花粉症には鼻粘膜を焼く手術が有効?! その方法や効果・費用を徹底解説!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

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花粉症のつらい症状でお悩みではありませんか? スギやヒノキの花粉が原因で発症する花粉症は、今や国民の4人に1人が苦しんでいるといわれる病気です。治療薬もたくさん開発されていますが、重症化すると薬が効きにくくなることもあります。また、「妊娠したのでできる限り薬を使いたくない」という方もいるでしょう。そんな方たちにおすすめなのが、鼻の粘膜を焼く手術です。

今回は、鼻の粘膜を焼く治療法の効果と方法・費用などをご紹介しましょう。

  1. 鼻粘膜を焼くと花粉症が改善するのはなぜ?
  2. 鼻粘膜焼灼術とはどのような手術?
  3. 鼻粘膜焼灼術を受けるには?
  4. 鼻粘膜焼灼術の流れと注意点
  5. 耳鼻咽喉科の選び方
  6. 鼻の粘膜を焼く手術に関するよくある質問

重い花粉症で苦しんでいる方、鼻の粘膜を焼く手術の詳細を知りたい方は、ぜひこの記事を参考にしてください。


1.鼻粘膜を焼くと花粉症が改善するのはなぜ?

はじめに、粘膜を焼くと花粉症の症状が軽減する理由などをご説明します。粘膜と花粉症にはどのような関係があるのでしょうか?

花粉症になると、スギやヒノキの花粉が鼻の粘膜について炎症を起こします。そのため、水のようにさらさらとした鼻水が異常に分泌されるようになり、鼻炎の症状が起こるのです。鼻の粘膜にスギやヒノキの花粉が付着しなければよいのですが、空気中に混じる花粉を完全に取り除くのはほぼ不可能でしょう。

2.鼻粘膜焼灼術とはどのような手術?

花粉症の鼻粘膜焼灼術は、鼻粘膜の表面をレーザーやラジオ波で薄く焼くことにより鼻のアレルギー反応を鈍くする治療法です。かつては鼻の粘膜をメスを使って切り取る手術も行われてきましたが、現在は体に負担をかけず手術の時間も短いレーザーやラジオ波による手術が一般的になりました。

2-1.鼻粘膜焼灼術のメリットや注意点

鼻の粘膜を焼くことにより、薬を使わなくても鼻水などのアレルギー症状を緩和できます。薬が効きにくい方でも効果が期待できます。ただし、アレルギーそのものが治まったわけではありません。焼いた鼻の粘膜が回復するにつれて症状も元に戻っていきます。しかし、一般的にレーザーなら1年、ラジオ派なら2~3年効果が持続き、再手術も可能です。

2-2.免疫療法との組み合わせも

アレルギー体質を改善する効果が期待できる免疫療法と組み合わせると鼻粘膜焼灼術の効果が切れるころに免疫療法の効果が出てきて、結果的にアレルギー症状を緩和させることもできるでしょう。

3.鼻粘膜焼灼術を受けるには?

この項では、鼻粘膜焼灼術が受けられる診療科や手術までの流れをご紹介します。何科で手術が行えるのでしょうか?

3-1.鼻粘膜焼灼術を行ってくれる診療科は?

花粉症の鼻粘膜焼灼術は、耳鼻咽喉科で行えます。現在はサイトを開設している耳鼻咽喉科も多く、鼻粘膜焼灼術を行っている病院はその旨が記されていますので、インターネットを利用して耳鼻咽喉科を探してもいいですね。

3-2.鼻粘膜焼灼術はこんな人におすすめ

鼻粘膜焼灼術は、

  • 多量の鼻水が出るなど、鼻にアレルギー症状が強く出ている人
  • 飲み薬や点鼻薬を使用しても症状の改善が認められない人
  • 免疫療法中の人

このような人におすすめです。手術を受けたいという旨を医師に伝え、相談してみてください。

3-3.手術時間はどれくらい?

鼻粘膜焼灼術にかかる時間は約10分~20分です。そのため、当院のように日帰りで対応しているところもあります。といっても、初診ですぐに手術を受けることはできません。手術をするためには、事前の診察や検査が必要です。ですから、数回受診をした後での手術となります。

3-4.いつ手術を受けるのがいいのか?

花粉症の鼻粘膜焼灼術は効果がはっきりするまで1~2か月かかります。ですから、症状が出ない秋から冬の初めにかけての手術がおすすめです。花粉症のシーズンは手術を行っていない病院も多いので注意しましょう。

3-5.手術にかかる費用について

鼻粘膜焼灼術は保険の適用になります。そのため、費用負担は数千円~1万円が一般的です。複数の検査をした場合は、もう少し高くなりますが、それでも1万円代に納まることが多いでしょう。

費用についての詳細は以下のページをご覧ください。
手術費用について

3-6.何歳から手術が受けられる?

