急性難聴の症状や治療方法とは?分かりやすくご紹介します。

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急性難聴は正式名称を急性感音性難聴(きゅうせいかんおんせいなんちょう)といい、耳あかや中耳炎などの病気以外の内耳以降の部位が原因で、ある日突然耳が聞こえなくなったり耳の聞こえが悪くなったりする症状の総称です。最もよく知られたものに突発性難聴があり、この他にも蝸牛(かぎゅう)型メニエール病や急性低音障害型感音難聴になっても耳が聞こえなくなります。どんな病気であっても急性難聴は早急な治療が大切です。

そこで、今回は急性難聴の症状や原因をご紹介しましょう。

  1. 急性難聴の基礎知識
  2. 急性難聴は早期治療が大切
  3. 急性難聴の治療方法
  4. 急性難聴は予防できるの?
  5. 急性難聴に関するよくある質問

急性難聴の症状が分かれば、いざというときにすぐ耳鼻咽喉科を受診することができます。最近耳の調子が気になっているという方は、ぜひこの記事を読んでみてくださいね。


1.急性難聴の基礎知識

はじめに、急性難聴の基礎知識をご紹介します。どのような症状が現れ、他の難聴とどのような違いがあるもでしょうか?

1-1.急性難聴とは?

急性難聴とは、加齢・耳あかなどの外的要因・中耳炎などに代表される耳の病気以外の内耳や聴神経が原因で、急に耳が聞こえなくなったり聞こえが悪くなったりする症状のことです。人によっては吐き気やめまいを伴うこともあるでしょう。両耳が聞こえなくなった場合はすぐに気がつきますが、片耳だけ発症する例も多いため、「何か耳の調子が変だ」と思っているうちに時間が過ぎ、症状が悪化する例もあります。急性難聴は早急な治療をすれば比較的予後の良いのですが、治療が遅くなるほど聴力は回復しにくくなるでしょう。

1-2.急性難聴の種類

急性難聴は、突発性難聴や急性低音障害型感音難聴があります。突発性難聴は毎年3万人~4万人の方が性別や年齢に関係なく発症している病気です。10代20代の患者も多く、ある日突然何の前触れもなく片耳が聞こえなくなったり聞こえが極端に悪くなったりします。ちなみに、両耳が急に聞こえにくくなった場合は、特発性両側感音難聴という病気の可能性があるのです。

急性低音障害型感音難聴は、ある日突然片方の耳が聞こえにくくなるところまでは、突発性難聴とよく似ています。こちらの病気の場合は、低い音が聞こえにくくなることが特徴です。また、20代~40代の女性に発症することが多く、近年患者数が増加しているといわれています。

1-3.急性難聴、それぞれの特徴

1-3-1.突発性難聴の場合

突発性難聴は、内耳の中にある振動を電気信号に変えて脳へ伝える有毛細胞が何らかの原因で働かなくなることによって発症します。この原因はいまだはっきりと分かっていません。ですから、いつ・誰が・どのような条件で発症するのかということは予測がつかないのです。突発性難聴になると、急に音が聞こえにくくなる他、音が割れて聞こえたり低い音の耳鳴りが聞こえたりします。人によってはめまいや吐き気を伴うこともあるでしょう。

1-3-2.急性低音障害型感音難聴の場合

急性低音障害型感音難聴は、内耳にある蝸牛(かぎゅう)という器官に異常が起こることによって発症します。そのため、片耳が聞こえにくくなることは一緒ですが、主に低い音が聞き取りづらくなり耳がつまった感じを受けたりするのです。急性低音障害型感音難聴を発症する原因、精神的なストレスや睡眠不足が主な原因と考えられています。そのため、子育て中の母親が発症することも珍しくありません。

突発性難聴は一度発症して症状が落ちつくと再発する可能性はほぼありませんが、急性低音障害型感音難聴の場合は2~3割の方が再発します。そのため、治療後も再発防止することが大切です。

1-4.他の難聴との違い

加齢や病気など難聴になる原因は複数あります。このような難聴と急性難聴の違いは、ある日突然発症するということと、片耳だけ発症するということです。加齢由来の難聴や病気由来の難聴は、徐々に聞こえが悪くなっていきますが、急性難聴の場合はある日突然片耳が聞こえなくなったり聞こえが悪くなったりします。そのため、進行性の難聴に比べると違和感は覚えても、聞こえにくくなっていると気がつきにくいこともあるのです。また、早期に治療するほど予後が良いのも急性難聴の特徴になります。

