花粉症で喉の痛みが起こるのはなぜ? おすすめの対策と治療法を紹介!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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花粉症に悩む人のために、喉の痛み対策をご紹介します。花粉症にはさまざまな症状があり、その一つが喉の痛みです。花粉症と言えば鼻詰まりや目のかゆみが主な症状であるため、喉の痛みが起こってもその原因に気づけない人も多いのではないでしょうか。原因がわかれば対処法も知ることができます。花粉症によって喉の痛みが発生するメカニズムを知り、どうしたら緩和・予防できるのか考えてみましょう。この記事では、花粉症と喉の痛みの原因や対策方法などをまとめてご紹介します。

  1. 花粉症とはどんな病気なのか?
  2. 花粉症と喉の痛みの関係
  3. 花粉症による喉の痛み対策
  4. 花粉症の治療法
  5. 花粉症の薬について
  6. 花粉症に関するよくある質問

この記事を読むことで、花粉症の対処法がわかります。不快な症状を改善して快適に過ごしましょう。


1.花粉症とはどんな病気なのか?

まずは、花粉症という病気について解説します。症状や原因、特徴などをまとめてみました。

1-1.季節性アレルギー性鼻炎

花粉症は「季節性アレルギー性鼻炎」とも呼ばれています。花粉が体内に侵入した際、その花粉に反応してアレルギー反応を起こす病気です。現在は日本人の3人に1人が花粉症であると言われており、国民病の一つと認識されています。そのメカニズムを解説しましょう。目や鼻から花粉が浸入すると、細胞は花粉を「異物」と判断し、排除するためにIgE抗体を作ります。さらに花粉が浸入してくると、この抗体からヒスタミンなどの化学物質が放出され、花粉症の症状が起こるというしくみです。

1-2.主な症状

花粉症の三大症状は、くしゃみ・鼻水・鼻詰まりです。この症状は風邪と非常によく似ているため、最初は花粉症だということに気づかない人も多いでしょう。しかし、花粉症と風邪では治療方法が異なります。症状が現れるときの状況やほかの症状をしっかり観察して、早めに区別を付けるべきです。花粉症で起こるそのほかの症状には、以下のようなものがあります。

  • 頭痛
  • 目のかゆみ
  • 咳(せき)
  • 喉の痛み

1-3.主な原因

花粉症の原因となる花粉は、日本に約60種類あると言われています。特に多いのが、ヒノキやスギ、ブタクサ、シラカバなどです。また、花粉症と同様の症状を引き起こすアレルゲンに、ダニがあります。ダニアレルギーは喘息(ぜんそく)の原因にもなるため、早めに対策を考える必要があるでしょう。

1-4.なりやすいのはこんな人!

同じ状況でも花粉症になる人とならない人がいるのは、遺伝的な体質や食生活、住環境などが関係しています。以下のような人は花粉症を発症しやすいため、注意が必要です。

  • 家族にアレルギー体質の人がいる
  • ほかのアレルギーを持っている
  • 食生活が乱れている
  • 生活習慣が不規則である
  • ストレスがたまりやすい
  • 花粉が多い環境で過ごすことが多い

1-5.季節や時期、特徴は?

花粉は季節によってさまざまな種類のものが飛んでいます。特に飛散量が多くなるのが春で、スギやヒノキ、コナラなどの花粉が飛んでいく時期です。「花粉症は春になるもの」というイメージがあると思いますが、実はそうではありません。夏にはカモガヤやホソムギなど、秋にはヨモギやブタクサなどの花粉が花粉症を起こすこともあるのです。また、冬でも晴れの日には少量の花粉が飛んでいます。そのため、1年中症状に悩まされている人も少なくないでしょう。

1-6.症状はいつまで続くのか?

