意外と知らない身近な病気「中耳炎」の症状を知ろう

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「このごろなんだか耳の奥に痛みを感じる」という方はいませんか。耳に痛みがある場合、中耳炎にかかっている可能性があります。多くの人が苦しめられていながら意外と知らない中耳炎の実態。自分自身の症状と比較できるように、わかりやすくご紹介していきたいと思います。

  1. 中耳炎ってどんなもの?
  2. 中耳炎の種類と症状
  3. 中耳炎の治療法

1.中耳炎ってどんなもの?

我々にとって身近な病気である中耳炎。しかし、まったくかかった覚えがないという方も中にはいるでしょう。実は、ほとんどの人は知らないうちに1度は中耳炎にかかった経験があるはずなのです。まずは中耳炎とその原因についてご紹介しましょう。

1-1.中耳炎は、「菌が鼻から耳に入る」ことで起きる

実は、我々人間の耳と鼻はひそかに内部でつながっているのです。耳の穴から内側に向かっていくと、我々が音を感じ取るために必要な鼓膜があります。鼓膜のさらに奥の方には「中耳」と呼ばれる器官があり、この中耳が鼻とつながっているのです。

鼻のなかにほかから菌が入ると、体を守ろうとする、人体の自然な働きによって鼻水が出ます。このとき、鼻水が中耳の方にまでいってしまうと、菌が鼻水によって耳の奥に入ってしまうことになるのです。この「鼻水によって運ばれた菌」が中耳炎の原因となります。

つまり、「中耳炎になりやすい季節」イコール「鼻水が出やすい季節」ということ。風邪はもちろん花粉症などの持病を鼻に抱えている方は、鼻の症状ばかりでなく耳の痛み、腫れといった症状にも注意してみてください。

1-2.10歳以下の子どもがかかりやすい

中耳炎になるのは、10歳以下の子どもが多く、大人はあまりかかりません。子どもの免疫が未発達で菌に弱いこと、鼻と耳をつなぐ管が短いことなどが理由とされています。

実は、1歳に満たないの子どものほとんどが「1度は中耳炎にかかったことがある」といわれているのをご存じでしょうか。つまり、あなたも自分では気づかない赤ちゃんのうちに中耳炎かかっている可能性があるのです。

1-3.急に腫れてゆっくり治まる

中耳炎の詳しい症状はのちほどご紹介するとして、抑えておきたい特徴があります。「急に腫れが起こり、ゆっくりと治まっていく」ということです。中耳炎は風邪などで鼻水が出ることをきっかけに起こります。しかし、腫れや痛みが起こる前触れのようなものはありません。朝夕問わず、急に腫れが発生し、2~3日で徐々にひいていきます。

ただし、腫れがひいただけでは完全に治ったわけではありません。なぜなら、腫れの原因であるうみがまだ耳の奥にたくさん残っているからです。再び腫れがぶりかえすことも十分ありえること。「耳のなかに残っているうみが完全に排出されたかどうか」は、中耳炎を治療するうえで極めて重要なポイントになります。 中耳炎とは「症状はすぐに治まる。しかし、再発すると悪化しやすく、治療には時間がかかる病気」と覚えておきましょう。

2.中耳炎の種類と症状

中耳炎にはいくつか主だった種類があります。各中耳炎の特徴と症状をご紹介しましょう。もし、「中耳炎になった」と思ったときは、自分の症状とご紹介した特徴を比較してみてください。

2-1.急性中耳炎

子どもなどによく見ることができる一般的な中耳炎がこちら。風邪などにより鼻水が耳に入り炎症が起きるのが原因です。耳の痛み、耳の腫れ、発熱、耳だれの症状が起こります。 適切な治療を施すことで、ほとんどの場合、数日から10日前後で症状は落ち着くでしょう。ただし、なかなか治らず再発を繰り返す、「反復性中耳炎」に発展することもあるので油断はできません。

