鼻や喉が乾燥しやすい方必見! 原因や対処法を紹介します。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。

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冬になると空気が乾燥し、それに伴って鼻や喉が乾燥してつらいという方も多いでしょう。特に、空調が効いている気密性の高い場所に長時間いる方は、より喉や鼻が乾燥しやすくなります。喉や鼻が乾燥すれば、風邪をはじめとする感染症などにもかかりやすくなるのです。

そこで、今回は鼻や喉が乾燥する原因やその対策方法をご紹介します。

  1. 鼻と喉が乾燥する原因とは?
  2. 鼻・喉の乾燥セルフチェック
  3. 喉や鼻の粘膜が乾燥した場合のセルフケア
  4. 病院を受診した方がよいケースとは?
  5. 鼻や喉の乾燥に悩んでいる方のよくある質問

喉や鼻が乾燥しても対策方法が分かっていれば、すぐに対処できるでしょう。喉や鼻がしょっちゅう乾燥してつらいという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。


1.鼻と喉が乾燥する原因とは?

はじめに、鼻と喉が乾燥する原因や症状をご紹介します。喉や鼻が乾燥しすると体はどうなってしまうのでしょうか?

1-1.喉や鼻が乾燥する原因

喉や鼻が乾燥する原因は、大きく分けて外的要因と内的要因の2つがあります。外的要因は、外気の乾燥です。乾いた空気を吸いこめば、喉や鼻の粘膜も乾きやすくなるでしょう。一般的に空気中の湿度が20%を下回ると、喉や鼻の粘膜が乾燥してつらく感じます。ですから夏よりも冬の方が乾燥に悩む方も増えるのです。
内的要因は、体の不調が原因で喉や鼻の粘膜が乾燥しがちになります。また、年を取るにつれて体の保湿能力が低下していくと、喉や鼻の粘膜はより乾燥しやすくなるでしょう。

1-2.鼻と喉の粘膜が乾燥すると現れる症状

  • 喉や鼻の奥がひりひりとして痛む
  • 鼻が出ないのに鼻をかみたくなる
  • から咳が出て、喉がいがらっぽくなる
  • 鼻血が出やすくなる

このような症状が出ている場合は、喉や鼻の粘膜が乾燥している恐れがあります。

1-3.鼻と喉の粘膜が乾燥がするとどうなるの?

1-3-1.感染症にかかりやすくなる

鼻と喉は体内でつながっており、取りこまれた空気は繊毛という細かい毛にウィルスや細菌・ゴミをからめとられ、きれいにされて肺へ送られます。これを繊毛活動といい、これが活発なほど風邪をはじめとした感染症にかかりにくくなるのです。繊毛は乾燥や寒さが苦手なため、鼻や喉の粘膜が入ってきた空気に適度な湿度を与えて、繊毛が生えている気道へと送ります。つまり、鼻と喉の粘膜は天然の加湿器の役割も担っているのです。また、比較的大きなゴミは繊毛に届く前に粘膜にからめとられてしまいます。

1-3-2.炎症を起こしやすくなる

喉や鼻は炎症を起こしやすい部位でもあります。特に、風邪の細菌やインフルエンザウィルスは冷たくて乾燥したところを好むので、喉や鼻が乾燥しているとそこで繁殖し、炎症を起こすのです。すると、副鼻腔炎や咽頭炎などの病気が発症しやすくなります。

1-3-3.日常生活への影響

鼻の粘膜が乾燥が長引くと乾燥性鼻炎という症状に移行します。これは文字どおり鼻の乾燥によって引き起こされる鼻炎で、鼻のむずむず感や痛み・違和感などがあり、鼻づまりとはまた違ったつらさが続く病気です。

1-4.薬の副作用で鼻の粘膜が渇くことがあるって本当?

市販の鼻づまりを解消する点鼻薬や、アレルギー性鼻炎の治療薬で鼻の粘膜が乾燥することがあります。これらの点鼻薬は血管を収縮させる働きがあり、乱用するとその刺激が鼻の粘膜を乾燥させてしまうのです。特に、市販されている鼻づまりを解消させる効果のある点鼻薬は、劇的な効果があるので、愛用している方も多いでしょう。しかし、用法と用量を守らないとドライノーズに苦しむことになるかもしれません。

1-5.病気や生活習慣で喉の粘膜が乾燥しやすくなるって本当?

ごくまれにですが、シェーグレーン症候群という唾液腺に異常を引き起こす自己免疫疾患を発症すると唾液が少なくなり、喉の粘膜が乾燥しやすくなります。
また、口呼吸の習慣がある方は常に口を開けっ放しにしているために、口の中や喉の奥まで乾燥しやすくなるのです。この他、加齢と共に唾液の量が少なくなると、喉の奥の粘膜が若い頃より乾燥しやすくなります。

2.鼻・喉の乾燥セルフチェック

  • やたらと喉が渇く
  • 喉や鼻の奥に痛みを感じることが増えた
  • 鼻の中がひりひりと痛む
  • 鼻血が出やすくなった
  • 鼻水が出ているわけでもないのに鼻がむずむずする

