知っておくべき5つのハウスダスト対策~アレルギーを抑えるために~

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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ハウスダスト対策にお困りの方は多いと思います。今や3人に1人はぜん息や鼻炎など、ハウスダストが原因で起こるアレルギー疾患を抱えているのが現状です。ハウスダストアレルギーの症状にはさまざまなものがあります。しかし、病院に行ってもその症状を抑えるための処置が行われるだけで、治すためには体質の改善が必要です。私たちは、普段からハウスダストによる影響を抑えるために、さまざまな対策を考えなければなりません。この記事では、ハウスダストによるアレルギー症状や対策法などをまとめてご紹介しましょう。

  1. ハウスダストについて
  2. ハウスダストとアレルギー
  3. ハウスダストアレルギーとは?
  4. ハウスダスト対策法の紹介
  5. ハウスダスト対策に関するよくある質問

この記事を読むことで、ハウスダストとアレルギーの関係を詳しく知ることができます。ハウスダスト対策としてできることをぜひ実践してみてください。


1.ハウスダストについて

まずは、ハウスダストについて解説します。発生源や問題点にはどのようなものがあるのでしょうか。

1-1.ハウスダストとは?

ハウスダストとは、人の目では確認できないほこりのことです。その中にはチリやカビ・ダニ・繊維クズ・ペットの毛・タバコの煙粒子などが含まれています。大きさは1mm以下で軽く、人の動きに合わせて宙を舞い、移動するのが特徴です。近年、ハウスダストアレルギーの症状に悩む人は急増しており、ハウスダストが人体に及ぼす影響について深刻に考えられています。

1-2.ハウスダストの発生源

ハウスダストの発生源となる場所はたくさんあります。

  • 屋外から入ってくる砂ぼこりや花粉・排気ガスなど
  • 衣類や布団から発生する綿ぼこり
  • 人の体から出る毛髪・フケ、ペットの抜け毛

特に、布団はダニの温床になります。高温多湿の環境になりやすく、人間の皮膚や髪の毛など、ダニのエサとなるものが多いためです。

1-3.ハウスダストの問題点

ハウスダストの問題点は、何と言っても「アレルギーの原因になる」ということです。ハウスダストに含まれる成分のうち、ダニのフンや死がいはアレルギー原因として最も多いものであることが分かっています。そういったものを含むハウスダストを体内に取り込むと、アレルギー症状が起こる場合があるのです。

2.ハウスダストとアレルギー

では、ハウスダストとアレルギーについて解説しましょう。

2-1.どんなアレルギーの原因になるのか?

まずは、アレルギー反応についてご紹介しましょう。私たちの体には、異物が浸入してきたときに攻撃して排除しようとするしくみがあります。異物を排除する際に、自分の体まで攻撃してしまうのが「アレルギー反応」です。つまり、ハウスダストを「異物」と判断し、体が過剰に反応した結果生じるのが、アレルギー症状ということになります。ハウスダストが原因となるアレルギーを「ハウスダストアレルギー」と言い、人によってさまざまな症状を引き起こすのが特徴です。

2-2.ハウスダストアレルギーが起こるしくみ

皮膚や粘膜にはバリア機能があり、体内に異物が侵入しないように体を守っています。このバリア機能が低下すると、体内にダニやほこりなどのアレルゲンが入り込んでしまうのです。そして、皮膚や粘膜の細胞がその異物を排除するための分子を作り出します。再びアレルゲンが侵入してきたとき、体内から化学物質を放出してアレルギー症状を起こすというしくみです。

2-3.ハウスダストアレルギーとは?

ハウスダストアレルギーとは、ハウスダストに対するアレルギー反応です。人間の体に備わっている免疫反応であり、その結果、鼻炎や皮膚炎・結膜炎・ぜん息などの症状を引き起こします。アレルギーは、その人が本来持っている体質によって大きく左右されるものです。部屋の掃除を怠っていたためにハウスダストアレルギーになるわけではありません。もともとハウスダストアレルギーの体質である人はアレルギーに対する「許容範囲」が小さく、アレルギー症状が発症する可能性が高いというだけなのです。

2-4.なりやすいのはこんな人!

