眠ってる間に呼吸が止まる!睡眠時無呼吸症候群の原因と治療法とは?

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「毎晩の大きないびき」「睡眠中に呼吸が止まっていた」と指摘されたことがある方。あなたは、睡眠中に呼吸が止まる、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあります。睡眠時無呼吸症候群と言えば、年配の男性や肥満の人に多いイメージでしょう。しかし、最近では学齢期の子供や20代の女性などもその症状に悩まされていると言います。睡眠中に呼吸が止まることで、日常生活にさまざまな悪影響を及ぼす睡眠時無呼吸症候群。症状は寝ている間に起こるため、自覚症状のない人も少なくありません。悪化すると完治が難しく一生付き合っていかなければならない危険な病気です。そこで、この記事では、睡眠時無呼吸症候群の原因や治療法、今日からできる改善方法について詳しくご紹介します。

  1. 睡眠時無呼吸症候群とは?
  2. 睡眠時無呼吸症候群になる原因は?
  3. 睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状
  4. 睡眠時無呼吸症候群が招く事故
  5. 怖い!睡眠時無呼吸症候群の合併症
  6. 睡眠時無呼吸症候群の診断方法
  7. 睡眠時無呼吸症候群の治療方法
  8. 自分でできる!睡眠時無呼吸症候群の対策
  9. 睡眠時無呼吸症候群のよくある質問

睡眠時無呼吸症候群は、早めに検査・治療することで症状を改善することができます。この記事を読んで、心地いい眠りと爽快な目覚めをぜひ取り戻しましょう!


1.睡眠時無呼吸症候群とは?

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に呼吸が止まってしまう病気です。睡眠中、1時間に5回以上、7時間に30回以上無呼吸になる状態があることを言います。1回で10秒以上呼吸が止まり、無呼吸を繰り返すことで、心身にさまざまな影響を及ぼすのです。悪化し重度になれば、呼吸困難を招き、合併症が原因で死亡することもあります。

1-1.どうして無呼吸になるの?

睡眠時無呼吸症候群を引き起こす要因は、大きく分けて2つあります。1つは、空気の通り道である気道が狭くなり呼吸が止まる閉塞性睡眠無呼吸タイプです。睡眠時無呼吸症候群の9割が閉塞性睡眠無呼吸タイプだと言われています。首周り、あご、顔の骨格など形体的な特徴により、気道が狭くなり呼吸が止まってしまうのです。閉塞性睡眠無呼吸タイプは、大きないびきを伴うことが多く、睡眠中、体に十分な酸素が行き渡らない状態が繰り返し続きます。 2つ目は、胸や腹部の呼吸が停止する中枢性睡眠時無呼吸タイプです。慢性心不全の患者に多く見られます。睡眠中に呼吸が弱くなり、体内の酸素濃度が低下することで、胸部や腹部の呼吸が停止してしまうのです。

1-2.こんな人が危ない!なりやすい人の傾向

睡眠時無呼吸症候群は、太っている年配の男性がかかる病気というイメージが強いです。しかし、最近では、太っていても痩せていても、年齢も性別も関係なく、誰もがかかりうる病気だとわかってきました。特に、日本人特有の骨格・あごの形・首周りの形体的特徴が深く関係しています。 睡眠時無呼吸症候群になりやすい人の傾向をチェックしてみましょう。

  • 顔が小さい
  • 下あごが小さい
  • 歯並びが悪い
  • 舌が大きい
  • 舌の付け根が大きい
  • 首が太く短い
  • 首周りに脂肪がある

以上のように、顔や首回りの骨格に特徴がある場合、形体的に気道が狭くなり、無呼吸を起こすリスクが高まります。

2.睡眠時無呼吸症候群の原因は?

