いびきは病気のサインかも!?いびき対策の基本を徹底解説

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いびきをかいている本人は気づかないことが多いですが、周囲はきっと気づいています。同室で眠っている人の眠りを妨げる原因になるため、本人より周囲が悩んでいるケースも多いようです。

また、いびきは単にうるさいだけではありません。場合によっては、何か大きな病気の兆候になっていることもあります。そこで、こちらでは“安全ないびき”と“危険ないびき”の見分け方も含めて、いびきのすべてを完全解説することにしました。

  1. いびきの基礎知識をチェック!
  2. いびきの種類と原因を探る!
  3. いびきの裏側に潜んでいる!?考えられる病気を解説
  4. いびきを止めるセルフ解消法はないの?
  5. 医療機関におけるいびきの治療法とは?

いびきのメカニズムから解消法まで、このページを読めば“睡眠中のいびきの悩み”はすべて解決します!


1.いびきの基礎知識をチェック!

いびきは、上気道が狭窄することで発生する音です。しかし、上気道とは何でしょうか?普通に暮らしていて、上気道という言葉の意味を確認する機会は決して多くありません。

上気道というのは、呼吸器のうち、喉頭より上部を指す言葉です。ごく簡単に表現するなら、“喉から鼻にかけて存在する空気の通り道”といったところでしょうか。呼吸の際、空気が通る道だから気道です。

さて、上気道が狭くなると、空気はほとんど塞(ふさ)がった場所を無理矢理に通ることになります。すると、空気が気道内部に擦(こす)れて音が出るわけです。イメージが湧かなければ、唇を強く閉じたまま頬(ほほ)を膨らませ、無理に空気を吐き出してみてください。“ブブブ…”あるいは“ズズズ…”といった音が鳴るはずです。同じことが上気道で起こると、いびきの音になります。

もちろん、寝る姿勢によって一時的にいびきをかくのは病気ではありません。実際、男性の80%、女性の15%がいびきをかくといわれています。すべてのいびきが異常なら、男性の8割が健康に問題を抱えている計算になりますが、当然、そんなことはありません。

2.いびきの種類と原因を探る!

まず、“一過性のいびき”と“習慣性のいびき”は明確に区別してください。たまに一過性のいびきをかくのは普通のことですから、問題ありません。

問題は、習慣的にいびきをかくケースです。実際、毎晩のようにいびきをかく習慣ができているなら、何か病気の兆候…という恐れもあります。しかし、その一方で体質的にいびきをかきやすいだけで、特に病気ではないというケースもあるのです。

そこで、ここでは“安全ないびき”と“危険ないびき”を区別するための基礎知識を解説したいと思います。

2‐1.喉彦(のどびこ)が大きいことによるいびき

口を大きく開けると、喉の奥に垂れ下がっている部位が見えるはずです。口蓋垂(こうがいすい)というのが正式名称ですが、喉彦(のどびこ)などさまざまな呼び方があります。実は、いまだに何の役に立っているのか分かっていない部位であり、口から鼻腔に異物が侵入するのを防ぐためではないか…など憶測が飛び交っているのが実情です。

さて、喉彦(のどびこ)が大きいと、眠っているときに上気道を塞(ふさ)ぐ要因になります。喉彦(のどびこ)が空気の通り道を塞(ふさ)ぎ、呼吸の邪魔になった結果、いびきをかくわけです。喉彦(のどびこ)が原因であれば、体質的なものであり、特に病気の心配はありません。喉彦(のどびこ)によるいびきは、安全ないびきといえます。

2‐2.舌や軟口蓋(なんこうがい)が大きいことによるいびき

次に、舌や軟口蓋が大きい場合です。軟口蓋というのは、食べ物を飲み込むとき、口と鼻腔の間を遮断するための組織にあたります。喉彦(のどびこ)の上にあり、少し膜のように垂れ下がっている部位です。

さて、舌や軟口蓋が大きいと、舌の付け根、軟口蓋が上気道を塞(ふさ)ぎやすくなります。結果、寝ているときに気道が狭くなり、いびきをかくわけです。体質的なものですから、特に心配はありません。

2‐3.口呼吸が習慣化していることによるいびき

特に息苦しいなどの問題がなければ、本来、鼻呼吸が自然です。しかし、何らかの理由で口呼吸が主体になる人もいます。そして、口呼吸がいびきの原因になることも…。

実は、睡眠中に口呼吸をしていると、舌や軟口蓋(なんこうがい)が下がりやすくなるのです。結果、舌や軟口蓋(なんこうがい)が上気道を塞(ふさ)ぎ、いびきをかいてしまいます。

