肥厚性鼻炎とはどんな症状? 治療法や原因と共に紹介します。

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鼻水・鼻づまりは多くの方が経験したことのある体の不調です。特に冬になると風邪をひいて鼻水・鼻づまりに悩むという方はたくさんいます。風邪の症状が治まっても、鼻づまりや鼻水だけいつまでも治まらないという場合は、鼻炎を発症している可能性が高いのです。鼻炎はその名の通り鼻の粘膜が炎症を起こす病気であり、アレルギー性鼻炎・副鼻腔炎などがあります。この鼻炎をくり返しているとかかりやすいのが肥厚性鼻炎です。

今回は、肥厚性鼻炎の原因や症状・治療法などをご紹介しましょう。

  1. 肥厚性鼻炎とは?
  2. 肥厚性鼻炎の治療方法
  3. 肥厚性鼻炎の予防方法
  4. 肥厚性鼻炎に関するよくある質問

肥厚性鼻炎の原因などが分かれば、予防対策も取れます。肥厚性鼻炎で治療法を探しているという方や、現在鼻炎を患っているという方はぜひこの記事を読んでみてくださいね。


1.肥厚性鼻炎とは?

はじめに、肥厚性鼻炎の症状や原因・他の鼻炎との違いなどをご紹介します。実は、意外なものが鼻炎の原因になることもあるのです。

1-1.肥厚性鼻炎とはどんな病気?

肥厚性鼻炎は鼻炎が慢性化した結果、鼻腔にある下鼻甲介(かびこうかい)という部分の粘膜組織が増殖・肥大する病気です。この鼻炎は、元々アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などを患っている方が発症します。

1-2.肥厚性鼻炎の症状とは?

肥厚性鼻炎になるとひどい鼻づまりが起きやすくなります。元々アレルギー性鼻炎を患っており、水のような鼻づまりが出続けていたのに最近では鼻づまりが起きるようになったという方は要注意です。

また、副鼻腔炎を合併していると、後鼻漏といって鼻水が喉の奥へ落ちこむ症状も多く現れます。特に横になると症状が激しく出ることが多いため、朝目が覚めた時、喉の奥の方に鼻水がたまっていることが多いのです。

1-3.肥厚性鼻炎の原因

1-3-1.風邪やアレルギー性鼻炎からの移行

前述したように、肥厚性鼻炎はいきなり発症することはほとんどありません。まず別の原因で鼻水や軽い鼻づまりが起こり、それが慢性化して粘膜組織が増殖・肥大してしまうのです。このような症状が出る原因は風邪やアレルギー性鼻炎などがあります。鼻水・鼻づまりは決して珍しい不調ではないため、つい放置してしまう方もいるでしょう。その結果、鼻炎が慢性化して肥厚性鼻炎になる方もいます。

1-3-2.点鼻薬の乱用

現在、ドラッグストアでは鼻づまりを治すための点鼻薬が販売されています。この点鼻薬には血管を収縮させる成分が入っているため、鼻づまりがすぐに解消するのです。愛用している方も多いことでしょう。しかし、この点鼻薬を乱用すると鼻粘膜が薬の刺激によって腫れたり組織が変化したりして肥厚性鼻炎を発症することがあります。

1-4.肥厚性鼻炎になるとどうなるの?

肥厚性鼻炎による鼻づまりは、粘膜組織が鼻の中をふさいでしまうことによって起こります。ですから、いくら鼻をかんでも解消しません。また、肥厚性鼻炎がひどくなると鼻呼吸ができなくなります。そうなると自然と口呼吸になりますが、元々口は呼吸をする器官ではありません。そのため

  • 脳の酸素不足による集中力の低下
  • ひどいいびき
  • 睡眠時無呼吸症候群
  • 扁桃腺が腫れやすくなる

といった症状が起こることもあります。

2.肥厚性鼻炎の治療方法

この項では、肥厚性鼻炎の治療方法についてご紹介します。どのような治療法が有効なのでしょうか?

2-1.肥厚性鼻炎の診断方法

肥厚性鼻炎は、レントゲン撮影や内視鏡検査・CT検査などをすればすぐに診断がつきます。頑固な鼻づまりが続きまったく改善の気配がないという方は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。
アレルギー性鼻炎などで定期的に耳鼻咽喉科を受診している方の場合は、ごく初期の頃に診断がつく場合もあります。

2-2.肥厚性鼻炎の治療方法

2-2-1.投薬による治療法

ごく初期の肥厚性鼻炎の場合は、投薬による治療が行われます。市販の点鼻薬が原因の場合はまずその使う回数を減らしましょう。かといって、使わないと鼻詰まりが解消されない方も多いでしょう。その場合はいきなり全く使用を止めるのではなく、他の薬剤を併用することによって、徐々に使う回数を減らしましょう。

