補聴器の種類や効果とは? まずは耳鼻科を受診しよう

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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年齢とともに耳が聞こえにくくなる人は多いです。また、病気などが原因で耳が聞こえにくくなる人もいるでしょう。そんな方が利用すると便利なのが補聴器です。

そこで今回は、補聴器の種類や効果をご紹介します。補聴器をつけると聴力が戻るのでしょうか? また、補聴器の種類や選び方もご説明します。

医師から補聴器の利用を進められているが、どれを選んでよいか迷っているという方や補聴器の種類や仕組みについて知りたいという方は、ぜひこの記事を読んでみてください。

  1. 補聴器の効果と仕組みとは?
  2. 補聴器の種類とは?
  3. 補聴器を選ぶ際の注意点とは?
  4. おわりに

1.補聴器の効果と仕組みとは?

まず始めに、補聴器の効果と仕組みをご紹介します。補聴器をつければどのような効果があるのでしょうか?

1-1.補聴器の効果とは?

補聴器は会話など、自分の周囲の音が聞こえにくくなったときに、それをはっきりと聞こえるようにする管理医療機器です。テレビの通信販売などで「遠くの音がよく聞こえる」と宣伝している器具がありますが、あれは「集音器」といいます。補聴器は遠くの音を大きく聞こえるようにする効果はありません。つまり、補聴器は聞こえにくくなった音を再び聞こえやすくしてくれる機器なのです。

1-2.補聴器はどんな人が使えるの?

補聴器は、加齢により耳が聞こえにくくなった人や中耳・外耳に障害がある伝音性難聴(でんおんせいなんちょう)の人が利用すると、音が聞こえやすくなります。では、その他の理由で耳が聞こえにくくなった人には効果がないのかといえば、そうとも断言できません。ですから、補聴器の利用を考えている方は必ず耳鼻科医に相談しましょう。耳鼻科で聴覚検査を受ければ、自分の難聴が補聴器で改善するのかどうかが分かります。

1-3.補聴器の仕組みとは?

補聴器は大まかに説明すると

  • マイクロホン
  • アンプ
  • スピーカー(レシーバー)

の3つの部分があります。マイクロホンで音を集め、アンプで増幅させてスピーカーで音を出すのです。補聴器には値段に幅がありますが、この3つの部品が高性能なほど値段が高くなります。また、補聴器にはアナログ式とデジタル式があるのです。

アナログ式補聴器は、マイクロホンで集めた音声をすべて増幅してしまいます。つまり、騒がしい場所で補聴器をつけていると、周りの雑音まで一緒に大きく聞こえてしまうのです。ですから、「補聴器をつけると、騒がしくてかなわない」という人もいます。

デジタル式は、一度マイクロホンが集音した音をデジタル信号に変換してからその人の「きこえ」に適した音に調整するのです。そして、再びアナログ信号に音を戻してから、スピーカーから流します。この「きこえ」は補聴器を購入した際に、使用者に合わせて細かく設定するのです。この設定は何度でも行えますので、途中から聞こえ方が変わっても大丈夫。現在、補聴器の利用者のうち、7割がデジタル式を利用しています。

2.補聴器の種類とは?

では、補聴器にはどのような種類があるのでしょうか? この項では、よく使われる補聴器の種類をご紹介します。

2-1.耳穴型

耳の穴にすっぽり入るタイプの補聴器です。別名CIC型とも呼ばれています。この補聴器は、使用者の耳穴のサイズに合わせて作られるので、大きすぎたり小さすぎたりすることはありません。また、目立ちにくいので補聴器をつけていると分かりにくいでしょう。さらに、耳穴の中に入れて使うことで、より以前の「きこえ」に近い音を聞くことができます。しかし、小さい分パワーに限界があり、高度難聴の方には使いにくいです。

2-2.耳かけ型

本体を耳の後ろにかけて使用するタイプの補聴器です。耳穴式のものより違和感が少なく、手ごろで使いやすいでしょう。また、軽度~高度の難聴まで対応できるので使える人が多いです。デメリットは、ショートヘアの人は目立つこと。そして、耳の後ろは汗をかきやすいので、お手入れをしっかりしないと故障しやすいということです。また、眼鏡をかけている人も使いにくいでしょう。

2-3.ポケット型

こちらは、本体を上着などのポケットに入れてイヤホンとコードをつないで使用します。操作が簡単で扱いやすいうえ、機種によっては高出力が得られるでしょう。デメリットとしては、コードが邪魔になったり、ラジオなどと間違われて場所によっては外すように求められたりすることです。また、本体をポケットに入れているので、たまに衣擦れの音なども拾ってしまいます。

2-4.その他の形

これまでご紹介してきたもの以外にも、眼鏡型やレシーバーだけが分離して耳穴に入るタイプなど、補聴器の形はいろいろあります。どれを使うか迷っている場合は、一度試着をさせてもらって聞こえやすさから選ぶとよいでしょう。また、難聴の種類によっては医師から特定のタイプを勧められる場合もあります。

3.補聴器を選ぶ際の注意点とは?

では、最後に補聴器を選ぶ際の注意点をご紹介しましょう。補聴器は眼鏡と同じように取扱店に行けば購入できます。しかし、ただ取扱店で選ぶだけでは自分に合った補聴器を見つけるのは難しいのです。

3-1.まずは医師の診察を受けよう

補聴器が必要な聴覚の障害は、目と同じように少しずつ悪くなっていったケースが多いです。ですから、自分の聴覚が今どの程度まで落ちているのか分からない人も少なくありません。前述したように、補聴器の使用を考えている人はまず耳鼻科を受診して自分の耳の状態を確認しましょう。耳鼻科で検査を受ければ、自分の耳の状態や補聴器で聴覚の状態が改善するかどうかも分かります。

3-2.医師推薦の店舗を利用しよう

補聴器は眼鏡店でも売っています。耳鼻科医によっては、懇意(こんい)にしている取扱店もあるでしょう。もし、耳鼻科医推薦の店舗があるなら最初のひとつはそこを利用して作るとよいですね。耳鼻科医とつながりのある店舗ならば、検査結果の見方なども熟知しています。また、補聴器の不具合があれば耳鼻科を通して店舗に話が行くこともあるのです。ですから、メンテナンスもしやすいでしょう。

3-3.公的な補助を利用しよう

補聴器は精密なものになるほど値段が上がります。中には数十万円もするものもあるでしょう。自治体によっては、補聴器の購入に公的な補助金が出るところもあります。詳しくは市役所の福祉課に問い合わせてみましょう。

4.おわりに

いかがでしたか? 今回は補聴器の仕組みや種類、選ぶ際の注意点についてご紹介しました。
まとめると

  • 補聴器は聞こえにくくなった音を再び聞こえやすくする医療器具である。
  • 補聴器で回復する難聴の人もいれば、補聴器を使っても聴力の回復が難しい人もいる。
  • 補聴器を使う際は、必ず耳鼻科を受診して医師の診察を受けよう。

ということです。補聴器は眼鏡に例えるとわかりやすいでしょう。近眼や老眼、遠視などで見えにくくなった目を眼鏡で調節すれば、昔のように見えやすくなります。しかし、病気などによっては眼鏡を使っても視力が戻らないこともあるでしょう。補聴器もそれと同じことです。

また、補聴器は眼鏡よりもデリケートな調整が必要でしょう。ですから、オーダーメイトの補聴器を利用する方も増えているのです。さらに、聴力の調整にも時間がかかります。補聴器を使おうと思ったら、まずは耳鼻科を受診して時間をかけて自分に合う補聴器を作っていきましょう。