鼻水が黄色いのはなぜ? 原因となる病気や改善方法を徹底解説!

川村耳鼻咽喉科クリニック院長 川村繁樹

記事監修
川村耳鼻咽喉科クリニック 院長 川村繁樹
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体の不調は、さまざまな兆候となって現れます。鼻水もその代表であり、鼻水の色によって鼻に関連した病気の状況を知るための兆候の一つです。一般的に鼻水は無色なのですが、病気などによって黄色く変色した鼻水になってしまうことも少なくありません。

黄色い鼻水は体の変調を知らせるための目安になる可能性があります。黄色い鼻水が出て不安になっている人のために、鼻水が黄色くなっている原因と疑われる疾病について詳しくご紹介しましょう。

  1. 鼻水について
  2. 鼻水の色で何が分かる?
  3. 黄色い鼻水が出る理由
  4. 黄色い鼻水を改善しよう!副鼻腔炎の改善方法
  5. 副鼻腔炎の予防法
  6. 黄色い鼻水に関するよくある質問
  7. まとめ

1.鼻水について

鼻水は、鼻から吸い込んだ空気中にあるほこりや細菌を体外へ押し出す役割を担っている体液です。また、体内に繁殖した細菌などを体外へ押し出す役目や鼻の粘膜を外気から保護する役目もあります。健康な時の鼻水は90%以上が水分で、さらさらとしているのが特徴です。私たちの体では毎日1〜2リットルほどの鼻水が作られており、通常は鼻の奥から喉を通って体内へと流れ落ちていくので、鼻から出てくることはほとんどありません。

2.鼻水の色で何が分かる?

2-1.鼻水は何色?

鼻水はウイルスから体を守るために、鼻腔(びこう)内部から分泌される液体です。分泌される液体は基本的に無色透明なのですが、色々な原因によって鼻水に色が付くことがあります。鼻水の色について簡単にご紹介しましょう。

2-1-1.褐色の鼻水

褐色や黒い鼻水は鼻血や炎症などによる出血が原因です。血液の色が鼻水に混ざることで、鼻水が褐色や黒に変色します。

2-1-2.透明で粘性のある鼻水

体内に細菌やウイルスなどが侵入した場合、透明で粘性のある鼻水が出ます。

2-1-3.透明でさらさらの鼻水

花粉症やダニ・ハウスダストなどのアレルギー反応で分泌される鼻水は基本的に透明でさらさらしています。

2-1-3.黄色い鼻水

細菌やウイルスなどが進入した際に死滅した白血球や免疫細胞が鼻水に含まれることがあります。黄色い鼻水は体の中の免疫が働いている証拠です。

2-2.鼻水は病気を知るためのサイン

鼻水の分泌は病気を知るためのサインになることがあります。鼻水は鼻の粘膜を保護するために常に分泌されているのですが、色や量が異常であれば鼻中に何かしらの異常がある可能性があるのです。鼻水の色や量に異常があるという場合には、耳鼻咽喉科に相談するように心掛けましょう。

3.黄色い鼻水が出る理由

3-1. 黄色い鼻水で考えられる病気とは?

鼻水の色の中でも黄色というのは病気の可能性が高いと考えてよいでしょう。黄色い鼻水で考えられる病気について、ご紹介します。

3-1-1.急性副鼻腔炎(きゅうせいふくびくうえん)

ウイルスや細菌の感染によって引き起こされる急性の鼻炎です。白血球や免疫細胞などの死骸が鼻水に含まれることで鼻水を黄色くします。主に“治りかけの風邪”で黄色い鼻水が出ることがありますが、短期間で改善するのが一般的です。

3-1-2.慢性副鼻腔炎(まんせいふくびくうえん)

急性鼻炎やアレルギー性鼻炎などが慢性化してしまう鼻炎です。炎症を治すために働いた白血球や免疫細胞が鼻水を黄色に染めます。鼻水が褐色の場合には、炎症による出血が原因の可能性もあるので注意しましょう。

3-1-3.鼻・副鼻腔腫瘍

鼻の中や副鼻腔の中に腫瘍ができる場合もあります。腫瘍にも良性のものや悪性のものもありますが,どちらの場合でも粘調で黄色い鼻水を出す場合があります。また、腫瘍の中で出血した場合には褐色の鼻水の時もあります。

3-1-4.好酸球性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎の一種とも言えますが、最近注目されているのが白血球の一種である好酸球が鼻水の中に増える体質的な疾患である好酸球性副鼻腔炎です。一般的な副鼻腔炎が感染をきっかけに起こるのに対して、好酸球中の物質が鼻の粘膜に炎症を起こすと言われています。

この場合の鼻水で特徴的なのは、極めて粘り気が強く、濃い黄色の鼻水でムチンと呼ばれています。このムチンは粘り気が強いために鼻をかんでも出てこないことも少なくありません。

3-1-5.歯性副鼻腔炎

文字通り歯が原因で起こる副鼻腔炎です。副鼻腔の中の上顎洞というほっぺたの裏にある空洞のすぐ下には上あごの歯があります。これらの歯が虫歯になっていて上顎洞に貫通していれば副鼻腔炎をおこすこともあります。現在虫歯でなくても不完全な虫歯の治療の後にも起こることがあります。ひどくなると上顎洞だけでなく副鼻腔全体に広がる場合もあります。

3-1-6.副鼻腔真菌症

カビが原因でおこる鼻腔炎です。糖尿病や悪性腫瘍によって発症のリスクが高まります。真菌症の場合には白く濁った鼻水や、逆に黒っぽい鼻水が見られることがあります。黄色い鼻水はむしろ少ないかもしれません。

