耳の中にカビがはえる外耳道真菌症とは? 原因や治療方法を紹介します。

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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耳掃除が好き、という方はたくさんいます。毎日耳掃除を欠かさないという方もいるでしょう。しかし、耳掃除のしすぎはかえって外耳炎や外耳道真菌症といった病気の原因になります。外耳炎も厄介ですが、外耳道真菌症になると治療に長い時間がかかることもあるのです。

今回は、外耳道真菌症の症状や原因・予防方法などを紹介します。

  1. 外耳道真菌症の基礎知識
  2. 外耳道真菌症の治療方法
  3. 外耳道真菌症の予防方法
  4. 外耳道真菌症に関するよくある質問

この記事を読めば外耳道真菌症の原因や予防法が分かるでしょう。


1.外耳道真菌症の基礎知識

はじめに、外耳道真菌症とはどのような病気かということについてご紹介します。症状や原因はなんでしょうか?

1-1.外耳道真菌症とは?

真菌とはカビのことです。外耳道真菌症とは、耳かきや耳掃除で外耳に細かな傷がつき、そこに真菌が繁殖して発症します。外耳とは、耳の入り口から鼓膜までの部分です。外気にさらされない部分ですから、皮膚が弱く、ちょっとした刺激でも傷つきます。耳掃除をしているときにうっかり傷つけてしまうことも珍しくありません。特に、硬い木製の耳かきや爪の先で耳かきをしていると、外耳を傷つけやすいでしょう。この傷口に雑菌が入ると、外耳炎になります。外耳炎になると耳の中が腫れて痛がゆくなったり、耳だれが出ることもあるでしょう。このようなとき、患部に真菌(カビ)が繁殖すると外耳道真菌症になります。

1-2.外耳道真菌症の症状とは?

外耳道真菌症になると、外耳炎と同じように外耳が痛がゆくなったり耳だれが出たりします。この他、黄色や黒の菌糸を含んだ耳あかや白くてぽろぽろとした耳あかが出ることもあるでしょう。真菌に耳の穴をふさがれ、耳がこもったように聞こえにくくなることもあります。自然治癒することはほとんどなく、耳鼻咽喉科での治療が必要です。

1-3.外耳道真菌症の原因

外耳道真菌症は、不潔な耳かきで耳掃除をしていると起こります。綿棒は専用の容器に入れて保管をしている方が多いと思いますが、木製の耳かきは文房具などと一緒に保管しているという方もいるでしょう。また、綿棒も汚れた手で使っていると雑菌が外耳に入りこみやすくなります。爪で外耳をかく癖があるという方も、爪の間に入っている雑菌が外耳で繁殖しやすいでしょう。
真菌は空気中にたくさんいる菌の一つです。通常は真菌が体内に侵入しても、抗体によって退治されてしまいます。しかし、病気やストレスで抵抗力が弱っていると真菌が繁殖しやすくなるのです。耳の手術をした後などにも発症することがありますので、注意しましょう。

1-4.外耳真菌症を放置しておく弊害

真菌は炎症を起こす細菌やウィルスの中では、生命力が強い方です。ですから、放置しておくと外耳の中でずっと繁殖し続づける可能性があります。痛がゆさがずっと続き、真菌が他の場所まで広がる恐れもあるでしょう。耳の聞こえも悪化する恐れがあります。

また、外耳真菌症は通常の外耳炎と異なり、真菌が少しでも耳の中に残っていると再発をくり返すのです。ですから、耳鼻咽喉科で完治するまでしっかりと治療を受けましょう。

2.外耳道真菌症の治療方法

この項では、外耳道真菌症の治療方法をご紹介します。どのような治療方法があるのでしょうか?