アレルギーには遺伝が関係しています。そのため、家族にアレルギー体質の人がいる場合は注意が必要です。両親に何らかのアレルギーがある場合、子どもにその体質が遺伝する確率は80%と言われています。また、以下のような人もハウスダストアレルギーになりやすいということを覚えておきましょう。

  • 皮膚機能が弱い人
  • 気管が弱い人
  • 目や鼻の粘膜が弱い人

2-5.全国の患者数

現在、日本人の3人に1人が何らかのアレルギーを持っていると言われています。ハウスダストはアレルゲンの中でも上位を占めており、自覚している人だけでも全体の30%近くいると言われているのです。ハウスダストアレルギーであるということに気づいていない人を含むと、たくさんの人がその症状に悩まされていることが分かります。

3.ハウスダストアレルギーとは?

ハウスダストアレルギーは鼻や気管支・皮膚・目などさまざまな場所に症状が現れます。代表的なものをご紹介しましょう。

3-1.アレルギー性鼻炎

ハウスダストが原因で鼻の粘膜に炎症を起こすと、アレルギー性鼻炎になります。主な症状は、発作のようなくしゃみや鼻水・鼻づまりです。アレルギー性鼻炎には「通年性」と「季節性」があり、一定の季節に限って症状が現れる「季節性アレルギー性鼻炎」は、ほとんどが花粉症のことを言います。一方、一年中症状が出ている場合は「通年性アレルギー性鼻炎」であり、ハウスダストが原因になっていることが考えられるでしょう。

3-2.気管支ぜん息

気道が炎症を起こし、気管支ぜん息の症状が現れることもあります。炎症によって空気のとおりが悪くなり、呼吸のしにくさや咳(せき)、動悸(どうき)、息切れなどの症状が現れるのが特徴です。悪化すると血液中の酸素が不足し、意識を失ったりチアノーゼ状態になったりすることもあるため、十分注意しなければなりません。

3-3.アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎は、ハウスダストなどの原因物質によって引き起こされる皮膚疾患です。特に乳幼児期に発症することが多く、顔や頭・耳などの皮膚が赤く腫れ、強いかゆみを伴います。思春期ごろになると改善されるケースが多いのですが大人になってからも症状が続くと慢性化することもあるため注意が必要です。

3-4.アレルギー性結膜炎

原因物質が結膜に入ることで、目の充血や強いかゆみが起こります。そのほかにも、水上の目やにや涙が出る・まぶたの裏に湿疹(しっしん)ができるなどの症状が起こる場合もあるでしょう。アレルギー性鼻炎と同じように「通年性」と「季節性」があり、一年中症状が出ている場合はハウスダストが原因になっていることが考えられます。

3-5.注意点

上記のような症状が、必ずしもハウスダストによって起こっているかどうかは分かりません。原因によって対処法は異なってくるため、まずは明確な原因を突き止めることが大切です。花粉症やほかのアレルギーでも同様の症状が出ることがあるため、自分で安易に判断しないで病院を受診することをおすすめします。

4.ハウスダスト対策法の紹介

アレルギー症状を抑えるためには、原因となっているハウスダストを減らす必要があります。ハウスダスト対策法をご紹介しましょう。

4-1.どんな場所にあるのか?

ハウスダストは家のあらゆる場所に存在しています。特に多いのが、家具やすき間などです。本棚や机の後ろ、カーテン・ブラインド、電気のカサなども、普段あまり掃除をすることがないためハウスダストがたまりやすくなっています。しかし、一番たまりやすいのは床面です。特に、衣類の着脱をする脱衣所や布団の上げ下ろしをする寝室の床には、多くのハウスダストが存在していると考えられるでしょう。また、布団の中にもアレルギーの原因となるハウスダストやダニがたくさん存在しています。高温多湿な環境を好むダニにとって、布団は絶好の温床となるのです。

4-2.季節について

ハウスダストは一年中発生します。湿気が多くカビが発生しやすくなる梅雨期や空気が乾燥する冬はもちろんのこと、特にダニの死がいとフンが混じったハウスダストが急増するのは秋です。ダニを含むハウスダストは最もアレルギーの原因になりやすいため、できれば、冬になる前にハウスダストを掃除しておくことをおすすめします。

4-3.増えやすい条件とは?

前述したとおり、最も注意が必要なのはダニを含むハウスダストです。ダニが好む環境の条件には「栄養」「水分」「温度」「空気」があります。人間のフケやアカ・汗などもダニの栄養源となるため、布団は特に注意が必要です。20~30度の温度で湿度が高く、そして空気(酸素)がある環境でダニは増え続けます。つまり、ダニの繁殖を防止するためには、こういった環境を作り出さない工夫が必要なのです。