口呼吸はドライマウス、口内炎になる原因の1つですし、風邪を引きやすくなるなどの弊害をあるのをご存じでしょうか?いびきだけで済む問題ではないので、なるべく鼻呼吸主体の状態へと改善するのが望ましいです。

多くの場合、鼻づまりを起こしやすいなど、鼻呼吸を阻害する原因があります。まず、鼻の健康状態を回復させることが第一になるでしょう。口呼吸が要因であれば、やや危険ないびきと捉えてください。

2‐4.肥満が原因となっているいびき

肥満体型の場合、いびきをかきやすくなるのです。のどの周囲に皮下脂肪がつくと、脂肪の重みでのどが圧迫されます。結果、上気道が狭まりやすくなって、いびきをかくわけです。

過度の肥満では、寝ているときの姿勢に関係なく上気道が塞(ふさ)がり、スムーズに呼吸できなくなる恐れもあります。肥満は生活習慣病の原因にもなりますから、適正体重の維持に努めましょう。肥満を原因とするいびきは、危険のいびきの1つです。

2‐5.疲労・飲酒に伴う筋力低下が原因のいびき

極度の疲労、アルコール摂取は、筋力低下の要因になります。舌の筋力が低下すると、舌が本来の位置より下に下がってしまい、上気道を塞(ふさ)ぐ恐れがあるのです。結果、気道が狭くなっていびきが悪化します。

生きていれば疲労困憊する日もありますし、飲酒の機会もあるでしょう。一過性のいびきで済むなら、さほど気にしなくて構いません。ただ、酩酊するほどのアルコールを摂取していると、呼吸が止まっているのに気づかないという恐れもあります。くれぐれもアルコールはほどほどに留(とど)めましょう。

3.いびきの裏側に潜んでいる!?考えられる病気を解説

昔は“いびき=よく眠っている”といった誤解が蔓延していましたが、最近になってようやく、いびきは睡眠の質が下がっている証拠…という正しい知識が一般化しました。

しかし、睡眠の質が低下しているだけでは済まないケースもあるのです。ここでは“危険ないびき”の裏側に潜んでいる主な病気を紹介したいと思います。

3‐1.睡眠時無呼吸症候群(SAS)

いびきに隠れている病気のうち、もっともハイリスクな病気の1つが睡眠時無呼吸症候群でしょう。

睡眠時無呼吸症候群は、睡眠中に一定時間、呼吸が止まる病気です。筋肉が弛緩し、舌や軟口蓋(なんこうがい)が上気道を塞(ふさ)ぐ閉塞性睡眠時無呼吸症候群と、心不全や脳血管障害によって呼吸中枢が機能しなくなる中枢性睡眠時無呼吸症候群があります。ただ、大半は閉塞性睡眠時無呼吸症候群であり、中枢性のものはほとんど見られません。よって、こちらでは閉塞性に限定して解説することにします。

さて、眠っているときには誰も筋肉が弛緩しますが、肥満の場合、筋肉が少し弛緩しただけで上気道が塞(ふさ)がるのです。実際、肥満の人は普通体型の人に比べて、睡眠時無呼吸症候群の発症リスクが3倍以上だといわれています。

簡単に言えば、いびきは“気道が狭いながらも、何とか呼吸している状態”です。しかし、上気道の閉塞(へいそく)がさらに悪化すると、睡眠時無呼吸症候群になる恐れがあります。おおむね、10秒以上にわたって無呼吸が続くと、睡眠時無呼吸症候群と扱われることが多いです。

仮に無呼吸に陥っても、そのまま窒息することはありません。苦しくなると、脳が覚醒(かくせい)して気道を確保するからです。しかし、睡眠中に何度も脳が起きてしまうため、睡眠効率が極端に低下します。結果、昼間に眠気が生じたり、集中力が低下したりといった問題が発生するのです。中には、自動車の運転中に寝入ってしまい、事故になった…というケースもあります。

睡眠時無呼吸症候群の主な兆候は、いびきです。疲労感、眠気に悩んでいて、家族から頻繁ないびきを指摘される場合は、睡眠時無呼吸症候群を疑ってみてください。

3‐2.花粉症・副鼻腔炎・アレルギー鼻炎などによる鼻づまり

口呼吸の習慣がついていると、舌根(ぜっこん)や軟口蓋(なんこうがい)が上気道を塞(ふさ)ぎやすくなります。

本来、人間は無意識に鼻呼吸をするのが普通です。口呼吸が主体になる場合、スムーズに鼻呼吸できない要因がある…と考えてください。代表的な要因は、鼻づまりです。鼻がつまっていれば鼻呼吸できませんから、当然、ずっと口呼吸をすることになります。結果、上気道が狭まって、いびきをかくわけです。

