耳垢が多いのは病気!?その原因と、健康と耳垢の関係を徹底検証

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「最近、耳垢が多い」と思うことはありませんか? なかなか人には聞きにくいため、ひそかに悩んでいる人は多いのです。「耳掃除をしたばかりなのにすぐたまる」「指で軽くほじるだけでポロポロと耳垢が出てくる」という症状は、なぜ起こるのでしょうか。耳掃除をすると気持ちよさを感じます。しかし、掃除のしすぎはよくないということは、誰もが知っていることでしょう。耳垢が多くなる原因も、このことに関係している可能性があるのです。

  • 耳垢が多くて悩んでいる
  • 耳垢が多い原因とは?
  • 耳垢が多いのは病気なのか?

そんな人たちのために、耳垢の役割や耳垢が多い原因、健康との関係についてまとめてみたいと思います。

  1. 耳垢の役割とは
  2. 耳垢が多い原因
  3. 耳垢と健康との関係
  4. まとめ

1.耳垢の役割とは

1-1.耳垢の役割は抗菌と保護

そもそも耳垢は、新陳代謝によってはがれ落ちた皮膚と、体外から入ってきたホコリ、耳垢腺からの分泌液が混ざったものなのです。「乾燥しているタイプ」のものと「粘性のあるタイプ」のものがあり、日本人は「乾燥している耳垢」が多いと言われています。耳垢には重要な役割があり、主なものは以下の3つです。

  • 細菌や真菌の発生を抑える
  • 殺菌作用がある
  • 皮膚の乾燥を防ぎ表面を保護する

耳垢は「汚いもの」「掃除しなければいけないもの」というイメージがあります。しかし、実はなくてはならない存在なのです。

1-2.耳掃除は必要?

耳掃除をすると気持ちがよいため、好んで掃除をする人も多いはず。しかし、重要な役割を持つ耳垢を掃除してしまってよいのでしょうか。実は、耳掃除をまったくしないと耳垢で耳の奥がふさがれてしまい、病気になる可能性があるのです。基本的に耳垢は自然に排出されるため、ある程度の耳掃除を行うだけでよいでしょう。以下のことを守って、正しく耳掃除をしてください。

  • 頻度は1~2週間に1度
  • 範囲は耳の入り口から1cm程度まで
  • 耳垢を奥へ押し込まないように注意する

2.耳垢が多い原因

2-1.耳掃除のしすぎ

耳垢が多くなる原因は、耳掃除のしすぎです。耳垢をきれいにするための耳掃除のせいで、耳垢が増えてしまっては意味がありませんよね。耳垢は、古くなった細胞がはがれ落ちたものです。耳垢が気になって耳掃除をすると皮膚の表面を傷つけてしまうことがあるでしょう。傷ついた表皮細胞は、新しい組織を作るために古い細胞をはがします。こうして、また耳垢ができてしまうのです。そして、また耳垢が気になり、掃除をする…。まさに、負のスパイラルと言えるでしょう。

2-2.環境の変化

外部から侵入してきたチリやホコリが多いと、耳の奥まで入らないように分泌液の量も増えます。その結果、耳垢が増えてしまうのです。チリやホコリの多い環境で過ごすことが原因になっている可能性もあるでしょう。

2-3.脂漏性皮膚炎

耳垢が大量に出る原因の1つに、脂漏性皮膚炎があります。脂漏性皮膚炎の多くは、頭皮や顔、胸など汗をかきやすい部位に炎症が起こるのです。耳垢が多くなるのも、症状の1つ。ほかの疾患と区別する方法としては、左右対称であるかをチェックすること。脂漏性皮膚炎の場合、どちらか一方だけ耳垢が多くなることはありません。「毎日耳掃除をしても耳垢が出る」という場合は、両方の耳で同じ症状が起こっているか確認してみてください。

3.耳垢と健康との関係

3-1.耳垢と体臭

一見何の関係もなさそうな耳垢と体臭。実は、湿った耳垢の人は体質的に体臭が強い傾向にあるということが分かっています。耳垢が湿るのは、耳の中にある「アポクリン腺」から分泌される汗が原因です。汗をかきやすい人は、アポクリン腺の量が比較的多いと言われています。そのため、体臭が強くなってしまうのです。

もちろん、耳垢が湿っているからと言って100%体臭が強いというわけではありません。しかし、耳垢をチェックすることで、自分が体臭の強い体質であるかどうかを知る手がかりにはなるでしょう。

3-2.耳垢と咳(せき)

耳垢が多いときはかゆみを感じることがあるでしょう。耳垢は、耳の入り口から1cmほどのところまでに多くあります。もっと奥に入ると、耳垢はほとんどなくなるのです。かゆみを感じると耳掃除をしたくなる人が多いでしょう。しかし、耳掃除をしてもかゆみが取れないときは、耳かきを奥まで入れてしまいがち。耳垢のない外耳道に耳かきを入れると奥の方にある迷走神経を刺激してしまいます。そのため、耳掃除をすると咳(せき)が出やすくなるのです。

「耳掃除をすると咳(せき)が出るのは何かの病気?」と心配になる人も多いでしょう。病気ではありませんが、咳(せき)が出るということは耳掃除の仕方を間違えている証拠です。正しい耳掃除の仕方を身につける必要があるでしょう。

3-3.耳垢と耳の疾患

耳垢が多い原因が耳の疾患にある場合も考えられます。主な疾患として、外耳道炎があるでしょう。外耳道湿疹は外耳炎の1つで、耳掃除のやり過ぎが原因で起こることが多くなっています。外耳道を保護している耳垢を取り過ぎると湿疹(しっしん)ができ、耳の中にかゆみを感じるでしょう。かゆみを感じるから耳掃除をする。そして、さらに症状が悪化してしまうのです。

ほかにも、耳垢栓塞という耳の疾患があります。耳垢栓塞は、耳垢が大量にたまって固まりとなり、耳の中で詰まる病気です。

特に、入浴時や水泳時など、耳に水が入って耳垢が膨張することで完全に閉塞し、突発的に症状が現れる場合もあります。入浴の翌日などに突然に耳が詰まったような感覚や圧迫感などを伴った症状が現れ、難聴が起こることもあります。

さらに、外耳道真菌症の際も、耳垢の量が多くなるでしょう。外耳道が細菌やカビの感染を起こした症状です。特に糖尿病の場合は要注意です。

こういった耳の疾患は、耳掃除のしすぎが原因で起こることがほとんどでしょう。気になる症状があるときは、早めに耳鼻科を受診してください。

4.まとめ

耳垢が多い原因についてご紹介しました。

  • 耳垢の役割とは
  • 耳垢が多い原因
  • 耳垢と健康との関係

「自分は耳垢が多い気がする」「耳垢が多い原因を知りたい」という人は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

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川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長
川村繁樹

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