ほとんどの場合、原因となる菌は鼻を通して入ってきます。よくいわれる「プールやお風呂で耳に水が入った」というのは原因ではありません。

2-2.しん出性中耳炎

「しん出液」と呼ばれる液体が中耳にたまってしまうことで起きる病気です。耳の痛み、発熱といった症状は起きません。しかし、難聴を引き起こすため注意が必要です。子どもや高齢者に多い病気で、治療には早ければ1か月、遅ければ数年程度を要します。

しん出性中耳炎が起きる原因は、耳管と呼ばれる「耳のなかの気圧をコントロールする器官」の働きが低下することです。耳管の働きは、急性中耳炎による炎症のほか、副鼻くう炎など別の病気によっても低下することがあります。また、耳管の働きは加齢の影響にも左右されるため、高齢者がこの病気にかかりやすい原因になっているのです。

2-3.慢性中耳炎

慢性中耳炎とはその名のとおり、慢性化した中耳炎です。急性中耳炎・しん出性中耳炎がなかなか治らない場合、この状態になることがあります。鼓膜に穴があく、「鼓膜穿孔という状態になります。この穴には汗やお風呂の水などに混じっている細菌が入っていきますので炎症を繰り返すことになります。症状は耳だれや難聴。炎症が長引くことで、炎症部位を繊維質が覆った「肉芽」と呼ばれる部位ができてしまうのです。肉芽のなかには生きた細菌が残っており、この細菌が炎症を繰り返す原因になってしまいます。

また、鼓膜の細胞が中耳内で増殖することで、「真珠腫」と呼ばれる塊を造り出すことも。真珠腫は難聴の原因になるため、手術で取り除かなくてはいけません。しかし、真珠腫は再発しやすいため、ひとたび取り除いても同じように増殖を繰り返すこともあります。真珠腫は耳小骨という耳のなかにある骨を溶かすことで難聴を悪化してしまうため、できるだけ中耳炎は悪化する前に治療することが大切です。

3.中耳炎の治療法

比較的短期間で治るものの、慢性化すると厄介な中耳炎。治療法を知っておくことで、いざというときの助けにもなります。症状の進行度合いに合わせた治療法をご紹介しましょう。

3-1.多くの場合、痛み止めを飲んでいれば自然に治る

中耳炎の治療は、耳の痛みを和らげる痛み止めを飲み、自然にうみが体外に排出されるのを待つのが最も簡単な治療法です。ただし、鼓膜の奥や鼻水の中に菌が多い状態では抗生物質の投与も必要です。

そもそも、菌が耳に入り炎症を起こしたことが痛みの原因。菌が完全にいなくなることで、自然と痛みも和らいでいきます。多くの場合は、2~3日程度で痛みはなくなるでしょう。

3-2.耳にたまったうみを完全に排出する

中耳炎の治療は、痛みを感じなくなったときが終わりではありません。痛みがなくなったとはいえ、炎症の原因であるうみも完全になくなったとは限らないからです。週に1回程度通院して、しばらくは医師に観察してもらったほうがいいでしょう。

特に、しん出性中耳炎の場合は、3か月程度たってうみが残っているということも十分にありえます。中耳炎で最も気をつけなければならないことは「慢性化を防ぐこと」です。痛みがなくなったのだからと油断せず、しっかりと診察を受けるようにしましょう。

3-3.切開による治療

なかなかうみが完全に排出されず、症状が改善しない場合は、鼓膜を切開してうみを取る治療もあります。

しん出性中耳炎などを繰り返す場合は、鼓膜に小さなチューブを通し、うみを吸い出す治療が行われます。鼓膜内の圧力が正常化することで難聴を和らげることもできるのです。

まとめ

今回は、身近なようで案外知らない「中耳炎」についてご紹介してきました。最後に流れを振り返ってみましょう。

  1. 中耳炎ってどんなもの?
  2. 中耳炎の種類と症状
  3. 中耳炎の治療法

中耳炎は、慢性化すると徐々に治療が難しくなる厄介な病気です。ただし、しっかりうみをだすことで、慢性化を防ぐことができます。今心当たりのある方は、ぜひ信頼できる医療機関でチェックしてみてください。

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