朝にくしゃみや鼻水が止まらない! その原因と対処法を紹介します。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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朝起きた瞬間から、激しいくしゃみが止まらない。朝目覚めてからしばらくの間、鼻水が止まらなくて困っている。こんな症状に悩まされている方はいませんか? 朝は温度差や自律神経の影響などで、くしゃみが鼻水が出やすい時間帯です。特に、花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎を患っている方は、毎朝くしゃみの発作が出るということも珍しくありません。

今回は、朝にくしゃみや鼻水が盛んに出る原因や対処方法をご紹介します。

  1. くしゃみと鼻水の基礎知識
  2. 朝のくしゃみを軽減する方法とは?
  3. 耳鼻咽喉科を受診した方がよい症状とは?
  4. 朝のくしゃみに関するよくある質問

この記事を読めば、激しい朝のくしゃみを解消する方法が分かるかもしれません。毎朝激しいくしゃみや鼻水に悩まされている方は、ぜひ読んでみてくださいね。


1.くしゃみと鼻水の基礎知識

はじめに、くしゃみと鼻水が出る理由や、朝に連続して激しいくしゃみが出る原因などをご紹介します。風邪でもないのにくしゃみや鼻水が出る原因はなんでしょうか?

1-1.くしゃみや鼻水が出る理由

くしゃみや鼻水が出る原因は2つあります。1つは、鼻の中に空気と共に入ってきたほこりや細菌などの異物を、体外に排出するためです。もう1つは、冷たい空気を吸い込むなどして鼻腔内の温度が下がった際、鼻腔内の温度を上げるために出ます。この他、鼻の粘膜が何らかの原因で刺激を受けても、くしゃみが止まらなくなることがあるでしょう。
ちなみに、くしゃみや鼻水は不随意運動といって意志の力でコントロールすることはできません。

1-2.風邪やアレルギーで鼻水やくしゃみが出る理由

風邪に代表される感染症にかかるとウィルスや細菌が体内に増殖し、それを攻撃する白血球も増える傾向にあります。鼻水はウィルスや細菌、これらと戦った白血球の死骸を鼻水と一緒に体外に排出しようとするため、粘度を増した色付きの鼻水が増えるのです。また、感染症にかかると鼻の粘膜が炎症を起こし、敏感になることもあります。すると、ちょっとした刺激でくしゃみが出るようになるでしょう。

花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎の場合は、細菌やウィルスと同じようにアレルゲンを鼻腔内から排出しようとして鼻水が増えます。この場合の鼻水は、水のようにさらさらしているのです。アレルゲンが鼻の粘膜に入ると感染症と同じように鼻の粘膜が炎症を起こします。また、白血球の一種である好塩基球(こうえんききゅう)や肥満細胞内から、ヒスタミンという物質が過剰に放出され、くしゃみや鼻水・目のかゆみといったアレルギー反応が起こるのです。

1-3.朝にくしゃみや鼻水が出やすい理由

朝起きてすぐに激しいくしゃみが連続して起こったり、鼻水が多量に出たりする症状をモーニングアタックといいます。モーニングアタックが起こる原因は

  • 自律神経の乱れ
  • アレルゲンを一時的に多く吸い込んだ
  • 寒冷刺激

などが上げられます。くしゃみや鼻水は自律神経の働きによって起こるものです。自律神経は、交感神経と副交感神経の2種類からなり、起きている時は交感神経が活発になり、眠っている時やリラックスしている時は副交感神経が活発になっています。起床した直後は、副交感神経と交感神経のバランスが崩れやすいため、その影響を受けてくしゃみや鼻水が出やすくなるでしょう。

花粉症やハウスダストアレルギーの方は、起床する際に布団の上に積もった花粉やハウスダストを多量に吸い込んでしまい、くしゃみや鼻水が止まらなくなることもあります。空気の流れが起きにくい睡眠中に、花粉やハウスダストは布団の上に積もるのです。そして、朝になって布団から起きあがろうとすると、空気の流れに乗って舞い上がり、鼻腔内に吸い込まれやすくなるでしょう。また、アレルギーの症状には、眠気などと同じように約24時間単位で変化する概日リズムがあり、朝に症状が出やすくなるという研究結果も報告されています。
この他、寒い冬ですと起床後に冷たい空気を多く吸い込み、その刺激でくしゃみや鼻水が出ることもあるのです。

2.朝のくしゃみを軽減する方法とは?

