扁桃炎とはどのような病気? 症状・原因、予防のポイントを解説!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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2月になり、寒さが一層厳しい季節になりました。インフルエンザをはじめとする感染症も流行し始めています。そこで、今回は冬に発症が増える病気のひとつ、扁桃炎についてご紹介しましょう。通常のかぜと間違えやすいですが、全く別の病気です。

そこで今回は、原因や症状、どのような治療をするのかについてご説明します。毎年のように扁桃炎にかかるという方は、ぜひこの記事を読んで対策の参考にしてください。

  1. 扁桃炎とはどういう病気?
  2. 扁桃炎の種類と症状
  3. 扁桃炎の治療とは?
  4. 扁桃炎の予防と再発防止法とは?
  5. おわりに

1.扁桃炎とはどういう病気?

1-1.扁桃とは?

扁桃とは、口を大きく開けるとのどの奥に見えるアーモンドのような形をした器官のことです。扁桃腺といえばピンとくる方も多いでしょう。5歳から7歳くらいをピークとして、ウィルスや細菌が口から体内へ入るのを防ぐのが、この器官の役割です成長するにつれて免疫機能はリンパ節が担うことになるため扁桃は役割を終え、思春期までに萎縮します。

1-2.扁桃炎が起こるメカニズム

扁桃炎とは文字どおり扁桃が炎症を起こした状態を指します。扁桃は、前述したように、体内に細菌やウィルスが入りこもうとしたとき、それを防ぐ器官です。しかし、体が弱っていたり菌の勢いが強すぎたりすると菌に感染してしまいます。扁桃炎の原因となる菌はインフルエンザウィルスや肺炎球菌・黄色ブドウ球菌など空気中に比較的多く存在しているウィルスです。

1-3.扁桃炎が起こる原因

扁桃炎の原因となるウィルスは、低温で乾いた場所を好みます。そのため、空気が乾燥しやすい冬に繁殖しやすいでしょう。また、かぜをひいて鼻がつまっていると口呼吸になり、口の中がより乾燥しやすくなります。ですから、かぜから扁桃炎に移行することも多いのです。

2.扁桃炎の種類と症状

この項では。扁桃炎の種類と症状についてご紹介します。かぜと共通する症状も多いですが、違いは何でしょうか?

2-1.扁桃炎の種類とは?

扁桃炎には慢性と急性の2種類があります。

2-1-1.急性扁桃炎

通常「扁桃炎」というと急性扁桃炎のことです。かぜから移行する場合もありますし、疲労がたまったときや気温が急激に変化したとき、さらにストレスで発症することもあります。

急性の扁桃炎が進行すると、扁桃の周囲が高度に腫れて、話をしたり唾を飲み込むことさえ困難です。これを「扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)」といいます。こうなってしまうと、治療にも時間がかかるでしょう。

2-1-2.慢性扁桃炎

慢性扁桃炎とは、急性扁桃炎を年に何回も発症することです。扁桃炎はウィルスや細菌の影響を受けやすいところですから、体質的に炎症を起こしやすい人もいます。しかし、年3〜5回以上扁桃炎を発症すると何らかの対策をした方がよい、と診断されることが多いでしょう。ちなみに、扁桃炎をくりかえすと「習慣性扁桃炎」と診断されます。

2-2.他の病気を引き起こすことも

慢性的な炎症が持続すると免疫反応で腎臓などに障害が出ることもあります。このように身体のどこかに慢性の感染症があって、その部分はほとんど無症状なのに、どこか離れた臓器に二次的に障害を引き起こすことを病巣感染と言います。二次感染として多いのは、掌蹠膿疱症、IgA腎症、慢性関節リウマチなどです。

また、くりかえすようになると腎臓や心臓など重要な器官に悪影響が出ます。特に、腎臓に影響が出ると腎盂腎炎(じんうじんえん)を発症することもあり、これも重症化すると大変です。

2-2.扁桃炎の症状とは?

扁桃炎といえば、のどの痛みが代表的な症状です。かぜやインフルエンザものどが痛くなることがありますが、扁桃炎ののどの痛みはかなり強く水を飲むのもつらいことが珍しくありません。

このほかの症状としては、発熱やけんたい感・頭痛・関節痛・リンパ節の痛みなどがあります。インフルエンザとよく似ていますが、扁桃を見ると真っ赤にはれあがっていたり、白い膿栓(のうせん)がついていたりするので、医師が診察すればすぐに診断がつくはずです。

また、軽いかぜのような症状からいきなり高熱が出た場合も、扁桃炎の疑いが強くなります。扁桃炎が神経を刺激し、耳の奥に痛みが出ることもあるでしょう。

3.扁桃炎の治療とは?

扁桃炎かな?と思ったらまずは病院を受診しましょう。放っておいても治ることはありますが、医師に診察してもらったうえで服薬をすればそれだけ治りも早いです。内科や小児科でも治療を行えますが、専門は耳鼻咽喉科になります。

3-1.抗生物質や消炎鎮痛剤

治療法は抗生物質の服薬が中心になります。痛みが強く熱が高い場合は消炎鎮痛剤を使うこともあるでしょう。しかし、基本的には暖かくして安静にしているというかぜの治療と同じ扱いです。ですから、無理をせずにゆっくりと休みましょう。扁桃炎自体はうつる心配はありません。ただし、扁桃炎を起こした菌が感染症だった場合は、細菌やウィルスに感染することはあります。

3-2.手術が必要な場合も

扁桃炎を何回も繰り返す場合は、手術を勧められることもあります。目安は1年に3~5回以上扁桃炎を発症する場合や、はれがひどくて呼吸が苦しくなる場合。このほか、血尿などほかの症状が出た場合です。扁桃炎の手術は体への負担の大きいものではありません。ただし、全身麻酔で行い、1週間~10日ほどの入院が必要です。

扁桃を取り除けば扁桃炎が起こることはありません。しかし、その反面術後も痛みが残る方も多く、完治まで長引くこともります。社会人にとって1週間の入院は長く、仕事を調整するのも大変でしょう。ですから、扁桃炎になったら慢性化しないように気をつけなければなりません。

4.扁桃炎の予防と再発防止法とは?

扁桃炎は、子どものころだと体質で発症のしやすさが決まります。体が弱い人は、どうしても発症しやすいです。大人の場合は免疫力の低下やストレスが発症の引き金になることも多いでしょう。かぜをひいたけれど仕事を休めないと無理をすると、扁桃炎を発症しやすくなります。ですから、扁桃炎が発症しやすい冬になったら免疫を高めて抵抗力をつけましょう。

4-1.食生活と睡眠

特に大切なのは、食生活と睡眠です。年末年始は飲み会も多く食生活が乱れがちになるでしょう。また、2月~3月は決算や人事異動が発表になったりしてやはり忙しくなる方が増えます。食生活や睡眠がおろそかになりがちです。意識して野菜を多く取り、疲労をためすぎないようにしましょう。

4-2.加湿を意識する

のどに違和感を覚えたら加湿を意識してください。加湿すれば細菌やウィルスも増殖しにくくなります。加湿器をつけたり部屋の中に洗濯物をつるしたりしましょう。外出時はマスクをつけると効果的です。

5.おわりに

いかがでしたか? 今回は、扁桃炎の原因と治療法についてご紹介しました。扁桃炎は決して珍しい病気ではありません。多くの人が、一生のうち1~2回はかかる病気です。「いざとなれば、手術して扁桃を取ってしまえばよい」と思う方もいるかもしれませんが、全身麻酔をかけて1週間以上の入院は大変です。ですから、扁桃炎になりやすい方は再発を防止することが大切です。