このような症状が出ている場合は、喉や鼻の粘膜が乾燥している可能性があります。

3.喉や鼻の粘膜が乾燥した場合のセルフケア

この項では、喉や鼻が乾燥した場合のセルフケアの方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

3-1.保湿に気を配る

外気の乾燥で喉や鼻の粘膜が乾燥する場合は、部屋の保湿に気を配りましょう。湿度計や加湿器を用意し、湿度が40%~60%の間になるようにします。冬になるとすぐに喉や鼻の粘膜に異常を感じるという方は、湿度を60%近くに保っておくとよいでしょう。加湿器が使えない場合は、コップに水を入れて置いておくだけでも違います。パソコンなどの精密機械が近くにある場合は、硬く絞ったぬれタオルでもよいでしょう。

3-2.マスクや飴で自衛をする

マスクは保湿と保温効果に優れています。外出時にマスクをかけるだけで大分違うのです。喉や鼻の粘膜が乾燥しやすい方は、こまめに水分を補給しながら喉飴などをなめて唾液の分泌を促しましょう。睡眠中の乾燥が気になるという場合は、寝るときに濡れマスクを装着してもいいですね。

3-3.ドライノーズ用の点鼻薬やワセリンを利用する

鼻の粘膜が渇いてどうしようもないという場合は、ドライノーズ用の点鼻薬を利用します。ドライノーズ用の点鼻薬は血管を収縮させる成分が入っておらず、ほぼ生理用食塩水に近いものです。これを定期的に点鼻すれば、鼻の乾燥による不快感を防ぐことができます。
また、保湿効果の高いワセリンを寝る前や長時間外出する前に鼻の中に塗っておくのもよいでしょう。ワセリンは化粧品ではありませんので、粘膜に直接塗っても大丈夫です。

3-4.漢方薬などを利用してみる

漢方薬には人の体質を変える効果が期待できます。自然の動植物を利用した生薬を原料とした漢方薬は即効性が期待できない反面副作用が少なく、長期間服用することができるのです。ですから、時間をかけて乾燥体質を変えていきたいという方は使ってみましょう。
漢方薬の効き目が実感できるまでは、うがいや水分補給なども忘れずに。

3-5.やってはいけないこと

鼻や喉の粘膜が乾燥しやすい冬は、年末年始があるため仕事が忙しい方も多いと思います。少しぐらい体調が悪くても病院へ行く暇がないからと市販薬で症状をごまかしている方はいませんか? しかし、喉や鼻の粘膜がひどく乾燥している場合は、市販薬では対処できないのです。できるだけ早く耳鼻咽喉科を受診しましょう。
特に、点鼻薬で鼻づまりを解消している方は要注意です。

4.病院を受診した方がよいケースとは?

この項では、病院を受診した方がよいケースや病院での治療方法などをご紹介します。どんな治療法があるのでしょうか?

4-1.病院を受診した方がよい症状とは?

保湿や水分補給に努めても喉や鼻の乾燥が全く治まらない場合や逆にひどくなっていく場合は、病院を受診しましょう。特に鼻の中が乾燥し、ちょっとしたことでも血が出るような場合は要注意です。耳鼻咽喉科を受診してください。

4-2.検査方法や治療方法

病院では喉や鼻の粘膜の状態を調べ、副鼻腔炎などの病気にかかっていないかどうかを検査します。レントゲン撮影やマイクロスコープ検査などが行われるのが一般的です。
治療方法は、基本的にセルフケアと変わりません。保湿に気を配って粘膜の回復を待ちます。病気があった場合は、その治療と並行して行うのです。
薬で一時的に症状が回復しても、医師から「もう大丈夫です」と告げられるまで通院は続けましょう。

5.鼻や喉の乾燥で悩んでいる方のよくある質問

Q.水を飲み過ぎるとトイレが近くなります。どうしましょう?
A.緑茶やコーヒー・紅茶には利尿作用があります。トイレに悩まずに効率よく水分補給をしたい場合は、白湯を少しずつ飲むか飴を利用しましょう。

Q.鼻の粘膜が乾燥しているかどうかよくわかりません。
A.鼻の穴にそっと指を差し入れてみて、渇いた感触があるならば乾燥しています。

Q.子どもでも粘膜が乾燥することはあるのでしょうか?
A.乾燥している場所に長時間いると、子どもでも鼻や喉の粘膜が乾燥しやすくなります。水分補給をしっかりと行いましょう。

Q.ドライノーズが自然治癒することはありますか?
A.ないとは言いきれませんが、かなり難しいでしょう。早めに耳鼻咽喉科を受診してください。

Q.喉の粘膜がひりひりする場合は、市販のスプレー剤を使ってもいいのでしょうか?
A.単に炎症を起こしているだけならば効果は期待できますが、乾燥由来の炎症の場合はうるおいを取り戻さないと再発します。乾燥した状態が続く場合は、耳鼻咽喉科を受診してください。

6.おわりに

いかがでしたか。今回は鼻や喉の粘膜が乾燥する原因や対処法をご紹介しました。冬は空気自体が乾燥していますので、より粘膜も乾燥しやすくなるでしょう。湿度に気を配り保湿を心がけてください。また、鼻づまりが続く場合も耳鼻咽喉科を受診しましょう。副鼻腔炎が原因の鼻づまりは、自然治癒が難しいのです。早めに受診するほど予後も良くなります。特に、何をやっても鼻や喉の乾燥が取れないという場合は、専門的な治療が必要です。