながら病院の薬より劇的な効果があった、というものはまだありません。ですから、病院の薬に頼らず健康食品で花粉症の症状をやわらげようと、がんばりすぎないようにしましょう。

一番は、医師に症状を説明し、体に負担の少ない治療法を見つけていくことです。しかし、花粉症の時期の耳鼻咽喉科は混んでいることが多く、診察時間も短くなりがちというところも少なくありません。その場合は、あらかじめ自分の症状や改善してほしいところをメモにまとめておくとよいでしょう。

6.風邪の治療方法

風邪の治療法は、健康で体力のある方ならば暖かくして寝ていることが一番です。熱が高い場合や咳や鼻水がひどく日常生活に支障が出る場合は、内科や耳鼻咽喉科を受診しましょう。子どもや高齢者の場合は、熱が出たら念のために病院を受診した方がよいですね。特に、子どもは高い熱が出やすいものですが、機嫌がよければ過剰に心配することはありません。ただし、風邪とよく似た感染症も多いので気をつけましょう。

風邪が治ったのに鼻水だけが止まらないという場合は、副鼻腔炎を発症している可能性があります。この場合は、すぐに耳鼻咽喉科を受診しましょう。慢性副鼻腔炎に移行すると厄介です。

7.風邪と花粉症に関するよくある質問

Q.花粉症は、春だけに発症するのでしょうか?
A.最近はブタクサ・ヨモギ・イネ科の植物などの花粉症患者も増えてきています。これらの花粉アレルギーは夏から秋にかけて発症しやすいでしょう。

Q.花粉症を予防する方法はありますか?
A.今のところ、完全に予防する方法はありません。

Q.風邪で病院を受診する目安はなんでしょうか?
A.普段健康な若い方ならば、2日以上熱が下がらなければ受診した方がよいですね。また、ひどい咳や鼻水が出る場合もすぐに受診してください。

Q.花粉症の治療は保険が効きますか?
A.一部の治療を除いて健康保険が適用になりますので安心してください。

Q.高齢になってから花粉症を発症することはあるのでしょうか?
A.もちろんです。どんな方でも発症のリスクはあります。

8.おわりに

いかがでしたか? 今回は花粉症と風邪の症状の違いについてご紹介しました。花粉症に悩む方は、年々増えているといいます。今シーズンは平気だった人が来シーズンに発症するということも、珍しくありません。花粉症の治療は、早期に行うほど効果があります。ですから、花粉症に悩まされている人はできるだけ早く治療を始めましょう。