鼻づまりが原因であれば、鼻の問題を解決するしかありません。花粉症、アレルギー鼻炎など具体的な原因に思い当たれば、かかりつけ医に事情を話してみましょう。原因不明の鼻づまりが起きている場合は、最寄りの耳鼻咽頭科で診察するようにしてください。

3‐3.扁桃炎・扁桃肥大が原因のいびき

扁桃腺というのは、喉の両側にある部位になります。呼吸の際、空気中の細菌やウイルスを吸着し、体内への侵入を阻害する免疫器官です。

扁桃炎を起こして扁桃腺が腫れると、喉の両側が腫れ上がりますから、当然、上気道が狭くなります。喉の痛み、咀嚼(そしゃく)困難に加え、いびきの症状が出ることもあるでしょう。ただ、風邪などに伴う扁桃炎は、風邪が治癒すれば改善します。よほど悪化しなければ、一時的なものと考えて構いません。

次に扁桃肥大ですが、風邪などの原因がないのに扁桃腺が肥大する症状です。軽度なら経過観察になりますが、いびき・摂食障害などの問題が起きている場合は扁桃摘出の手術が必要になります。

4.いびきを止めるセルフ解消法はないの?

睡眠時無呼吸症候群に代表される“危険ないびき”の恐れがあれば、第一選択は医療機関の受診です。しかし、体質的ないびきなら、健康上の心配はないでしょう。ただ、同室で眠っている家族などに迷惑がかかる場合もあるので、なるべくなら解消したいところです。

そこで、こちらでは自分でできるいびき対策の方法を解説することにしました。軽度のいびきであれば、まずはセルフケアしてみるのも良いでしょう。

4‐1.肥満はいびきの原因に!ダイエットで対策

睡眠時無呼吸症候群の疑いがあるなら医療機関を受診するべきですが、肥満体型で軽度のいびきがある…というだけならセルフケアの余地もあるはずです。先述したとおり、喉に皮下脂肪がついていると上気道が圧迫されて、いびきの原因になります。肥満体型の自覚があるなら、まずは適正体重を目指してダイエットするのが最大のいびき対策になるでしょう。

ちなみに、顎(あご)が小さい骨格だと、ちょっとの皮下脂肪でも上気道が狭まる傾向にあります。顎(あご)が小さいと、いわゆる二重顎(あご)になりやすく、脂肪が喉に流れやすいのでしょう。顎(あご)が小さい人は、ちょっとぽっちゃり体型というだけでいびきの原因になりますから、特に体型管理に努めてください。

4‐2.寝具の買い換え、横向き睡眠でいびき対策!

軽度のいびきなら、睡眠環境を変えるだけで改善する可能性もあります。いびきの原因は上気道が塞(ふさ)がることです。ということは、枕を低くして、首を真っ直ぐにすれば改善する可能性があるでしょう。

ピンとこない方は、ゴムホースから水を出すときを思い浮かべてください。ホースが折れたりねじれたりしていると、水の通り道が塞(ふさ)がります。そのため、水が少しずつしか流れず、ホースから勢いよく放水することはできません。気道でも同じです。首が曲がっていると、気道が折れてしまい、閉塞(へいそく)しやすくなります。枕を低くすれば、首を真っ直ぐ伸ばしたまま眠ることができるでしょう。

また、仰向けで寝ている方は、横向きに変えてみるのもおすすめです。横向きの場合、脂肪の重みが上気道まで伝わりません。首の左右にある筋がストッパーになるからです。結果、横向き睡眠だと気道が確保されやすく、いびきをかきにくくなります。

4‐3.市販のいびき対策グッズを使ってみる!