前述したとおり、アレルギー症状を引き起こす花粉は1年中飛散しています。つらい症状が一体いつまで続くのか、途方に暮れている人も多いのではないでしょうか。一般的にはスギ花粉によって症状が出る人が多いため、スギだけで言えばピークは2月~4月末ごろです。ただし、スギがヒノキの花粉やハウスダストと複合して症状を起こすこともあるため、油断はできません。早めに自分に合った対策を考えて、症状が出ないように注意していくしかないのです。

1-7.子どもの花粉症について

近年は子どもの花粉症が増加しています。特に、両親が花粉症持ちの場合、高い確率で子どもにも遺伝するのです。子どもの場合は鼻詰まりが主な症状であり、粘り気のある鼻水や目のかゆみが起こることが多くなっています。アトピー性皮膚炎や気管支喘息(ぜんそく)などを伴う場合もあるため、早めに症状に気づいてあげることが必要です。子どもの症状を注意深く観察し、早めに治療を始めてください。

1-8.花粉症は治るのか?

いったん花粉症になってしまうと、アレルギー体質そのものが治るということはほとんどありません。しかし、花粉が体内に侵入しないように注意しながら適切な治療を受けることで症状を抑えること、症状を出なくすることは可能です。まずは自分が花粉症であることを知り、いかに症状をコントロールしていくべきなのかを考えましょう。

2.花粉症と喉の痛みの関係

では、花粉症による喉の痛みについて解説します。風邪との違いにはどのようなものがあるのでしょうか。

2-1.花粉症の症状の一つ

花粉症で喉が痛くなるイメージはあまりないでしょう。しかし、実は全体の約8割が花粉症による喉の異常を感じているのです。中にはかゆみを伴う痛みが発生する場合もあり、唾を飲むだけで痛みを感じることもあります。特に、ヒノキ花粉に反応すると喉の痛みが起こりやすいと言われているため、注意が必要です。

2-2.なぜ喉が痛むのか?

花粉症でなぜ喉が痛くなるのか、その理由は二つあります。まず一つが、口呼吸による乾燥が原因です。花粉症で鼻が詰まると口呼吸になってしまうため、乾燥した空気が喉を刺激します。その結果、炎症を起こして喉が痛くなってしまうのです。もう一つ、花粉そのものが起こす炎症も関係しています。花粉が喉をとおる際にアレルギーが起こるのです。イガイガした痛みが特徴的で、咳(せき)が出る場合もあるでしょう。

2-3.風邪との違い

喉が痛くなるとまず風邪を疑います。しかし、花粉症の場合は風邪と違った症状であるため、早めに見分けるようにしましょう。風邪だと通常1週間もすれば症状はおさまります。しかし、花粉症の場合は花粉が飛散している間、ずっと症状は続くのです。「1週間以上喉の痛みが続いている」という場合は、花粉症を疑うべきでしょう。また、花粉症に該当するほかの症状がないかも確認してみてください。目のかゆみや充血、サラサラで透明な鼻水が出る場合は、花粉症の可能性が高いでしょう。

2-4.注意点

花粉症のシーズンが終わっても喉の痛みが長く続く場合は、後鼻漏(こうびろう)を発症している可能性があります。鼻水が喉の方へ流れ落ちる症状のことで、喉に異物感や違和感があるのが特徴です。これは多くの場合、もともと副鼻腔炎を患っていて、普段は炎症が軽度のためにほぼ無症状でも花粉時期に副鼻腔炎が悪化して粘調な鼻水が喉に落ちてくる事によります。この場合は必ず耳鼻科で治療を受ける必要があるため、症状をしっかりと観察しておいてください。

3.花粉症による喉の痛み対策

花粉症が原因で喉が痛くなった場合の対策をいくつかご紹介します。

3-1.乾燥しないようにする

喉の乾燥は痛みが悪化する原因になります。そのため、喉が乾燥しないようにしましょう。対策としては、マスクを着用する方法や加湿器を使う方法があります。特に寝ているときは喉が乾燥しやすいため、マスクを着用しながら寝るのがおすすめです。枕元に白湯(さゆ)を用意しておき、気になるときに飲むと喉が潤います。加湿器を使って室内の湿度を管理することも忘れないでください。

3-2.対策グッズを活用する

花粉症による症状を緩和するためには、体内に花粉が浸入してくるのを防ぐのが一番です。世の中にはさまざまな花粉症対策グッズが販売されているため、ぜひ活用してみてください。たとえば、顔に直接スプレーして花粉の侵入を防ぐものや、エアコン用花粉フィルター、洗濯用花粉防止カバーなどが人気です。自分が使いやすいものを選んで花粉をシャットアウトしましょう。

