自分に合った花粉症薬を知ろう!種類や副作用にはどんなものがあるの?

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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花粉症の薬にはさまざまな種類のものがあります。服用するタイプのものだけでなく、点眼や点鼻薬を使用している人も多いでしょう。花粉症の症状に困ったとき、どんな薬を利用するべきか迷いますよね。市販の薬でも十分な効果が得られるのか、知りたい人も多いでしょう。

今回は、花粉症薬の種類とそれぞれの特徴についてまとめてみたいと思います。

  • 花粉症薬の種類を知りたい
  • 薬の強さと副作用は比例するのか?
  • 自分にはどんな薬が合っているのか?

花粉症の悩みを少しでも早く解消するために、薬選びにも十分注意してください。


  1. 花粉症の症状とメカニズム
  2. 花粉症薬の種類と特徴
  3. 花粉症薬の副作用
  4. 花粉症の治療方法について
  5. まとめ

1.花粉症の症状とメカニズム

毎年花粉が飛散する時期になると現れる不快な症状。「この症状は花粉症なのか?」と疑問に思っている人も多いと思います。まずは、花粉症の主な症状とそのメカニズムについてご紹介しましょう。

1-1.花粉症の主な症状

花粉症の主な症状は「くしゃみ」や「鼻水」「鼻づまり」など。つまり、風邪の症状とよく似ているのです。その症状が花粉症なのか風邪なのか分からずに困る人は多いでしょう。花粉症であるにもかかわらず、風邪だと思い込んで対処せずにいると花粉症は悪化します。たとえば、立て続けに何度もくしゃみが出る場合は、花粉症である可能性が高いでしょう。

また、花粉症の鼻水は水っぽいのが特徴です。風邪の場合は数日で黄色っぽく粘り気が出てくるため区別しやすいと思います。さらに、花粉症による鼻づまりは息ができないほど苦しいことが多く、風邪の場合とは少し違っているでしょう。

このほかにも、花粉症では目のかゆみや充血が現れることが多くなっています。風邪で目がかゆくなることはほとんどないため、この症状によって初めて花粉症であることに気付く人も多いでしょう。

1-2.花粉症のメカニズム

花粉症は、スギやヒノキといった植物の花粉がアレルゲンとなって発症するアレルギー性鼻炎の一種です。毎年3月下旬~4月中旬あたりに症状が出る方が多く、この時期はテレビでも飛散する花粉の量が毎日のように発表されます。また、スギやヒノキ以外にもシラカバ・ブタクサ・ヨモギ・イネ科の植物の花粉でも花粉症の症状は現れるのです。そのため、複数の花粉でアレルギー症状が出る方は、1年中鼻づまりや目のかゆみ・充血・皮膚のかゆみ・せき・のどの痛みといった花粉症の症状に苦しめられることもあります。

現在、約3300万人の方が花粉症の症状に苦しんでいると言われており、その数は年々増加傾向です。

今はまだ花粉症になっていない人も、このまま花粉との接触を続けているうちに、いつかは発病する可能性があるということです。

2.花粉症薬の種類と特徴

花粉症の薬にはいくつか種類があります。自分に合ったものを見つけるためにも、それぞれの特徴を知っておきましょう。

これらの薬はドラッグストアでも販売されていますし、病院で処方してもらうこともできます。花粉症は、水のような透明な鼻水が出続け、目のかゆみや充血といった症状が代表的なものですが、このような症状が現れたからといって花粉症であると断言することはできません。耳鼻咽喉科を受診し、花粉症かどうかの検査をしてもらうことが大切です。

薬の強さは、抗アレルギー剤・第二世代抗ヒスタミン剤・第一世代抗ヒスタミン剤の順で強くなっていきますので、症状によって処方される薬が異なります。市販薬は花粉症の症状らしくものが出ているけれど、病院にすぐにはいけないというときに使ってみましょう。

なお、市販の点鼻薬の中は鼻づまりの解消に即効性が期待できますが、使いすぎると鼻粘膜が肥大する薬剤性鼻炎という副作用が出る恐れがあります。ですから、市販薬で症状をごまかさず、耳鼻咽喉科で根本的な治療を行いましょう。市販薬を利用する場合は、用法と用量を守って使用することが大切です。

2-1.抗ヒスタミン薬

花粉の刺激を受けるとなぜくしゃみや鼻水などのアレルギー症状が現れるのでしょうか。その理由は、気管支や鼻粘膜、皮膚などにある肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されるためです。抗ヒスタミン薬は、このヒスタミンに直接作用する薬。そのため、症状を素早く改善できるのです。

抗ヒスタミン薬と言えば副作用として眠気や口内の乾燥が起こるというイメージがあります。しかし、現在は「第2世代」と呼ばれる抗ヒスタミンが登場し、その副作用が大幅に改善されたのです。

