後鼻漏かも…とお悩みの方必見!〜原因や対処法・3つのポイント〜

このエントリーをはてなブックマークに追加

粘りのある鼻水が喉の奥を流れる、痰(たん)がからむ咳が止らない…などの不快な症状は、「後鼻漏(こうびろう)」の可能性があります。けれども、後鼻漏という症状をしらずに放置している人は少なくありません。そこで、ここでは、日常生活に支障をきたすこともある後鼻漏の症状・原因・対処法をご紹介しましょう。

  1. 後鼻漏の症状
  2. 後鼻漏の原因
  3. 後鼻漏の対処法
  4. まとめ

1.後鼻漏の症状

風邪をひいたわけではないのに、咳(せき)や痰(たん)が出る、喉に違和感がある…とお悩みの人は多いようです。また、咳や痰(たん)だけではなく、粘り気のある鼻水が喉に流れる不快感に悩まされている人もいるでしょう。

上記のような症状が続いている場合、「後鼻漏(こうびろう)」の可能性が考えられます。聞き慣れない名前ですが、実は、後鼻漏は誰にでも起こる症状なのです。どのような症状なのでしょうか。

1-1.後鼻漏とは

本来、病的な意味での後鼻漏は副鼻腔炎に伴い、粘調なあるいは膿性な鼻水が喉の方へと流れることを言いますが、広い意味で副鼻腔炎に伴う後鼻漏以外に生理的な分泌物や上咽頭の炎症に伴う分泌物も後鼻漏に含む場合もあります。

ここでは広い意味での後鼻漏について説明しています。

通常、鼻の中で過剰に分泌された鼻水は、鼻の穴から前方へ「鼻水」となって出ていきます。後鼻漏は、鼻水が外に出ずに鼻の後方から喉のほうに流れ落ちる症状です。

健康な状態でも、1日作られている鼻水(2〜6リットル)のうち30%(0.6〜2リットル)は鼻から喉に流れ、無意識に飲み込んでいるといわれています。そのために、後鼻漏自体は自然な症状なのです。

しかしながら、副鼻腔炎などで喉に流れ落ちる鼻水の量が増加したり、粘度が高くなり鼻の奥にたまってしまったり…とさまざまなトラブルを引き起こします。

1-2.後鼻漏で起こる症状

後鼻漏は量が少なければ気にならないものです。けれども、副鼻腔炎などで鼻水の量が増えると喉に流れ落ちてくるのがわかるので不快感をおぼえます。症状が重くなると、口の中がネバネバする・つばが増える・喉がつかえるなどの感じにも悩まされるようになるのです。

1-2-1. 咳

夜、あおむけになって寝ている間に鼻水が鼻の奥から喉にかけてたまります。そして、たまった鼻水は粘り気が増して喉に張り付くのです。そのために、朝、起きたときに痰(たん)混じりの咳が多くでるようになります。

1-2-2.吐き気

鼻炎や花粉症などが原因で、大量の鼻水が発生します。鼻水が喉に流れ込むと、体は防御反応で口から外に押し出そうとするために吐き気を感じるのです。

また、喉にたまった鼻水の粘度が増して固まり喉に張り付くこともあります。そうなると、やはり体が咳をして外に押し出だそうとするので吐きそうになるのです。

1-2-3.炎症

粘度が高くなった鼻水が、喉の奥に張り付いて鼻の奥や喉に炎症を起こします。

また、激しい咳を繰り返すことにより声がかすれてしまうこともあるのです。さらに、慢性的に炎症が続くと頭の重さや頭痛などに悩まされます。

1-2-4.口臭

鼻と喉、口は1つにつながっています。後鼻漏で常に鼻の奥に鼻水がたまっていると鼻や口からいやな臭いが漂うこともあるのです。

口臭や鼻臭は自分ではなかなか気がつきません。家族に指摘されて初めて気がついたというケースも少なくないのです。

1-2-5.集中力の低下

不快感がある後鼻漏を放置していると、咳や痰(たん)・喉の痛み・口臭などが常に気になってしまいます。そのために、仕事や勉強に集中できなくなる、人と会うのがおっくうになるという人も多いようです。

1-2-6.食欲不振や不眠

後鼻漏が重症になると、常に鼻を飲み込まなくてはならない不快感から、食欲不振や夜眠れないなどの症状に悩まされることもあります。

2.後鼻漏の原因

後鼻漏は、健康な状態では気がつきません。けれども、鼻水の量が増えるとさまざまな症状を引き起こします。どのようなことが原因なのでしょうか。

2-1.副鼻腔炎やアレルギー性鼻炎など

生理的な分泌による後鼻漏自体は病気ではありません。健康な人でも後鼻漏は生じるものなのです。

ただし、アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎(ふくびくうえん)などになると鼻水が増え後鼻漏が通常よりも多くなってしまいます。また、風邪がなかなか完治せず鼻炎を起こすことにより後鼻漏が悪化することもあるのです。

2-2.鼻の腫瘍

鼻腔(びくう)内に腫瘍ができてしまうと、本来なら鼻の外に出るはずの鼻水が喉のほうに流れ落ちるようになる場合があります。腫瘍の場合は、後鼻漏以外にも気になる症状があるはずなので早めに専門医の診察を受けてください。

2-3.上咽頭の炎症

鼻の奥で喉の上方に当たる部位を上咽頭と呼びます。この部位は口の中の扁桃腺と同じような扁桃組織やリンパ組織が存在します。細菌やウイルスなどが鼻から侵入するとこの部位で捕まって炎症をおこします。その時に上咽頭の粘膜が腫れたり粘調な分泌物が付着したりします。これが喉に流れて後鼻漏と感じる場合もあるのです。

