耳に入った水の抜き方をわかりやすく解説! 注意点と予防方法も!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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海やプール、お風呂などで耳に水が入ってしまうと、なかなか抜けないことがありますよね。放置しておいてもよいのか、耳鼻科を受診するべきなのか、迷う人も多いと思います。

そこでこの記事では、「耳に入った水を放置するとどうなる?」「耳に入った水を抜く方法を知りたい」そんな疑問を解決しましょう。

  1. 耳に入った水を放置するとどうなるのか
  2. 外耳炎について
  3. 耳に入った水の抜き方
  4. 耳に水が入るのを予防する方法
  5. まとめ

1.耳に入った水を放置するとどうなるのか

耳に水が入った場合、慌てて抜こうとする人が多いと思います。耳に入った水を放置すると、一体どうなるのでしょうか。

1-1.基本的には自然と蒸発する

耳に水が入ってなかなか抜けない場合「耳が痛くなるのではないか」と心配になる人は多いでしょう。しかし、実際には耳に入った水は、半日程度で自然と蒸発していきます。つまり、放置しても何の問題もないのです。ただ、耳に水が入ったままだと違和感があって不快な思いをすることになるでしょう。できるだけ早く水を抜きたい、という人も多いと思います。

1-2.耳を引っ張って傾ける

水が入った方の耳を下方に傾け片足でケンケンをすると、水が抜けます。この時、耳の後ろを軽く引っ張るとより抜けやすくなるでしょう。

1-3.注意が必要な場合もある

耳に水が入った場合、基本的には放置して問題ありません。しかし、3日以上たっても耳に水が残っているような感じがする場合には、滲出(しんしゅつ)性中耳炎など耳の疾患を引き起こした可能性があるでしょう。痛みがあるときも同様です。

耳に水が入った時、頭を叩いて水を出そうとしてはいけません。特に、大人が子どもの頭を叩くと、手加減しているつもりが強く叩きすぎることがあります。また、ティッシュをこより状にねじって耳の中に差し入れても水は取れません。それどころか、ティッシュがちぎれて耳の中に残ってしまうこともあります。

また、耳に水が入ると、綿棒などでゴシゴシ耳をこすってしまう人も多いでしょう。実は、この行為によって外耳炎を引き起こしてしまう可能性があるのです。綿棒が耳の壁に細かい傷を作り、そこから細菌感染を起こすのが外耳炎。プールに入った後で耳が痛くなった場合、ほとんどがこのようにして起こった外耳炎が原因なのです。

通常、水がたまるのは鼓膜の手前にある「外耳」の部分になります。そのため、中耳まで水が入り込むことはないでしょう。しかし、鼓膜に穴が開いていたり、チューブを入れていたりすると奥まで入り込んでしまうこともあります。その場合は、早めに耳鼻科を受診するようにしましょう。

2.外耳炎について

耳に入った水を間違った方法で抜こうとすると、外耳炎になる可能性があります。外耳炎とは、どのような疾患なのでしょうか。

2-1.外耳炎の症状

耳の穴から鼓膜までを「外耳」と呼び、この部分に炎症が起こるのが外耳炎です。主な症状としては、耳の痛みやかゆみ、耳だれなどがあります。

特に、耳を引っ張ったり押したりすると痛みが強く出るでしょう。耳が痛くなる疾患は外耳炎以外にもたくさんあります。そのため、外耳炎であることに気付かない人も多いでしょう。

外耳炎は、放っておいても数日で自然に治癒する場合があります。2~3日たっても症状がおさまらない場合は、耳鼻科での治療が必要になるでしょう。

特に免疫疾患を持っている人や高度の糖尿病でコントロールできていない人は再発しやすいため、確実に完治した状態にしておくことが大切でしょう。

2-2.外耳炎の治療法

外耳炎の症状に効く市販薬もあります。点耳薬や飲み薬などで痛みやかゆみなどの症状を和らげることはできるでしょう。しかし、外耳炎は再発しやすい病気です。専門家のもとでしっかりと診断を受け、最後まで治療することをおすすめします。

一般的に耳鼻科では、吸引器で感染による分泌物を外耳道から取り除き、抗生剤や副腎皮質ステロイドを含む軟膏(なんこう)を塗る治療を行うことになるでしょう。1週間ほど抗生剤の飲み薬を服用することで、ほとんどが回復していきます。

ただし、外耳炎が進行して膿がたまっている場合は、切開して取り除くことになるでしょう。痛みが強い場合は鎮痛剤が処方されます。

3.耳に入った水の抜き方

では、耳に入った水を抜くためにはどうしたらよいのでしょうか? 方法はいくつかあるため、ぜひ試してみてください。

3-1.片足立ちでケンケンする

頭を傾けて耳を下にし、片足立ちでケンケンしてみてください。直接耳に振動を与えて水を抜く方法です。試してみたことがある人は多いでしょう。ポイントは、耳の後ろ側を後ろ斜め上に引っ張りながら頭を傾けること。この方法は、耳に水が入った直後に、まだ奥まで達していないときに行うと効果的です。1回では抜けなくても、何回か繰り返すと抜ける可能性があるでしょう。

3-2.寝転がる

まず、仰向(あおむ)けの状態で寝転がってみてください。「あーうー、あーうー」と繰り返し言いながら、1~2分待ってみましょう。その後に水が入っている方の耳を下にして、横向きになります。この方法で水が抜ける可能性があるでしょう。

3-3.耳を温める

水は耳の中で、表面張力によって張りついている状態です。そのため、耳を温めることで表面張力が弱まり、水が抜けることがあります。また、耳を温めると入った水が蒸発しやすくなるため、違和感を解消することができるでしょう。

温め方としては、水が入っている方の耳をドライヤーに当てる、ホッカイロや温めたタオルを使うなどがおすすめです。プールの場合は、太陽で温まったプールサイドを利用して耳を温めるとよいでしょう。

3-4.耳に再度水を入れる

水が入った耳に再び水を入れることを「呼び水」と言います。この方法により、奥まで入り込んだ水も一緒に抜けやすくなるのです。しかし、自分で耳に水を入れる行為には勇気が必要でしょう。慣れていない人にはおすすめできません。

4.耳に水が入るのを予防する方法

最後に、耳に水が入るのを防ぐための方法をいくつかご紹介します。

4-1.耳栓をする

耳の中に水が入らないようにするためには、耳栓をするのが一番です。耳栓をすると「周りの音が聞こえなくなる」と不安になる人も多いでしょう。しかし、完全にシャットアウトするわけではありません。危険が察知できないほど聞こえなくなることはないでしょう。耳に水が入りやすい人は、ぜひ試してみてください。最近はさまざまなタイプの耳栓があるため、自分に合った形のものを選ぶとよいでしょう。

4-2.耳掃除をしすぎない

耳垢には、殺菌作用のほかに水をはじく性質があります。つまり、耳掃除をしすぎないことで耳に水が入るのを予防することができるのです。特に耳に水が入りやすい人、水に入る機会が多い人は、あまり頻繁に耳掃除をしないようにしましょう。

5.まとめ

いかがでしたでしょうか? 耳に水が入った経験のある人は多いと思います。放置しておくとどうなるのか、どうすれば自分で水を抜くことができるのか、知っておくと今後は安心ですよね。
耳に水が入っても基本的には問題ありません。しかし、治療が必要になる場合もあるということを覚えておきましょう。