2.急性難聴は早期治療が大切

急性難聴になったら、すぐに耳鼻咽喉科を受診して適切な治療を受けましょう。急性難聴は発症してから1週間以内に治療を開始すれば、聴力が回復するケースが多いのです。逆に2週間以上放置をした場合、聴力が戻らない可能性が高くなります。
急性低音障害型感音難聴は軽度の難聴が残ることが多く、突発性難聴の場合は中度~重度の難聴になってしまう方もいるのです。また、急性低音障害型感音難聴の場合は、再発にも注意が必要になります。再発をくり返す場合は、すぐに治療を受けていたとしても徐々に症状が悪化して聴力が低下していく可能性もあるのです。

3.急性難聴の治療方法

この項では、急性難聴の治療方法をご紹介します。ぜひ参考にしてください。

3-1.こんな症状が出たら病院へ

  • 周りの音が急に聞こえづらくなった
  • 耳鳴りがひどい
  • めまいがする
  • 耳がつまった感じがする

このような症状が出たら、至急耳鼻咽喉科を受診しましょう。様子を見ようと思った場合も1晩が限度です。突発性難聴か急性低音障害型感音難聴かは、聴力検査を受ければすぐに診断がつきます。めまいがする場合は内科を受診しがちですが、耳鳴りと共にめまいがする場合は、耳の不調が原因である可能性が高いので、耳鼻咽喉科を受診しましょう。

3-2.治療方法

急性難聴は、突発性難聴でも急性低音障害型感音難聴でも投薬が中心となります。発症してから1週間以内に治療を始めた場合は、聴力がほぼ回復するか、万が一聴力障害が残ったとしてもごく軽いものとなるでしょう。前述したように、発症から2週間以上たってしまうと同じ治療を受けても聴力が回復する可能性はとても低くなります。ただし重症例やめまいを伴うものなどでは治療に反応しない場合もあります。特に、突発性難聴の場合は重度難聴になることもあるでしょう。

3-3.再発をくり返す場合の対処方法

急性低音障害型感音難聴の場合は、2~3割の方が再発をくり返します。原因がストレスや睡眠不足であるだけに、改善が難しいこともあるでしょう。急性低音障害型感音難聴は再発するにつれて症状が重くなり、後遺症も残りやすくなります。そのため、障害が残った場合は補聴器の使用をすすめられることもあるでしょう。

4.急性難聴は予防できるの?

急性難聴の一つ、突発性難聴は原因がはっきりと分かっていません。しかし、強いストレスを感じ続けていた方が発症しやすい傾向にあります。また、急性低音障害型感音難聴の場合はストレスや睡眠不足が原因であることが分かっているのです。ですから、可能な限り睡眠を取り、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。特に、仕事が忙しい方はストレスも溜まりがちです。疲労やストレスが溜まっている自覚がある場合は、できるだけ早く休息を取りましょう。

5.急性難聴に関するよくある質問

Q.片耳ずつ突発性難聴が発症することはありますか?
A.ゼロとはいえませんが、可能性は低いでしょう。

Q.男性は急性低音障害型感音難聴にかかりにくいのでしょうか?
A.女性よりは患者数が少ないのですが、発症する方もいます。

Q.大きな病院でないと急性難聴の治療はできませんか?
A.個人病院でも行えます。大きい病院での治療が適切だと思った場合は紹介状を書いてくれますので、まずは最寄りの耳鼻咽喉科を受診しましょう。

Q.子どもでも急性難聴を発症することはありますか?
A.患者数は少ないですが、発症する可能性はあります。

Q.耳がつまった感じや耳鳴りがしていますが、耳が聞こえないという感じはあまりありません。病院へ行くべきでしょうか?
A.耳鳴りが続く場合は耳に何らかの異常が起きている可能性があります。耳鼻咽喉科を受診しましょう。

6.おわりに

いかがでしたか。今回は急性難聴の症状や治療方法をご紹介しました。両耳が聞こえなくなった場合はすぐ異常に気がつきますが、片耳だけ聞こえが悪くなった場合は、気がつきにくいケースもあるます。しかし、いきなり耳鳴りがしたり耳が聞こえづらくなった場合は、確実に耳の中で異常が起きているはずです。急性難聴でなくても治療が必要なこともあるでしょう。至急耳鼻咽喉科を受診してください。

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川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
川村繁樹

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