この項では、朝のひどいくしゃみや鼻水を軽減する方法をご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

2-1.寝室にアレルゲンを持ちこまないようにする

アレルギー性鼻炎の方は、寝室にアレルゲンを持ちこまないように気を配りましょう。花粉症の場合は外出する時に着ていた服を寝室に持ちこまないようにして、寝具やパジャマも外に干さないようにすると効果的です。ハウスダストアレルギーの場合は、寝室の掃除をこまめに行い、ペットがいる場合は寝室をに入れないようにしましょう。マスクをして眠ったり空気清浄機を使ったりするのも効果的です。

2-2.ストレスをためないように心がける

自律神経はストレスに弱く、過度なストレスを長期にわたって受け続けると正常に働かなくなります。朝のくしゃみ以外にも不眠や便秘・胃もたれなどの症状が出ている場合は、自律神経が乱れている可能性があるのです。また、日勤と夜勤をくり返すなどして睡眠時間が不規則でも、自律神経は乱れやすいでしょう。自分なりのストレス解消法をみつけ、規則正しい生活を心がけるとモーニングアタックも出にくくなります。病気ではないけれど心身の不調が続く場合は、心療内科の受診も考えてみましょう。

2-3.交感神経を活発にさせてから起きる

目覚めてすぐに起きあがると、自律神経が混乱しやすくなります。布団の中で手足を動かすなどして頭をはっきりさせてから、ゆっくりと起きあがりましょう。アレルギー性鼻炎や風邪をひいていないのに、朝になるとくしゃみが止まらなくなるという方には効果的です。また、エアコンのタイマーなどを利用し、寝室を常に一定の温度に保っておくのも効果的でしょう。

2-4.薬を飲んで眠る

アレルギー性鼻炎や感染症の市販薬を飲んでいる方は、就寝前に服薬しましょう。眠っている間に効果が現れ、モーニングアタックを防いでくれます。病院の処方薬を飲んでいる方は、就寝前に服薬してもよいか医師や薬剤師に確認してから服薬しましょう。

2-5.布団や枕の材質を見直す

布団や枕には、羽毛・綿・羊毛・ソバガラ・化繊などいろいろな素材が使われています。これらの素材がアレルゲンになる方もいますので、毎日ひどいモーニングアタックがある方は、素材を見直してみましょう。また、綿や羊毛など羽毛以外の天然素材はダニが繁殖しやすいため、ハウスダストアレルギーの方には不向きです。布団がすぐに買いかえられえない場合は、防ダニの布団カバーをかけ、こまめにカバーを洗濯しましょう。

3.耳鼻咽喉科を受診した方がよい症状とは?

  • 水のような鼻水が出るようになり、目のかゆみなどの症状も出るようになった
  • 黄色く粘り気のある鼻水が2週間以上続き、改善の兆しが見られない
  • 鼻水が喉の奥に落ち、起きた時に不快感がある

朝のくしゃみや鼻水以外にこのような症状が出る場合は、耳鼻咽喉科を受診しましょう。花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎は突然発症することも珍しくありません。また、感染症から鼻の周りにある副鼻腔という空洞が炎症を起こす、副鼻腔炎に移行することもあります。副鼻腔は皮膚の下にあるので、外からは炎症が起きているかどうか分かりません。風邪の症状が治まっても、鼻水だけがずっと続く場合は副鼻腔炎を発症している可能性があるのです。たかが鼻水・くしゃみと考えず、耳鼻咽喉科で適切な治療を受けてください。

4.朝のくしゃみに関するよくある質問

Q.市販薬であれば、どんな薬でも寝る前に飲んで大丈夫ですか?
A.食間や食後という指示のあるものは、指示に従ってください。時間を問わず1日2回服用、という薬なら大丈夫です。

Q.スギ花粉の季節以外でも症状が出る花粉症はあるのでしょうか?
A.ブタクサやヨモギの花粉でもアレルギー症状が出る人がいます。この場合は、秋に症状が出やすいでしょう。

Q.ハウスダストアレルギーの場合、寝室に置かない方がよいインテリアなどはありますか?
A.ぬいぐるみや毛足の長いマットはダニが繁殖しやすいので、置かない方がよいでしょう。

Q.マスクをして寝ると息苦しくて眠れません。
A.そのような場合は、無理をして付ける必要はないでしょう。空気清浄機を使ってください。

Q.子どもでも花粉症になることはあるのでしょうか?
A.現在、2歳での発症例が報告されています。子どもが水のような鼻水を出しはじめたら、念のために耳鼻咽喉科を受診してください。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は、朝に激しいくしゃみや鼻水が出る原因や対処方法をご紹介しました。モーニングアタックが激しいと、日常生活にも支障が出ることがあります。たかが鼻水・くしゃみと思わずに、悩んでいる場合は一度耳鼻咽喉科を受診しましょう。アレルギー性鼻炎が疑われる場合は、検査も行ってくれます。思わぬアレルギーが発覚するかもしれません。また、前述したように、花粉症もあるとき突然発症することも珍しくないのです。いままで大丈夫だからといって油断しないように注意しましょう。