ただし、一度粘膜組織が肥大したり増殖してしまったりすると投薬では改善しにくいケースもあります。

2-2-2.レーザー治療

レーザー治療とは、低出力のレーザーで鼻の粘膜を焼いて縮める治療です。病巣粘膜を丸ごと切除する手術より短時間ですみ、鼻づまりに劇的な効果が期待できます。鼻の粘膜に麻酔をするので痛みもほとんどありません。10分~15分で治療も終わります。

2-2-3.下鼻甲介骨切除術

こちらは重度な肥厚性鼻炎の患者に対して行われる手術で、文字どおり下鼻甲介骨を切除する手術です。かつては1~2週間程度の入院が必要でしたが、現在は医療技術の発達により日帰りで手術が行える病院もあります。内視鏡を鼻に入れて手術をする内視鏡手術になりますので、鼻の表面に目立つ傷が残ることもありません。

2-3.手術が必要な場合とは?

2-3-1.どんな時に手術がすすめられるの?

投薬による鼻づまりの改善が全く見られない場合や、鼻の中がほとんどふさがっているような状態の場合は医師から手術をすすめられます。現在は、手術を進める理由とその効果を説明してくれますので、分からないことがあったら遠慮なく質問しましょう。

2-3-2.手術に入院は必要?

レーザー手術の場合は、基本的に日帰りです。下鼻甲介骨切除術の場合は病院によって数日入院をすすめられることもあります。
なお、これらの手術は健康保険が適応になりますので、手術費用は数千円~数万円程度です。

2-3-3.手術のメリットと注意点

レーザー手術をすると、粘膜が焼けて縮むためにアレルギー性鼻炎の原因である抗体が侵入しにくくなります。そのため、鼻水や鼻づまりといった症状もかなり改善するのです。

ただし、レーザー手術の場合は1度は効果が出にくい方もいますので、複数回行うこともあります。ラジオ派(高周波)で粘膜を焼く治療の場合は一回ですむでしょう。また、症状や鼻の形のよってはレーザー手術ができないこともあるのです。手術の効果は永遠ではなく、数年で症状が復活することもあります。

3.肥厚性鼻炎の予防方法

この項では、肥厚性鼻炎の予防方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

3-1. 鼻水をすすりあげない

鼻水をすすりあげていると、風邪が原因の副鼻腔炎になる可能性があります。鼻がつまったらきちんとかみましょう。片方ずつかむようにすると鼻がよりすっきりします。

3-2.耳鼻咽喉科で適切な鼻炎の治療を受ける

鼻水や鼻づまりは軽く考えられがちな体の不調です。しかし、鼻炎は自然治癒することがない場合もあります。また、アレルギー性鼻炎はある日突然発症することもあります。ですから、鼻水や鼻づまりが2週間以上続いて改善の様子が見られない場合は、できるだけ早く耳鼻咽喉科の治療を受けましょう。

3-3.市販の点鼻薬を乱用しない

市販の点鼻薬を使う場合は用法・容量を守って使用しましょう。鼻づまりが解消するからといって乱用すると肥厚性鼻炎を発症しやすくなります。

4.肥厚性鼻炎に関するよくある質問

Q.ひどい鼻づまりになった場合、肥厚性鼻炎であることは確実なのでしょうか?

A.すでにアレルギー性鼻炎などの治療を長年受けられている場合はその可能性がありますが、断言はできません。耳鼻咽喉科を受診しましょう。

Q.肥厚性鼻炎の場合は、必ず手術をするしか完治する方法はありませんか?
A.ごく初期の段階では投薬で症状が大幅に改善することもあります。詳しくは医師と相談してください。

Q.鼻炎はしっかりと鼻をかんでいれば治りますか?
A.自然治癒は難しいので、必ず耳鼻咽喉科を受診してください。

Q.肥厚性鼻炎になりやすい方はどんな人でしょうか?
A.花粉症をはじめとしたアレルギー性鼻炎の方はどうしても発症のリスクがアップします。予防するにはこまめに耳鼻咽喉科を受診して鼻の中をチェックしてもらってください。

Q.後鼻漏がひどい場合はどうしたらよいのでしょうか?
A.副鼻腔炎を合併しているかもしれません。耳鼻咽喉科に行って診断を受けましょう。ある種の抗生物質(マクロライド)を少量数ヶ月服用する治療が有効な場合があります。重症の場合は手術が必要かもしれません。

5.おわりに

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は肥厚性鼻炎の原因や症状・治療方法などを紹介しました。肥厚性鼻炎は鼻づまりがひどくなるだけでなく、睡眠障害や集中力の低下などを引き起こします。早めに治療しないと日常生活にも支障が出てくるでしょう。頑固な鼻づまりだけどいつかは治ると楽観視せず、鼻呼吸が難しくなったら耳鼻咽喉科を受診してください。

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川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
川村繁樹

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