現在は、子どもでも花粉症に悩まされる方が増えてきています。子どもの場合はレーザーやラジオ波を照射している間、動かずにいられるようであれば手術可能です。多くの場合、小学校中学年になれば問題ないでしょう。

高齢者の場合は健康ならば何歳で手術を受けても問題はありません。持病があったり薬を飲んでいたりする場合は、主治医と相談してください。

4.鼻粘膜焼灼術の流れと注意点

この項では、鼻粘膜焼灼術の流れと注意点についてご紹介します。当日はどのように手術が行われるのでしょうか? ここでは当院の日帰り手術の例を見ていきましょう。

4-1.手術の流れ

まず、鼻に麻酔をかけます。麻酔が効くまでの時間は30分ほどです。その後、手術に移ります。手術はレーザーやラジオ波を鼻の粘膜に照射するだけです。前述したとおり10分~20分で終了し、麻酔がしっかり効いていれば痛みはほぼありません。手術終了後は30分程度病院内で休み、異常が出なければそのまま帰宅となります。

3-2.麻酔が切れた後の痛みや傷跡について

手術後、麻酔が切れると痛みが出る場合があるため、痛み止めが処方されます。痛みを感じたら服用してください。手術が終わって2週間くらいまでは粘膜が腫れ、鼻づまりを感じることもありますが、問題はありません。傷跡にはかさぶたができて出血しやすくなっていますので、鼻を強くかんだり熱いお風呂に入ったりするのは控えましょう。

3-3.手術後の通院

手術後は定期的に通院して鼻の中の様子を確認します。手術から1週間ほどして症状が落ちついた後、鼻の中のかさぶた等を掃除し、何も異常がなければ治療終了です。

3-4.再発や再手術について

前述したように、鼻の粘膜を焼く手術は永久的な効果が期待できません。手術を受けてから1~2年後に再発する方もいるでしょう。この場合は再手術を受けます。再手術をくり返すたびに効果は長くなるといわれていますが、個人差があるので必ずしも長くなるとは限りません。ですから、免疫療法など、アレルギー体質を改善する治療と並行して行うことをすすめる病院もあります。

4.耳鼻咽喉科の選び方

鼻の粘膜を焼く鼻粘膜焼灼術は、医師の腕によって効果の持続性に差が出るといわれています。ですから、

  • 手術の経験が豊富
  • 最新の手術方法で施術してくれる
  • 患者への説明が丁寧
  • 鼻粘膜焼灼術以外の治療法も提案してくれる

といった条件をそなえた病院を受診するといいですね。特に、手術経験の豊富さは重要になります。今は口コミサイトなどもありますので、それを参考にしてもよいでしょう。

5.鼻の粘膜を焼く手術に関するよくある質問

Q.手術を受けた翌日に仕事をすることはできるでしょうか?
A.デスクワーク中心の方でしたら問題ありません。しかし、過度な残業は控えてください。飲み会なども医師の許可がない限り参加をしない方がよいでしょう。

Q.冬は何月くらいまでに手術をした方がいいですか?
A.花粉症は早ければ2月に始まります。ですから、遅くとも1月前半までは手術を受けた方がよいでしょう。

Q.手術後、鼻がつまったらどうしたらよいですか?
A.手術後の鼻づまりは鼻粘膜の腫れが原因ですから、鼻をかんでも改善しません。無理に鼻を何度もかまないように注意しましょう。

Q.育児をしながら手術はできますか?
A.日帰り手術ですから可能です。しかし、当日はできれば子どもの様子を見てもらう人手があった方がよいでしょう。

Q.子どもに手術を受けさせたいのですが、注意点はありますか?
A.手術後に腫れや痛みが出ることを教え、ケアの仕方を子どもと共に医師や看護師から聞くとよいでしょう。学校とも連絡を取り、手術をしたことを伝えておくとより安心です。しばらくは激しい運動などは控えさせましょう。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回は、花粉症由来の鼻水や鼻づまりを解消する効果が期待できる鼻粘膜焼灼術についてご紹介しました。鼻の粘膜を焼くというと大がかりな手術に聞こえますが、クリニックによっては日帰りで行えるものです。ですから、仕事をしたり家事・育児をしながら受けたりしても問題ありません。ただし、手術が受けられる季節が限られている病院もありますので、手術を受けたい場合は早めに医師と相談するとよいでしょう。そうすれば、花粉症の季節直前になって慌てることもありませんし、効果もしっかりと実感できます。当院でも花粉症に対する鼻粘膜焼灼術を行っていますので、お気軽にご相談ください。