それでは、睡眠時無呼吸症候群はどのようにして起こるのでしょうか?原因を探っていきましょう。

2-1.アレルギー性鼻炎や風邪による鼻づまり

風邪で鼻づまりが起こると、眠れなくなる方も多いのではないでしょうか? 鼻炎や鼻づまりになると、鼻で呼吸ができず口呼吸になります。口呼吸は、鼻呼吸より気道が狭くなるため、呼吸しづらく無呼吸や低呼吸の原因になるのです。

2-2.寝る前の食事

寝る前に食事をとると、太りやすいと聞いたことはありませんか?人の体は、午後10時から朝の4時にかけて脂肪を溜(た)めやすく、肥満になる傾向があります。肥満になると、首周りに脂肪がつき気道を狭めてしまう原因になるのです。さらに、寝る前にとった食事は、消化されず胃に残ります。そのまま横になることで胃の内容物がのどまで上がってきてしまうため、気管は、異物が入らないよう、気道を狭め呼吸を止めてしまうのです。寝る前4~5時間以内に食事をとることは、睡眠時無呼吸症候群の発症と肥満を作り出す原因になります。

2-3.疲労やストレスによるもの

人の体は、疲労やストレスを感じると、体がこわばり血流が悪くなります。血流が滞り、首周りのコリや筋肉が硬くなるとのどの軌道を塞ぎ無呼吸を生じやすくなるのです。また、加齢により疲れがとれず、筋肉が衰えることも、睡眠時無呼吸症候群のリスクを高める一因になります。

2-4.閉経後のホルモンバランスの変化

更年期以降の女性は、睡眠時無呼吸症候群によるいびきに悩まされることが多いです。その理由は、女性ホルモンの1つであるプロゲステロンの働きに関係があると考えられています。プロゲステロンは、気道を広げる作用のあるホルモンです。閉経後、プロゲステロンが減少するため、閉経後、睡眠時無呼吸症候群を引き起こしやすくなります。

2-5.子供に多い発症原因

睡眠時無呼吸症候群は、学齢期の子供にも増えています。子供が発症する原因の1つは、扁桃腺の腫れです。扁桃腺が腫れると、気道を塞ぎ、無呼吸状態を引き起こします。子供の睡眠時無呼吸症候群は、大人になるにつれ改善されることも多いです。ですから、手術などで扁桃腺を切ったりしなくてもいいと言われています。しかし、成長過程に影響が出る場合もあるため、早めの診断と治療が必要です。

2-6.生活習慣病との関係

睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣病とも密接に関係しています。

  • 喫煙している
  • お酒が好き・深酒することが多い
  • 寝る前にお酒を飲む習慣がある
  • 太っている
  • 暴飲暴食する

以上のような生活を送っている方は、高血圧や糖尿病などの生活習慣病を患っていることが多いです。生活習慣病が原因で、心疾患や高脂血症を併発すると、睡眠中に呼吸が止まる要因になります。さらに、太り過ぎは気道が狭くなり、無呼吸になるリスクを高めるでしょう。寝る前の深酒も、気道の粘膜がむくむことで気道が狭くなる要因になります。
また、睡眠時無呼吸症候群が原因で、生活習慣病を患うケースも少なくありません。お互いに悪循環を繰り返し、心臓病や脳梗塞など、命にかかわるような病気を引き起こす危険もあるのです。睡眠時無呼吸症候群を悪化しないためには、生活習慣の改善も行っていく必要があるでしょう。

3.睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中10秒以上呼吸が止まっている状態を何度も繰り返しています。長く眠っても疲れは回復せず、体は常に酸欠状態です。早寝したはずなのに、疲れがとれない日々にいら立ちや不安を募らせる方も多いのではないでしょうか?この項では、睡眠時無呼吸症候群のツライ症状について解説します。

3-1.代表的な主な症状

以下は、睡眠時無呼吸症候群に現れる代表的な症状です。

  • 睡眠中に大きないびきをかく
  • いびきが突然止まり、呼吸も止まる
  • 睡眠中、呼吸が乱れ、息苦しい
  • 夜中何度もトイレに起きる
  • 寝汗がすごい
  • 起床時のどが渇く・口内の乾燥
  • 起床時の頭痛
  • 体が重く寝た気がしない
  • 日中、強烈な眠気や倦怠感
  • 集中力が続かない
  • 記憶力の低下

いびきや無呼吸で浅い睡眠が続くため、寝ているように見えて、脳は起きています。長く睡眠時間をとっても熟睡できていないのです。体に必要な睡眠がとれていないため、昼間に睡眠を補おうとします。これが急激な眠気の原因です。さらに、無呼吸状態が続くと、体に十分な酸素が行き渡らないため脳が酸欠状態になります。起床時の頭痛は、酸欠から引き起こされているのです。