世の中では、たくさんのいびき対策グッズが販売されています。軽度のいびきなら、“市販グッズで解消した”という声を聞く機会も多いです。

ただ、1つだけ注意点があります。市販グッズで対策する前に、“いびきの原因”を特定するようにしてください。たとえば、肥満が原因なのに“鼻づまりによるいびきを解消するグッズ”を使用したのでは、何の意味もありません。市販グッズは特定の原因を取り除くための商品です。いびきの原因が特定できていることが、市販グッズ使用の前提になると考えてください。

4‐3‐1.口呼吸の習慣を直すグッズ

口呼吸が原因のいびきで、特に鼻炎などの症状がない…という場合は、口呼吸を予防するグッズを試してみてください。単純に“口呼吸の癖がついている”というだけなら、習慣を正すことで解決を図れます。

具体的には、口呼吸できないように口を閉じるテープ型のグッズです。就寝時に口を閉じておけば、自然と鼻呼吸する習慣が身につきます。口呼吸が原因のいびきなら、着実に改善できることでしょう。

ただし、鼻づまりがある人は絶対に使ってはいけません。鼻も口も半ば塞(ふさ)がった状態で眠る…。考えるだけで苦しいです。

4‐3‐2.鼻炎が原因のいびきを解消するグッズ

鼻炎による鼻づまりが原因で、口呼吸になってしまう…という場合、鼻づまりを解消することが第一です。もちろん、鼻炎用の市販薬を使うのも1つの選択肢ですが、今は薬品を使わず、物理的に鼻づまりを緩和するためのグッズも販売されています。

物理的な力で鼻腔を広げ、鼻呼吸を楽にするグッズです。鼻づまりがひどい場合は、鼻炎薬と併用しても良いでしょう。鼻呼吸ができるようになれば、自然と口呼吸の回数は減っていくはずです。そして、鼻呼吸なら上気道が閉塞(へいそく)しにくいので、自然といびきも緩和されます。

4‐3‐3.肥満によるいびきを緩和するグッズ

首回りに脂肪がつき、気道が塞(ふさ)がりやすくなっている…という場合は、気道を確保するためのグッズがおすすめです。

顎(あご)を引いた姿勢で寝ていると、上気道が“くの字”に折れ曲がり、空気の通り道が狭まります。そこで、首を真っ直ぐにサポートするグッズを使い、気道を確保した状態をキープするわけです。物理的に気道を確保していれば、多少、肥満体型だったとしても、簡単に気道が狭まることはないでしょう。

4‐4.いびき改善の市販薬を服用する!

世の中には、いびきの緩和効果が期待されている市販薬があります。ただ、多くは“鼻の通りをよくする”という鼻炎薬に近い効果です。つまり、市販薬が効果を発揮するのは、鼻づまりが原因で口呼吸主体になっているケースに限定されます。

以上から、市販薬によるいびき対策は、鼻炎が原因のケースでのみ有効…とお考えください。いびき緩和に用いられる市販薬は、ごく普通の薬ならストナリニS、漢方薬なら葛根湯加川芎辛夷(かっこんとうかせんきゅうしんい)あたりが知られています。

中には、“サプリメントによる改善”を紹介するwebサイトも存在しますが、サプリメントがいびきを緩和する作用機序は確立されていません。サプリメントによる対策には慎重を期す必要がありそうです。

5.医療機関におけるいびきの治療法とは?

さて、ここまでセルフケアの方法を解説してきましたが、重度のいびきであれば、やはり医療機関の受診を検討するべきです。特に倦怠感・眠気といった自覚症状があり、睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は、早急に医療機関を受診しなければなりません。

そこで、ここからは医療機関におけるいびき治療の方針を解説することにしました。扁桃肥大、鼻炎などのケースはここまでに十分説明していますので、基本的に睡眠時無呼吸症候群の治療法に絞って解説します。

5‐1.睡眠時無呼吸症候群によるいびきだと思ったら…?

いびきの原因が睡眠時無呼吸症候群だと思ったら、すぐに医療機関を受診してください。

受診するのは耳鼻咽喉科または呼吸器内科ですが、近場の医療機関に“いびき外来”のような診療科目が存在するなら、いびき外来でも構いません。また、一般的な不眠症・睡眠障害は精神神経科の領域なので、精神神経科でも睡眠時無呼吸症候群の診断をつけることは可能です。

ただ、自分で“睡眠時無呼吸症候群かも…?”と思ったなら、睡眠時無呼吸症候群の診断・治療に力を入れている医療機関のほうが良いでしょう。

5‐2.睡眠時無呼吸症候群の検査の流れは?