2-1.受診する診療科について

外耳道真菌症は、耳鼻科や耳鼻咽喉科で治療を受けます。子どもでも耳鼻科を受診してください。小児科では治療が行えません。耳鼻咽喉科では耳の中を診てもらえばすぐに外耳道真菌症かどうかの診断はつきます。

2-2.治療方法

外耳道真菌症の治療は、まず外耳道に繁殖した真菌をきれいに取り除きます。その後、抗菌剤を塗布して繁殖を抑えるのが一般的です。症状によっては耳浴(じよく)といって、耳の中を一定時間薬で満たす治療が行われることもあります。真菌を取り除いた後も、再発を防止するために1か月は通院が必要です。前述したように真菌はしつこいので、一見すると治ったように見えても再発することは珍しくありません。痛みやかゆみが強い場合は、かゆみ止めや痛み止めが処方されることもあるでしょう。医師が完治を告げるまで、通院を続けることが大切です。

2-3.耳かきを捨てる

前述したように、外耳道真菌症は耳かきや綿棒を介して発症することが多い病気です。ですから、外耳道真菌症が発症したら、使っている綿棒や耳かきはすべて処分してください。綿棒や耳かきに真菌が多く付着しており、それが外耳内へ移った可能性があるのです。また、外耳道真菌症にかかった方の指が綿棒や耳かきに触れていれば綿棒や耳かきで真菌が繁殖し、別の方の外耳に感染する可能性もあります。

3.外耳道真菌症の予防方法

この項では、外耳道真菌症の予防方法やセルフケアをご紹介します。ぜひ参考にしてください。

3-1.耳掃除をしすぎない

耳掃除は、2週間から1か月に1度で十分です。毎日やっているという方は、まず耳掃除をする習慣をやめましょう。最初はつらいかもしれませんが慣れてくれば気にならなくなります。また、爪は短く切って外耳を傷つけないようにしてください。子どもの耳掃除をする場合も同様です。行う前によく手を洗って2週間に1度行うようにしましょう。

3-2.耳かきの保管場所に気をつける

綿棒や耳かきは清潔な場所で保管しましょう。文房具などと一緒に無造作に保管しておくと、雑菌が繁殖しやすくなります。使った後は丁寧に汚れをぬぐい、ケースに入れて保管しましょう。綿棒を扱う場合は、手を洗ってから取り出してください。保管する際は、必ず蓋をしめておきましょう。

3-3.外耳炎になったらすぐに病院を受診する

外耳炎を発症すると、耳がとてもかゆくなる方は珍しくありません。この時に爪や綿棒・耳かきでかきむしってしまうと外耳道真菌症を発症しやすくなります。耳の中がかゆくなったらすぐに耳鼻咽喉科を受診し、治療を受けましょう。かゆみ止めも処方してもらえます。子どもが外耳炎になった場合は、爪を短く切って外耳を傷つけないようにしてください。

3-4.体の抵抗力を上げる

真菌は体の抵抗力が弱っていると発症しやすくなります。睡眠を十分に取り、バランスのよい食事を摂るように心がけましょう。そうすれば、外耳炎を発症しても外耳道真菌症に移行しにくくなります。

4.外耳道真菌症に関するよくある質問

Q.市販薬で外耳道真菌症は治りますか?
A.市販薬では外耳道真菌症は治せません。必ず耳鼻科・耳鼻咽喉科を受診してください。

Q.外耳道真菌症は感染しますか?
A.感染症ではありませんが、家族に患者が出た場合耳かきを共有していると、発症することがあるでしょう。外耳道真菌症の方が使用した耳かきは処分してください。

Q.外耳道真菌症は、どの年代に発症しやすいのですか?
A.子どもから高齢者まで発症しますが、抵抗力の低下した高齢者が発症しやすい傾向にあります。

Q.外耳道真菌症はどのくらい通院すれば治るのでしょうか?
A.約2週間~1か月です。医師の指示に従って通院を続けてください。

Q.外耳道真菌症の自覚症状はありますか?
A.白いぽろぽろとした耳あかが出てきた場合は、真菌症の可能性があるので、至急耳鼻咽喉科を受診してください。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は外耳道真菌症の原因や症状、治療方法などをご紹介しました。命に別状がある病気ではありませんが、一度発症すると再発をくり返しやすい厄介な病気です。重症化するほど治療も大変になるでしょう。耳が痛がゆくなった時点で病院を受診してください。子どもの場合は、しょっちゅう耳を触っているようならば受診をしてみましょう。