3-2.心当たりはない?セルフチェックしてみよう

それでは、あなたが睡眠時無呼吸症候群かどうか確認できる、簡単な診断基準をご紹介しましょう。症状が出ているにもかかわらず、ほとんどの人が、体が疲れているだけだと判断し、自分が睡眠時無呼吸症候群だと気づかないまま生活しています。睡眠時無呼吸症候群にいち早く気づくためにも、下記のセルフチェックを試してみてください。

  1. 毎晩、大きないびきをかく
  2. 周囲にいびきで迷惑をかけたことがある
  3. 息苦しくて目覚める
  4. 睡眠中に呼吸が止まっていたと言われたことがある
  5. 昼間、急激な眠気に襲われた
  6. 居眠り運転をしそうになったことがある
  7. 早く寝たのに起きても疲れが残っている
  8. 起床時に頭痛、頭が重たい
  9. メタボリックシンドロームの傾向がある
  10. 起きているときに強い疲労を感じる
  11. 高血圧症

上記項目に1つでも思い当たる方、特に1番~6番までの項目に当てはまった方は、睡眠時無呼吸症候群の疑いが強いです。症状が悪化しないためにも早めに診察を受け、治療することをオススメします。

3-3.いびきについて

いびきは睡眠時無呼吸症候群の代表的な症状です。睡眠中、何らかの原因で気道が狭くなり空気が通るときに、のどが振動し音が鳴ります。ただし、一時的ないびきは問題ありません。毎晩大きないびきをかく、いびきの間に呼吸が止まるなどの症状は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。いびきをかいていると熟睡しているように見えますが、実は眠りが浅く、睡眠不足であることがほとんどです。日中、眠気や倦怠感で重大な事故を起こしてしまうこともあります。ただのいびきと判断せず、気になる症状がある場合は、必ず医師の診断を受けましょう。

3-4.睡眠時無呼吸症候群の見つけ方

睡眠時無呼吸症候群の症状は、ほとんど寝ている間に現れるため自分では気づきにくいもの。そこで、家族や友人に寝ている間に呼吸が止まっていないか確認してもらいましょう。一人暮らしで確認してもらう人がいない場合は、寝ている姿を動画に撮る、いびきを録音する方法もオススメです。

4.睡眠時無呼吸症候群が招く事故

睡眠時無呼吸症候群による日中の眠気、倦怠感、集中力や作業効率の低下は、思わぬ事故を招きかねません。特に、悪影響を及ぼすものが居眠り運転や判断力の低下による交通事故です。睡眠時無呼吸症候群が知られるようになった現代でも、睡眠障害による事故は増えています。なぜなら、自分が睡眠時無呼吸症候群だと気づかず、適切な医師の診断・治療を受けていないからです。2012年群馬県藤岡市で起きた高速バスの事故を覚えていらっしゃるでしょうか?バス会社の安全管理体制が問われる一方で、運転手の睡眠時無呼吸症候群の症状が問題になりました。このほかにも、睡眠時無呼吸症候群が原因と言われる重大な死亡事故が多数報告されています。睡眠時無呼吸症候群は、自分の命だけではなく、大切な人、家族、友人、そしてほかの人の命を奪う事故のリスクがあることを考えておきましょう。

5.怖い!睡眠時無呼吸症候群の合併症

睡眠時無呼吸症候群は、さまざまな合併症のリスクがあります。治療をせず放置すると、以下のような病気にかかりやすくなるでしょう。悪化すると治療期間も長くなり手術が必要になるケースや命にかかわる病気になることも少なくありません。

5-1.高血圧

アメリカで行われた睡眠呼吸障害の 「ウィスコンシン睡眠コホート研究」では、睡眠時無呼吸症候群により高血圧が発症するリスクは、健常者の1.4~2.9倍になるというデータがあります。睡眠中の無呼吸がなぜ、高血圧に関係しているのでしょうか?無呼吸状態と呼吸再開を繰り返す状態で、睡眠が中断すると交感神経が興奮し血圧が上がるのです。さらに、気道が狭くなり、息苦しくなると胸が陰圧になります。これらの状態は、静脈の血流が多くなり高血圧のリスクも高くなるのです。

5-2.心不全・心疾患

睡眠時無呼吸症候群の方が、心疾患を発症する可能性は、健常者の1.2~6.9倍とのデータがあります。心疾患が原因で睡眠時無呼吸症候群になるケース、睡眠時無呼吸症候群が原因で心疾患を発症するケースがあり、お互いに悪影響を与えているのです。心疾患と睡眠時無呼吸症候群を同時に発症すると命にかかわる危険があります。しかし、早めに、医師の診断と適切な治療を受ければ、改善する可能性は十分にあるでしょう。