3-3.喉によい食べ物を積極的に食べる

喉の痛みに効く食べ物としておすすめなのが、蜂蜜です。蜂蜜には殺菌作用と炎症を抑える作用があるため、痛みが和らぎます。そのまま食べるのが難しい場合は、紅茶などに生姜(しょうが)と一緒に入れて飲むと体も温まって効果絶大です。そのほかにも、ヨーグルトや納豆など善玉菌を豊富に含む食材を取り入れることで、腸内環境が整って免疫力がアップします。

3-4.注意点

外出先から戻ったときは、必ず手洗いとともにうがいをする習慣を付けてください。うがいは喉を湿らすだけでなく、喉に付着した花粉を洗い流す効果もあります。さらに、顔も洗ってしまえば顔に付いた花粉を取り除くことができておすすめです。花粉が多い時期は、特に帰宅時の対策が大変重要になります。

4.花粉症の治療法

病院では花粉症の治療をどのように行うのでしょうか。

4-1.診断方法と検査方法

病院で花粉症を診断するための方法は、主に以下の3つです。

  • 皮膚反応検査:アレルゲンのエキスで皮膚を刺激し、その反応を見る
  • 血中IgE検査:血液検査によってアレルゲンに対する抗体を明らかにする
  • 鼻粘膜誘発テスト:アレルゲンを鼻の粘膜に付け、反応が出るか確認する

上記の検査により、本当に花粉症なのかを診断し、アレルゲンとなる花粉が何なのかを探ることができます。

4-2.何科を受診するのか?

花粉症の症状にはさまざまなものがあるため、何科を受診するべきか迷う人は多いと思います。花粉症の治療を行っているのは、主に耳鼻咽喉科・耳鼻科・眼科です。また、アレルギー専門医がいる病院を受診するのもよいでしょう。病院を選ぶときは、特に症状が強く出ている部位の診療科目があるか確認してください。

4-3.治療方法の紹介

花粉症と診断された場合、病院で行われる治療法には大きく分けて3つあります。

4-3-1.薬物療法

薬を服用することで症状を和らげる治療法です。主に抗アレルギー薬とステロイド薬が使用されます。抗アレルギー薬は、症状によって抗ヒスタミン薬または抗ロイコトリエン薬が処方されることになるでしょう。ステロイド薬には炎症やアレルギー反応を抑える効果があります。

4-3-2.手術療法

鼻の粘膜をレーザーで焼く方法です。花粉が付着してもアレルギー反応が起こらなくなります。ただし、鼻の粘膜は数年で再生してしまうため、手術してもその効果がいずれなくなってしまうのが欠点です。30分程度で終わる簡単な手術ですが、数年おきに行わなければならないかもしれません。

4-3-3.免疫療法

花粉を体内に入れることで、体を花粉に慣らしていく治療法です。こうすることでアレルギー反応は弱まっていきます。根本的に花粉症を治す方法として、非常に高い確率で効果が現われているということです。2014年からは「舌下免疫療法」が保険適用になり、注目を集めています。舌の下に原因物質を精製した治療用エキスを垂らす方法で、自宅でも行うことができるため、通院の回数を抑えることができるのです。

5.花粉症の薬について

花粉症の薬について、種類や飲み方、注意点をご紹介します。

5-1.薬の種類と副作用について

最近は病院で処方される薬と同じ成分が含まれる薬が市販薬として販売されるようになりました。ただし、主成分は同じであっても、配合されている量や対象年齢などに違いがあるため注意が必要です。花粉症の薬には以下のような種類があります。

5-1-1.抗ヒスタミン薬

花粉が体内に侵入すると、気管支や鼻粘膜にある肥満細胞からヒスタミンなどの化学伝達物質が放出されます。抗ヒスタミン薬はこのヒスタミンに直接作用するため、素早く症状を改善できるのです。第1世代と呼ばれる従来の抗ヒスタミン薬は、眠気や口内の乾燥などの副作用が強く起こりました。しかし、第2世代と呼ばれる抗ヒスタミン薬では、その副作用が大きく改善されたのです。

