手術時間は一時間未満!?知って得する副鼻腔炎の治療知識!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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別名、蓄膿症とも呼ばれる副鼻腔炎。恥ずかしがって病院に行くのをためらっている人も多いと思います。また、場合によっては手術による治療もしなければならず、それが怖くて悩んでいるという方もいらっしゃるでしょう。

しかし、副鼻腔炎は放置していると嫌な臭いや鼻づまり、頭痛といった症状が出るようになる病気です。不眠症に陥ったり友人関係に悪影響が出たりもするでしょう。ですから、しっかりと早期に治すことが大切なのです。

そこで、今回は副鼻腔炎の基礎知識を中心にご紹介します。

  1. 副鼻腔炎(蓄膿症)とは?
  2. 副鼻腔炎のチェックリスト
  3. 副鼻腔炎の治療方法について
  4. 副鼻腔炎の手術について
  5. 副鼻腔の手術後について
  6. 副鼻腔炎のためのセルフケア
  7. 副鼻腔炎のQ&A

これらの記事を読めば、副鼻腔炎の基本的な知識を得ることができます。ぜひ、一緒に副鼻腔炎の怖さを学んでいきましょう!


1.副鼻腔炎(蓄膿症)とは?

1-1.副鼻腔炎ってどういう病気なの?

副鼻腔炎は、副鼻腔(ふくびくう)と呼ばれる場所の粘膜に炎症が発生している状態を指します。副鼻腔(ふくびくう)とは鼻の穴に隣接している空洞のことです。人間には『前頭洞(ぜんとうどう)』『篩骨洞(しこつどう)』『上顎洞(じょうがくどう)』『蝶形洞(ちょうけいどう)』の4つが備わっています。

以前は細菌感染が原因の副鼻腔炎がほとんどでしたが、20年ほど前からは自分自身の白血球の一種である好酸球が鼻水に増えて起こる副鼻腔炎が増加しつつあります。

1-2.副鼻腔炎の種類について

副鼻腔炎は『急性』と『慢性』に分けることができます。

1-2-1.急性副鼻腔炎(きゅうせいふくびくうえん)

急性副鼻腔炎(きゅうせいふくびくうえん)は『鼻風邪』とも呼ばれる病気です。ウィルスや細菌などが感染することによって発症します。頭痛や顔面痛が主な症状です。多くの場合1週間から2週間程度で治るでしょう。

1-2-2.慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)

副鼻腔炎の症状が長引いている場合や、治ってもすぐに発症してしまうような場合は、慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)という病名に変わります。一般的には3ヶ月以上副鼻腔炎が持続すると慢性化しているとみなします。いわゆる『蓄膿症』と呼ばれる病気です。

慢性化すると鼻水の量が多くなります。場合によっては粘度が高くなり鼻づまりの原因となることも珍しくありません。また、蓄膿症では、その名のとおり膿(うみ)が鼻水に混じります。この膿(うみ)が長く鼻の中にとどまると、嫌な臭いが発生してしまうのです。鼻が臭いため自分自身もつらいですし、他人にも口臭による被害を与えてしまうでしょう。

また、慢性化すると副鼻腔(ふくびくう)に大量の膿(うみ)や鼻水がたまるため、内圧が上がって周囲を圧迫します。すると、頭痛や顔面痛が発生するようになるでしょう。

1-3.副鼻腔炎の症状について

副鼻腔炎の症状として多いものには以下のようなものが挙げられます。

  • 鼻水
  • 鼻づまり
  • 咳(せき)
  • 頭痛
  • 頭重感
  • 顔面痛
  • 嫌な臭い
  • 嗅覚障害

ご自身に当てはまる症状あれば、副鼻腔炎かもしれません。

1-4.原因は何?

以前からある副鼻腔炎の主な原因は、ウィルスや細菌です。そのため、副鼻腔炎は風邪やインフルエンザと併発することが多いでしょう。

白血球の一種である好酸球が鼻水に増えて起こる副鼻腔炎を「好酸球性副鼻腔炎」と呼びますが、これは体質が関係しており、子供の頃はほぼなく、主に成人してから発症します。

また、花粉症によるアレルギー性鼻炎と併発することもあります。そのほか、まれにカビや虫歯が原因となって発症することもあるでしょう。

1-5.どんな人がなりやすいのか

副鼻腔炎は風邪やインフルエンザなどがきっかけとなって発症することが多い病気です。ですから、免疫力の弱い方・体の弱い方も発症しやすいでしょう。

「好酸球性副鼻腔炎」の原因はまだ明らかではありませんが、血中の好酸球比率が高い方や、喘息を持病としている方に発症しやすいことが知られています。

ほかにも、花粉症の方も要注意です。花粉症は日本人の国民病とも呼ばれています。つまり、日本人の多くは副鼻腔炎にかかる可能性が高いのです。十分に注意しましょう。

1-6.日常生活への影響について

急性の場合は一時的に強い炎症が起こることが多いので顔面痛や頭痛が起こったり、膿のような鼻水が増えるので悪臭や口臭の原因にもなります。その他に歯痛の原因にもなりますし、ひどい場合は眼にも影響し、眼痛や視力異常が起こることもあります。

特に、嗅覚障害に関しては日常生活に大きな影響を与えます。悪臭のせいで鼻が利かなくなるので食べ物もおいしく感じられません。しかも、ガスなどの異臭をかぎ分けられないので場合によってはキケンです。また、臭いで不眠症となる方も珍しくありません。仕事でも大きな不利益となりますし、交友関係にも悪影響があるでしょう。

1-7.放置すると命にかかわることも!

副鼻腔炎を大した病気じゃないと思って放置する人がいます。また、中には「蓄膿症なんて恥ずかしい……」と病院に行きたがらない方もいらっしゃるでしょう。しかし、絶対に放置はしてはいけません。なぜなら、実はときには『命にもかかわる』こともあるからです。

副鼻腔(ふくびくう)は目や脳に近い場所に存在しています。たとえば、副鼻腔(ふくびくう)の1つである前頭洞(ぜんとうどう)は眉毛の辺りから額の方にまで広がっているのです。この部位の高度な炎症はそのすぐ後が脳なので、脳に炎症が波及することもまれながらあります。

ひどい場合には髄膜炎(ずいまくえん)や脳膿瘍(のうのうよう)を併発することもあります。これらは命にかかわる病気ですので、ただの鼻風邪や蓄膿症だと甘く見るの避けましょう。