3.後鼻漏の治し方と対処法

後鼻漏による不快感や、鼻・喉の痛みなどはできる限り早く解消したいものです。どのような治し方と対処法があるのでしょうか。

3-1.副鼻腔炎の治療をする

後鼻漏の原因として代表的なものが副鼻腔炎です。逆に言うと原因がはっきりしている場合の方が治療しやすいので副鼻腔炎が明らかであれば治る見込みも充分にあります。

まずは後鼻漏の原因として副鼻腔炎があるか耳鼻科を受診しましょう。そしてファイバースコープで実際に後鼻漏があるか診てもらって下さい。本当に病的な後鼻漏がある場合はいつ見ても奥の方に流れている所見が認められるはずです。さらにはCTで副鼻腔炎がないか確認してもらいましょう。レントゲンでも明らかな副鼻腔炎はわかりますが、軽度の副鼻腔炎はCTでないとわからない事もあります。

そして副鼻腔炎があればある種の抗生剤を少量で数ヶ月使うとか、分泌物をさらさらにする薬を使ったりして治療します。

それでも副鼻腔炎が良くならない場合には手術が必要な場合もあります。最近の手術は日帰りや一泊の短期で行える場合もあり、以前に比べると痛みや腫れ、出血なども少なくなっています。

鼻の中が乾燥したり、鼻水の粘度が高くなったりすると炎症を起こしやすくなります。鼻炎や風邪などが悪化しないためにも鼻をマスクでガードしましょう。マスクをすることで適度な湿気が得られるだけではなく、細菌やウイルスからもガードできます。

また、外出先から戻ったら手洗い・うがいも徹底的に行いましょう。特に喉の痛みやイガイガに悩まされているときには、悪化しないようにこまめにうがいをしてください。

マスクは顔にぴったりと密着し、ウイルスや花粉などもブロックする高機能の製品を選びましょう。

3-2.アレルギー性鼻炎の治療をする

アレルギー性鼻炎や花粉症に伴う鼻水の多くは前の方に出ます。ただ、その量が多いと喉の方に流れて後鼻漏と感じる場合もあります。

重症の場合はアレルギーをおこしている下鼻甲介という粘膜の後方が腫れる場合もあります。

この時はアレルギー性鼻炎を抑える薬を使ったり、いわゆるレーザー手術と呼ばれる粘膜を焼く治療を行ったり、アレルギー反応に関係する後鼻神経を切る手術を行う場合もあります。

アレルギー性鼻炎の治療に詳しい耳鼻科を受診しましょう。

3-3.上咽頭炎の治療をする

細菌感染などで上咽頭炎が起こっている場合は抗生物質の治療が有効でしょう。ただし、弱い炎症が慢性的に起こっている場合にはなかなか薬が効かない場合も少なくありません。

その時はいわゆる鼻うがいが有効な場合もあります。0.9%の食塩水、すなわち生理食塩水を体温程度に温めて鼻らか吸って口から出す、鼻うがいを続けて見て下さい。

3-4.細霧吸入器(さいむきゅうにゅうき)を使う

最近は、いろいろな種類の「細霧吸入器(さいむきゅうにゅうき)」が販売されています。細霧吸入器は、生理食塩水を入れると細かいミストを発生する医療機器です。

人間の体液に近い生理食塩水のミストを吸い込むことで鼻や喉にうるおいを与えます。粘度の高い鼻水が喉に張り付く症状を緩和し、鼻や喉の不快感を軽減するのです。細霧吸入器には、生理食塩水を作る道具も付属しているのでご家庭でも簡単にケアできるでしょう。

3-5.症状に合った漢方を服用してみる

後鼻漏の対処として漢方を用いることもあります。水っぽい鼻水、粘りのある鼻水など、鼻水の種類によって効果のある漢方薬は異なるので、漢方医や漢方薬局で相談してみましょう。

3-5.専門医の診察を受ける

後鼻漏による鼻や喉の不快感に悩まされている人は、そのまま放置しないで専門医の診察を受けましょう。

アレルギー性の鼻炎などが原因なだけではなく、鼻の腫瘍が原因のこともあるので自己判断は禁物なのです。顕微鏡・内視鏡・CTスキャンなど、鼻の中や喉の内部まで詳しく検査できる機器がそろっている耳鼻咽喉科を選ぶようにしてください。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか? 後鼻漏の症状や原因、対処法などがおわかりいただけたかと思います。

後鼻漏自体は通常なら気にならない程度の自然現象です。しかしながら、鼻炎などで鼻水の量が増えると、鼻や喉に不快な症状を感じるようになり日常生活に支障をきたします。不快感に悩まされながらも後鼻漏によるものだと思わない方も多いようです。

  • 粘り気のある鼻水が喉に落ちて気持ち悪い。
  • 咳や痰(たん)が止らない。
  • 声がかすれたり、痛みを感じたりする。
  • 口臭や鼻臭がする。

などの症状を感じたら、まずは3の項目で挙げた対処法を試してみましょう。同時に、1度耳鼻咽喉科の診察を受けることもおすすめです。

他の人にはわかってもらえないつらい症状をいつまでも我慢せず、早く解放されてくださいね。

このエントリーをはてなブックマークに追加
川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
川村繁樹

免責事項
可能な限り信頼できる情報をもとに作成しておりますが、あくまでも私見ですのでご了承ください。内容に誤りがあった場合でも、当ブログの閲覧により生じたあらゆる損害・損失に対する責任は一切負いません。体調に異変を感じた際には、当ブログの情報のみで自己判断せず、必ず医療機関を受診してください。