5-1-2.抗ロイコトリエン薬

鼻粘膜の浮腫(ふしゅ)を引き起こすロイコトリエンを抑えることで、鼻詰まりなどの症状を軽減する薬です。抗ヒスタミン薬などと組み合わせて使用することが多く、効果が現れるまでに2週間ほどかかります。

5-1-3.ステロイド薬

ステロイド薬はさまざまな疾患の治療に使われており、炎症を鎮めたり免疫を抑制したりする効果があります。花粉症の市販薬として販売されているのは点鼻薬です。鼻の粘膜に直接噴霧すると1~2日で効果が現れます。

5-2.飲み方

花粉症の薬は症状が強くなってから飲む人が多いため「効かない」というケースがよくあります。花粉症はいったん発症すると少しの花粉にも反応するようになってしまうため、早めに薬を飲み始めることが大切です。毎年花粉症の症状に悩まされている人は、できれば花粉が飛び始める前に薬の服用を開始しましょう。そうすることで、シーズン中のアレルギー症状を軽減できます。そのためにも、自分の花粉症がどの花粉が原因で起こっているのか、その花粉はいつからいつまで飛散するのかを把握しておくことが大切です。そして、花粉の時期が終わるまで飲み続けるようにしてください。

5-3.子どもや妊婦について

子どもの花粉症にも大人同様の薬が処方されます。市販薬を購入する場合は、子どもの年齢や症状をよく確認してから選ぶようにしてください。また、妊娠中の場合は薬の服用をできるだけ控えるべきです。安定期以降であれば産婦人科で薬を処方してもらえる場合もあるため、相談してみるとよいでしょう。

6.花粉症に関するよくある質問

花粉症に悩む人が感じる疑問とその回答をまとめてみました。

Q.食生活や生活習慣がなぜ花粉症と関係あるのですか?
A.インスタント食品やスナック菓子などを日常的に食べるような食生活は、免疫の低下につながります。また、睡眠不足や不規則な生活・ストレスなども自律神経を乱し、免疫機能がうまく働かなくなるのです。その結果、アレルギー体質になりやすくなります。

Q.突然、花粉症を発症することもあるのですか?
A.あります。体内に侵入した花粉の量が一定値を超えると症状として現れるようになるため、去年まで何ともなかった人が突然発症することも多いのです。そのため、まだ発症していない人も、普段から花粉が体内に侵入しないように対策をしておく必要があるでしょう。

Q.花粉症で発熱することもありますか?
A.基本的には高熱になることはありませんが、鼻が炎症を起こすと脳に酸素が十分に送られなくなり、頭痛や発熱を引き起こすこともあります。風邪の引き始めと間違えやすいため注意が必要です。

Q.家でできる花粉症対策にはどのようなものがありますか?
A.洗濯物を屋外に干さない、窓をできるだけ開けない、こまめに掃除機をかける、床は雑巾で拭き掃除をする、などの方法があります。最近は花粉を吸い取ってくれる空気清浄機もあるため、利用するとよいでしょう。

Q.花粉症で喉の痛みを感じたときは、薬を飲む以外どうすればよいですか?
A.鼻水や口から出る粘液はしっかりと取り除きましょう。鼻うがいをすることで鼻のとおりがよくなり、鼻呼吸しやすくなります。また、喉の腫れを抑えるためにできるだけリラックスして過ごすようにし、刺激物を食べないように気を付けましょう。

まとめ

いかがでしたか? 花粉症で起こる喉の痛みについて詳しくご紹介しました。特に、初めて花粉症になってしまった人は、その症状が花粉症であるか見分けが付かないことも多いでしょう。風邪だと思い込んで間違えた対処法をしてしまう可能性もあります。花粉症はさまざまな症状を引き起こす怖いものですが、早めに適切な対処をすることで症状を軽減できるのです。ぜひこの記事を参考にして、花粉症によって起こる喉の痛みから解放されてください。