5-3.糖尿病

睡眠時無呼吸症候群の患者さんの多くは、糖尿病も患っている方が多いです。睡眠時無呼吸症候群により睡眠が阻害されると、ホルモン分泌や自律神経のバランスが崩れてしまいます。本来、正常に保たれていた体の機能に異常が生じ、血統や血圧の上昇、ストレスホルモン、体脂肪の増加につながるのです。ホルモンバランスが崩れると、脂肪容積が増え、インスリン抵抗性が上がることで、糖尿病を発症しやすくなります。さらに、もともと糖尿病だった方は、睡眠時無呼吸症候群が原因で、症状が悪化してしまうでしょう。睡眠時無呼吸症候群と糖尿病には深いかかわりがあります。

5-4.脳卒中

以前は、日本人の死亡原因1位と言われた脳卒中。現在は医学の進歩とともに、死亡率は減少しています。しかし、脳卒中の中では、脳梗塞になる割合が増え、術後の後遺症に悩まされる方が増えているのです。睡眠時無呼吸症候群を患っている方の夜間の脳の血流量は、健康な人に比べて半分しかなく、脳梗塞を引き起こしやすい状態にあることが報告されています。また、睡眠障害によるストレスは、血行が悪くなり、血液がどろどろと固まりやすい状態です。いつでも、血栓ができやすくなり、血管が詰(つ)まりやすいことも脳梗塞を発症する要因の1つになります。

5-5.うつ病

うつ病と睡眠時無呼吸症候群にはどのような関係があるのでしょうか。深い関係があると考えられているのは眠気です。ほかにも夜中何度も目が覚めることで不眠を訴えるケースもあります。睡眠時無呼吸症候群で十分な睡眠をとれないために引き起こされる、日中の倦怠感や急激な眠気、情緒不安定な気分はうつ病と似通った部分が多いです。自分が睡眠時無呼吸症候群と気づかず、うつ病だと思い込むこともあります。さらに、十分な睡眠がとれず、ストレスを受けると、うつ病を発症するケースも多いのです。このようにうつ病と睡眠時無呼吸症候群の症状は、似ているところが多く適切に判断することが重要になります。

5-6.勃起不全

アメリカの研究結果では、睡眠時無呼吸症候群を患う約70%弱の患者に、勃起不全(ED)を発症しているとの報告があります。本来、勃起は血管を拡張し、陰茎に酸素や栄養素を送り老廃物を排除するのが目的です。男性は、寝ている間に無意識に勃起を繰り返しています。しかし、睡眠時無呼吸症候群にかかると眠りが浅くなり、睡眠中の勃起が起こらなくなるのです。その結果、勃起する機能が低下し、勃起不全(ED)を引き起こします。現在、勃起不全(ED)で悩んでいる方は、睡眠時無呼吸症候群の治療をすると50%の患者に改善が見られるそうです。勃起不全(ED)の治療を合わせて併用すると、さらに大きな効果があると言います。

6.睡眠時無呼吸症候群の診断方法

睡眠中のいびきや呼吸が止まることを指摘され、耳鼻咽喉科を受診した場合、どのような検査を行うのでしょうか?診断方法をご案内します。

6-1.簡易PSG(スクリーニング)

最初に簡単な問診の後、生活習慣病の診察なども行います。自覚症状や睡眠状況、気になる症状などは医師に相談しましょう。その後、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると医師が認めると、簡易型検査装置を使いスクリーニング検査へ移ります。ほとんどが鼻口気流、気管音などを記録するものです。睡眠1時間あたりの無呼吸と低呼吸の合計回数を無呼吸低呼吸指数(AHI)と呼び、数値で重症度を診断していきます。

6-2.睡眠ポリソムノグラフィー(PSG)検査

PSG検査とは、睡眠時無呼吸症候群を確定するために行われる検査です。病院で、一晩眠りながら脳波や呼吸を記録し、睡眠状態を調べます。睡眠時無呼吸症候群と診断されれば、治療法を決めるため、内視鏡やレントゲンを用いた検査も必要になるでしょう。

7.睡眠時無呼吸症候群の治療方法

睡眠時無呼吸症候群の治療方法をご紹介します。

7-1.マウスピース

いびきや軽度の睡眠時無呼吸症候群に有効な治療方法にマウスピースを使う方法があります。スリースプリントと呼ばれている治療法です。スリースプリントは、一般的なマウスピースと違い、下あごを強制的に前に出すように固定します。スリースプリントを使うことで気道を広く確保し、いびきや無呼吸を防ぐことができるのです。スリースプリントは、扁桃の大きさや問題で生じている場合には効果がありません。

7-2.中度~重度の治療で行われるCPAPとは?