2-2.ケミカルメディエーター遊離抑制剤

ケミカルメディエーター遊離抑制剤には、ヒスタミンの発生や放出を抑える効果があります。そのため、症状を軽くしたり遅らせたりすることができるのです。副作用が少なく、症状が出る前から服用することで症状の出現を遅くする効果があります。

2-3.ステロイド薬

炎症を鎮め、免疫を抑制してアレルギー症状を抑える効果があるのがステロイド薬です。さまざまな疾患の治療に使われているため、使用したことがある人も多いでしょう。ステロイド薬の使用で気になるのは副作用ですよね。しかし、ステロイド薬は正しく使用すれば副作用は少なく、効果の高い薬。用法、用量を守り、ステロイド薬を有効活用しましょう。

2-4.花粉症薬のタイプ

主な花粉症の治療薬には上記のようなものがあります。さらに、タイプ別に分けると「経口薬」「点眼薬」「点鼻薬」があるのです。

経口薬とは、錠剤やカプセル剤、粉剤、ドライシロップなど。

点眼薬は目に直接投与する液体の薬で、目のかゆみや充血などに効果があります。局所に直接作用するため、全身への副作用が少ないのが特徴でしょう。

点鼻薬は鼻の中にスプレーする薬。鼻づまりや鼻の炎症を抑える効果があります。

3.花粉症薬の副作用

花粉症の薬を使う際、誰もが気になるのが副作用だと思います。花粉症薬の副作用にはどのようなものがあるのでしょうか。

3-1.頭痛

花粉症の薬を使うことで副作用として頭痛が現れる場合もあります。たとえば、妊娠中の女性でも利用できるような副作用の少ない薬であっても、まれに頭痛が起こることがあるのです。ただし、眠気のために昼寝をして、夜に十分睡眠できなかったことが、頭痛の原因になっている可能性も否定できないでしょう。

3-2.吐き気

花粉症の薬を使うと吐き気を起こす人も多いようです。しかし、実は薬が原因なのではなく、花粉症そのものが吐き気の原因になっている可能性が高いでしょう。鼻の中で炎症が起こり、副鼻腔(びくう)炎を発症してしまうとこのような症状が出るのです。ただし、薬の副作用として胃腸障害が現れることがあるのは確かなこと。胃痛や吐き気が起きたら、薬の種類を変えてみましょう。

3-3.眠気

花粉症薬の副作用に眠気があることは知られています。化学伝達物質であるヒスタミンには、脳を活性化する働きがあるのです。抗ヒスタミン薬を服用することで脳のヒスタミン作用を妨害してしまうことになるでしょう。花粉症の症状がおさまると同時に、脳の働きも抑制してしまうのです。脳の判断や思考などの能率が低下するため、眠気のような症状が現れてしまうのでしょう。

注意しなければならないのは、眠気より脳の効率が低下すること。そのことに気付かずにいると危険な状態で車の運転などをしてしまうことになるでしょう。市販の抗ヒスタミン薬には、眠気を防ぐためにカフェインを混ぜているものもあります。しかし、カフェインの効果によって眠気を防ぐことはできても、脳の効率の低下は改善されないのです。

医師に薬を処方してもらう場合は、脳の効率低下が少ない「第2世代」の抗ヒスタミン薬を処方してもらうことをおすすめします。

4.花粉症の治療方法について

花粉症の治療法は、投薬・手術・舌下免疫療法などがあります。投薬は、薬で花粉症の症状を抑えながら、花粉が飛散する時期をやり過ごす治療方法です。最も体に負担がかからない治療方法ですが、花粉症が重症になると薬では効果が抑えきれないこともあります。

舌下免疫療法は、スギ花粉症の方に効果が期待できる療法です。医師の監督下で少量ずつのアレルゲンを舌下に投与し、症状を抑えます。効果が出れば、アレルギー症状がほとんどでなくなることもあるでしょう。その一方で、治療期間が3年以上かかり、12歳未満は治療を受けることができません。また、ヒノキやブタクサ・ヨモギなどが原因の花粉症の治療薬はまだ開発されていないのです。

手術とは、レーザーやラジオ波で鼻粘膜を焼く手術や、後鼻神経を切断する手術などで、つらい鼻水や鼻づまりを解消することができるでしょう。健康保険も適用されますので、費用は数万円ほどです。また、局部麻酔を使用して行うので、日帰りでの手術になります。重症の花粉症を発症している方に医師がすすめることが多い治療法ですが、持病のある高齢者や幼児は受けることができないこともあるので、よく医師の説明を聞いて決断をしてください。

5.まとめ

いかがでしたか? 花粉症薬にはさまざまな種類やタイプのものがあり、効果や副作用もそれぞれです。その中から、自分に合った薬を見つける必要があるでしょう。自分で判断する自信がない人は、専門の医師に相談して処方してもらうことをおすすめします。