まずは問診を受け、既往歴などを答えることになります。いびきの程度に関しても、訊ねられるでしょう。いびきの重症度は、本人より同室で眠っている家族のほうがよく知っているはずです。可能なら、一緒に眠っている家族に同行してもらってください。

問診の結果、睡眠時無呼吸症候群の疑いがあると判断されれば、検査が行われます。自宅に持ち帰り可能な簡易検査機器で、睡眠中の呼吸状態を調べるのです。簡易検査でも、気道の状態、血中の酸素飽和度など、多くのデータを知ることができます。

簡易検査で睡眠時無呼吸症候群の可能性が強まった場合、精密検査を実施することになるでしょう。睡眠時の状態を見なければいけませんから、病院に1泊する検査入院を要します。口・鼻の気流、脳波、いびきの音など、睡眠状態を徹底的に調べ、確定診断をするわけです。検査入院を伴う精密検査は、終夜睡眠ポリグラフ検査と呼びます。

5‐3.睡眠時無呼吸症候群はどのように治療する?

睡眠時無呼吸症候群の治療法は、大きく分けて3種類です。それぞれに費用の目安も異なりますし、手軽さも違ってきます。こちらでは、3種類の治療法に関して、特徴をまとめることにしましょう。

5‐3‐1.CPAP治療

CPAPの正式名称は、経鼻的持続陽圧呼吸療法です。睡眠中、エアチューブを用いて気道に空気を送り続ける…という治療法。鼻のマスクから常に空気が送り込まれるので、気道が塞(ふさ)がる暇はありません。常に気道が開きっぱなしになるので、睡眠中に呼吸が止まらないわけです。

もちろん、CPAPに必要な機器は医療機関からレンタルできるので、自宅で治療することが可能。

ただ、CPAPはあくまでも対症療法です。呼吸が止まるのを防ぎ、睡眠の質を確保することはできますが、睡眠時無呼吸症候群の原因を取り除くわけではありません。CPAPを継続して、昼間の倦怠感・眠気などが起こらないようにする…という治療です。

5‐3‐2.マウスピース

顎(あご)を引いた状態だと、気道が塞(ふさ)がりやすいのは前述のとおりです。ということは、逆に下顎(あご)を前方に突き出した状態だと、気道が塞(ふさ)がりにくくなります。

そこで、マウスピースを用い、下顎(あご)を前方に突き出す形で固定する…という治療法が生まれました。軽度の睡眠時無呼吸症候群なら、マウスピースの力だけでも気道を確保することが可能です。

ただ、CPAPと同様に、マウスピースを装着している間しか効果を発揮しません。あくまでも睡眠の質を向上し、睡眠時無呼吸症候群の症状を止めるための対症療法になります。

5‐3‐3.外科手術

睡眠時無呼吸症候群は、軟口蓋(なんこうがい)や喉彦(のどびこ)が気道を塞ぐことで発症します。肥満による脂肪の重みなど、さまざまな理由があるでしょう。しかし、結局のところ、直接原因は“気道が塞(ふさ)がる”と一点に集約されるわけです。

そこで、気道を塞いでいる部位を外科的に切除する…という方法が考えられます。気道を塞ぐものがなくなれば、もう、普通に眠っていても呼吸が止まることはありません。つまり、睡眠時無呼吸症候群を根本治療することが可能になるわけです。

外科手術にはいくつか種類があり、メスを使った通常の外科手術のほか、レーザーで軟口蓋(なんこうがい)の一部を除去する手術も存在。ちなみに、レーザーによる手術法をLAUP(レーザー口蓋垂軟口蓋形成術)と呼んでいます。

程度によりますが、最近では日帰り、1泊2日で手術を終えられる例が多くなってきました。“仕事が忙しい”という社会人でも問題なく治療を受けることができます。

5‐4.治療にかかる費用の目安は?

睡眠時無呼吸症候群の症状があれば健康保険が適用されるので、治療は3割負担です。すると、治療費の目安は以下のようになります。

  • 簡易検査:2,700円
  • 終夜睡眠ポリグラフ検査:10,440円
  • CPAP治療:約4,500円/月

マウスピース、外科手術に関しては状況によって費用が大きく変わります。詳しくは医療機関に直接、お訊ねください。

まとめ

いびき対策の方法、いびきの裏側に隠れている病気の治療法でした!

身体が発する音である以上、いびきにも意味があるのです。単なる一過性の問題なのか、それとも睡眠時無呼吸症候群のような大きな病気が隠れているのか…?決して軽んじることなく、慎重に判断するようにしましょう。

  1. いびきの基礎知識をチェック!
  2. いびきの種類と原因を探る!
  3. いびきの裏側に潜んでいる!?考えられる病気を解説
  4. いびきを止めるセルフ解消法はないの?
  5. 医療機関におけるいびきの治療法とは?

医療技術は日進月歩です。仮に睡眠時無呼吸症候群だとしても、少ない負担で症状を軽減する方法は必ず見つかります。まずは、気軽に医療機関を受診するようにしてくださいね

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