何らかの要因で気道が塞がってしまう閉塞型の睡眠時無呼吸症候群には、CPAPという治療法を行うのが一般的です。寝ている間の無呼吸を防ぐため、外部から空気を送り続け、空気の圧力で気道を広げます。CPAP装置は、鼻に酸素マスクのようなものを当て、小型の装置から空気が送り込まれるものです。マスクを装着したまま眠れるのか?と心配になりますが、ほとんどの方が数週間で慣れます。CPAPは初日から無呼吸が改善され、ぐっすりと深い眠りを取り戻し、効果を実感する人が多いです。CPAPの治療費は、 病院にもよりますが健康保険が適用されますので、月5000円程度になります。

7-3.睡眠時無呼吸症候群の手術

睡眠時無呼吸症候群の治療には、UPPPという口蓋垂軟口蓋咽頭形成術というものがあります。気道を塞いでいる要因を手術で取り除く治療法です。取り除く部分は、軟口蓋・口蓋垂・口蓋扁桃と言われる部分になります。これらを取り除くと気道が広くなり、無呼吸が軽減されるのです。UPPPは、いびきの治療にも用いられ、手術内容は変わりません。最近は、全身麻酔と入院が必要なUPPPより、レーザーを使用し、局部麻酔で日帰り手術が可能なLAUPという治療法が人気です。UPPPよりも手軽で、出血や痛みが少ないのが特徴で、手術時間も15分~30分と短く済みます。LAUPは保険が適用されないケースが多く、治療費は病院にもよりますが3万円~20万円程度です。治療費はかかりますが、睡眠時無呼吸症候群が悪化し合併症を発症することを考えれば、早めに治療をしておくほうが賢い選択と言えるでしょう。ただし、手術で切除した部分が2~3年で元に戻る場合もあります。

8.自分でできる!睡眠時無呼吸症候群の対策方法

それでは、最後に自分でできる睡眠時無呼吸症候群の対策方法もご紹介しましょう。

8-1.枕を変える

睡眠時無呼吸症候群の要因になる気道は、枕の高さで変えることができます。実は、枕の高さが数ミリ違うだけでも気道の広さが変わると言われているのです。枕が高すぎても、低すぎても首の角度が不自然になれば、気道が狭くなり無呼吸になります。理想的な枕の高さは、横向きに寝たとき、頭と体が横一直線になる位置で調整することです。枕の下にタオルを挟む、枕の中身を取り出せる場合は、取り出して高さを調節しましょう。もちろん、新しい枕を購入しても構いません。ちょっとした高さで改善することがあります。ぜひ試してみてください。

8-2.オススメ改善グッズ

現在は、睡眠時無呼吸症候群を改善するために効果的な、さまざまなグッズが販売されています。ご自分の症状にあったものを試してみてください。

8-3.お酒は控えよう

眠れないからと寝る前にお酒を飲むのは逆効果です。寝る前のアルコールは、気道の筋力低下につながります。気道や口蓋垂が支えられなくなると、いびきや無呼吸になりやすくなるのです。また、アルコールは睡眠のバランスを崩す原因にもなります。寝る前のお酒や深酒は控え、お酒を飲むときは寝る数時間前までに飲み終えるようにしましょう。

8-4.寝るときの姿勢に気を付けよう

睡眠時無呼吸症候群の方があお向けに寝ると、気道が閉じ、呼吸が正常に行われない可能性があります。気道は横向きに寝ることで開き、いびきや無呼吸が改善されることがあるでしょう。横向きの寝相に慣れない場合は、抱き枕を使うと姿勢を保ちやすくなります。

8-5.注意したいこと

睡眠時無呼吸症候群かもと思ったら、なるべく早く専門医の診察を受けましょう。自己判断で、大丈夫だろうと軽く考えていると症状が悪化し、命にかかわる合併症を併発する可能性があります。自分でできる改善法は、医師の治療を受けながら試す方が効果的です。眠りが浅く、日中眠気や判断力の低下に襲われることがあれば、車の運転は控え、体を休めるようにしましょう。

9.睡眠時無呼吸症候群のよくある質問

9-1.痩せれば睡眠時無呼吸症候群は治るのですか?