4-4.おすすめの対策法

ハウスダスト対策としておすすめの方法をまとめてみました。

4-4-1.掃除の仕方

まずは、基本的な掃除の方法です。フローリングは先に雑巾がけをしてから掃除機をかけましょう。その理由は、先に掃除機をかけると排気によって床表面のハウスダストが舞い上がってしまうためです。掃除機の後に仕上げとして雑巾がけをする人が多いと思いますが、順番を逆にしてみてください。また、床は1㎡あたり1分ほどかけてじっくりと掃除機をかけましょう。目に見えるゴミがなくなっても、目に見えないハウスダストはまだ残っている可能性があります。さらに、家具の上にあるほこりも忘れずに掃除してください。ハンディーモップや掃除機のブラシなどを使うとほこりが舞い上がりにくいのでおすすめです。

4-4-2.環境の改善も必要

掃除の仕方を工夫するのはもちろんのこと、環境の改善も必要不可欠です。こまめに換気をして、室内に浮遊しているハウスダストを室外に出しましょう。また、ダニは湿度の高い環境を好みます。布団乾燥機を積極的に利用するなどして、死滅させてください。天気のよい日は日干しし、その後で掃除機をかけてダニの死がいを吸い取ってしまいましょう。

4-4-3.対策グッズ紹介

ハウスダストアレルギーの対策グッズもたくさん販売されています。まずは、空気清浄機です。電源を入れておくだけでハウスダストを吸い込んでくれるため、掃除機をかけている間などに稼働させておくとよいでしょう。ただし、フィルター掃除をこまめに行い、空気清浄機自体を常に清潔な状態にしておくことが大切です。そのほかにも、ハウスダスト除去スプレーや布団クリーナーなどが注目を集めています。布団にスプレーしてからクリーナーで掃除をすると効果的にダニを吸い取ることが可能です。

4-4-4.そのほかポイント

ハウスダスト対策としては、掃除をするタイミングもポイントです。ハウスダストは人が動くと舞い上がるため、できるだけ人の動きがないときに掃除をすることをおすすめします。朝起きてすぐや帰宅直後など、ハウスダストの動きが止まっているタイミングで掃除をしましょう。また、掃除をするときは窓を2か所以上開けて空気の通り道を作り、舞い上がったハウスダストを屋外に追い出すことが大切です。

4-5.やってはいけないことと注意点

布団を天日干しした際に、たたいてほこりを落とそうとする人は多いでしょう。しかし、布団をたたくことでダニの死がいが細かく砕かれ、除去するのが難しくなってしまうのです。また、布団の中に入り込んでいるダニのフンや死がいが表に出てきてしまいやすくなるため、絶対にたたいてはいけません。一番効果的なのは、天日干しをした後で掃除機を使って吸い込む方法です。天日干しによって死滅したダニもすべて除去することができるでしょう。

5.ハウスダスト対策に関するよくある質問

「ハウスダスト対策について知りたい」という人が感じる疑問とその回答をまとめてみました。

Q.風邪とハウスダストアレルギーはどのように見分ければよいですか?
A.風邪の場合は長くても1週間程度で症状はおさまります。しかし、アレルギーの場合はアレルゲンがある限り症状は続くでしょう。1週間以上くしゃみや咳(せき)などの症状が続く場合は、ハウスダストアレルギーを疑ってください。

Q.外出時のハウスダスト対策にはどのようなものがありますか?
A.どのような場所にハウスダストが多く舞っているか分かりません。初めて行くような場所では、必ずマスクを着用するようにしましょう。

Q.普段からできるハウスダスト予防にはどのようなものがありますか?
A.布製のものをできるだけ少なくすること、こまめに洗濯をすること、ほこりが出にくい布団を使うことなどがおすすめです。

Q.ペットの毛がハウスダストの原因になると聞きました。対策にはどのようなものがありますか?
A.可能な限り室内でも服を着せるようにして、毛が散らからないようにしましょう。また、春や秋は毛が抜け変わる時期なのでこまめにブラッシングしてあげてください。

Q.ハウスダスト対策に効果的な寝具の選び方は何ですか?
A.最もおすすめなのは、洗える抗アレルギー素材の布団です。わた切れが少ない高品質のポリエステル素材を選びましょう。しかし、どんな布団であってもこまめな洗濯と掃除が必要不可欠です。

まとめ

いかがでしたか? ハウスダスト対策やハウスダストアレルギーの症状についてご紹介しました。現在、ハウスダストアレルギーの症状に悩んでいる人は全国にたくさんいます。特に、子どものハウスダストアレルギーは何とかしてあげたいものですよね。アレルギー症状を抑えるためにも、普段からどのような対策が必要なのか知っておく必要があるでしょう。ぜひこの記事を参考にして、今からできる対策を試してみてください。