首周りの脂肪が原因で症状を発症している場合、痩せて脂肪が少なくなれば改善される可能性があります。しかし、ほかにも原因がある場合は、痩せるだけで完治することは難しいでしょう。

9-2.睡眠時無呼吸症候群は何科を受診すればいいでしょうか?

睡眠時無呼吸症候群は、耳鼻咽喉科、睡眠外来や内科、呼吸器科などさまざまな科で対応しています。病院により、睡眠時無呼吸症候群の治療実績をHPなどで確認できますので、病院を選ぶときの参考にしてもいいでしょう。

9-3.睡眠時無呼吸症候群の治療は健康保険適用ですか?

睡眠時無呼吸症候群は、健康保険が適用されます。マウスピースや外科手術の費用は、病院により変わるため、事前に医師に確認しましょう。CPAP治療は保険適用3割負担で、4000円~5000円程度です。睡眠時無呼吸症候群の検査費用も保険が適用されます。

9-3.睡眠時無呼吸症候群の治療中、日常生活で気を付けることは?

睡眠時無呼吸症候群は、生活習慣病と深く関係しています。バランスのいい食事、規則正しい生活習慣とストレスの少ない生活を心がけましょう。また、服用している薬がある場合は医師に必ず相談してください。深酒や寝る前の飲酒は控えましょう。

9-4.睡眠中に呼吸が止まると死んでしまうことはありませんか?

睡眠中の無呼吸が原因で死亡することはありません。ただし、無呼吸になることで体には大きな負担がかかっています。睡眠時無呼吸症候群の合併症で、脳梗塞や心疾患がある場合は注意が必要でしょう。

9-5.いびきも眠気もない場合は睡眠時無呼吸症候群ではないのでしょうか?

睡眠時無呼吸症候群は人により症状がさまざまです。重症でも自覚症状のない方もいます。眠気の強さやいびきの頻度には個人差があり、自分ではなかなか気づきづらいのが特徴です。気になる症状がある場合は、医師の診察を受けることをおススメします。

9-6.自分でいびきをかいているか確認するポイントはありますか?

いびきは自分ではなかなか気づきづらいため、寝ている間を録音するか撮影する方法が効果的です。最近では、 無呼吸を確認する携帯アプリも登場しています。また、いびきは口を開けている時間が長く、起床時にのどや口が乾燥していることが多いです。起床時の口内の状態をよく観察してみてください。

9-7.CPAPは毎晩しなければいけないのですか?

CPAP治療は、根本的な治療ではありません。装置を付けていないときは、無呼吸を防ぐことができないのです。出来るかぎり毎晩使用することをおススメしています。旅行時に持ち運びできる、コンパクトなサイズもありますので、ぜひ検討してみてください。

9-8.CPAPは購入するのでしょうか?

CPAPは、装置を医療機関からレンタルするのが一般的です。メンテナンスや消耗品の供給も医療機関が行います。

9-9.CPAPは苦しくないのですか?

CPAPは正しく使用していれば苦しくありません。不快なときは、空気が漏れているか、マスクのフィッティングが不十分と考えます。顔に合わせたマスクに変更することも可能です。使っていて苦しく感じるときは、主治医に相談してみましょう。

9-10.睡眠時無呼吸症候群は治療で治りますか?

症状を治療でコントロールすることはできます。無呼吸が生じる原因により治療方法と期間はさまざまです。気道が塞がる症状であれば治療で改善することはできるでしょう。悪化しないためにも早めの受診をおススメします。

まとめ

いかがでしたでしょうか?この記事では、睡眠時無呼吸症候群の原因と治療法についてご紹介しました。睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に症状が起こるため自分では気づきづらいです。この記事でご紹介したセルフチェックに思い当たる項目が1つでもあれば、早めに専門医を受診してください。睡眠時無呼吸症候群が悪化すると、命にかかわる合併症にかかるリスクが高まります。「いびきがない」「眠気を感じない」からと自己判断せず、医師の適切な診断と治療を受けるようにしましょう。

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