4.黄色い鼻水を改善しよう!副鼻腔炎の改善方法

副鼻腔炎は原因によって適切に改善することが大切です。副鼻腔炎の種類による改善方法についてご紹介しましょう。

4-1.急性副鼻腔炎

急性副鼻腔炎は風邪や疲労によって引き起こされることがあります。耳鼻咽喉科によって適切な診断治療を受けた後には、まず疲労回復に努めてください。

治療は基本的には抗生剤を中心とした保存療法が行われます。抗生剤以外では鼻水をさらさらにする薬や、アレルギー性鼻炎を伴っている場合には抗ヒスタミン剤なども使われるでしょう。薬以外の治療法としては耳鼻科で鼻水を吸引したり、鼻と副鼻腔の間道を広げる処置をしたり、ネブライザーと呼ばれる、薬物を霧状にして副鼻腔に届きやすくした吸入療法などがあります。

4-2.慢性副鼻腔炎

慢性副鼻腔炎は副鼻腔炎が慢性化したものです。慢性的に炎症が起きているため膿汁が副鼻腔内にたまり、頭痛を感じることがあります。基本的な改善策は急性副鼻腔炎と同様ですが、慢性化のため状況が悪化している可能性もあるので注意が必要です。鼻水が必要以上に出る症状が一カ月以上続いた場合には、慢性副鼻腔炎の可能性があるので耳鼻咽喉科の検査を受けるようにしましょう。

保存療法としては急性の場合とは違った薬の使い方をする場合が多いと思います。これはマクロライド少量長期投与と呼ばれ、ある種の抗生剤を細菌を叩く量の半分程度の量として用いることで、抗炎症作用、免疫系への作用、細菌のバイオフォルム形成や付着抑制作用が生じます。少量ですので長期間(3~6か月)抗生剤を内服しても重篤な副作用が少ないといわれております

保存療法で改善が見られない場合は手術を行います。現在行われている手術は一般的には内視鏡下手術と呼ばれ、鼻の中にカメラを挿入して行う手術です。以前の手術に比べて疼痛や腫れが少なく、歯茎や皮膚を切る必要がありません。施設によっては日帰りや一泊の短期間で行う所もあります。

4-3.好酸球性副鼻腔炎

好酸球性副鼻腔炎は原因不明で難治性の副鼻腔炎です。喘息と関連性のある可能性が上げられていますが、詳しくは解明されていません。

ステロイドという副腎皮質ホルモン剤が有効とされていますが中止すると再び悪化する事が多いと言われています。

薬に抵抗する場合はやはり手術の適応になります。基本的には普通の副鼻腔炎と同様の手術ですが手術をしても再発する場合があります。再発予防には鼻の中を生理食塩水で洗うことが重要と言われています。

4-4.歯性副鼻腔炎

進行中の虫歯や不完全な治療で終わっている虫歯があればその治療が必要です。近年ではむやみに抜歯するべきではなく、歯の中心にある「根管」の治療が大事と言われています。ただ、一度副鼻腔炎がひどくなると虫歯の治療を終了しても副鼻腔炎そのものは治らず手術が必要になる場合もあります。歯と副鼻腔炎の関係は耳鼻科専用のCTがあれば診断が容易です。歯の痛みがある場合は歯性副鼻腔炎を疑いましょう。

4-5.副鼻腔真菌症

カビを原因とした副鼻腔真菌症は薬物で改善する場合や、洗浄や手術によって真菌を取り除くことで改善することができます。

5.副鼻腔炎の予防法

副鼻腔炎は鼻水の中に含まれる細菌が、副鼻腔内に侵入して発症することもあります。鼻をかむときに、力いっぱいかむ方もいることでしょう。しかし、これは間違いです。鼻は片側ずつ何回かに分けてかみましょう。片方の鼻をしっかり押さえてもう片側をかむことで、両方一度にかむよりしっかりと鼻水がとれます。また、それほど力を入れる必要はありません。力を入れ過ぎると、耳や鼻に負担がかかります。

子どもの場合はしっかりと鼻がかめないことが多いので鼻風邪をひいたら耳鼻咽喉科を受診し、鼻水を吸ってもらいましょう。赤ちゃんの場合は、鼻水を吸う器具がドラッグストアなどで販売されていますので、利用してみてください。

なお、風邪をひいたら睡眠が一番です。いくら薬を飲んでも寝不足ではよく効きませんので、早めに休んで回復に努めましょう。また、鼻をすすってはいけません。鼻水をすすると副鼻腔炎だけでなく中耳炎も発症しやすくなります。

6.黄色い鼻水に関するよくある質問

Q.副鼻腔炎が疑われる場合、耳鼻咽喉科を受診する目安はありますか?
A.1週間以上たっても黄色くねばついた鼻水が出続け、改善する兆しが見えない場合は受診しましょう。

Q.風邪や副鼻腔炎以外に黄色い鼻水が出る病気はありますか?
A.インフルエンザなどの感染症にかかると、出ることがあるでしょう。

Q.1週間以内に黄色い鼻水が治まれば、耳鼻咽喉科を受診しなくても大丈夫ですか?
A.治っているのであれば、大丈夫な場合もあります。ただし、たびたび鼻水が繰り返すようでしたら一度受診した方がよいでしょう。

Q.花粉症で黄色い鼻水は出ますか?
A.いいえ。花粉症を発症すると透明の鼻水が出るでしょう。

Q.黄色い鼻水が鼻の中で固まった場合、どうしたらよいですか?
A.温めたタオルで鼻をおおってあげると、水蒸気で鼻水が取れやすくなります。

7.まとめ

鼻水などの分泌物は体の変調を知らせる重要なシグナルになります。黄色い鼻水が出る原因は、鼻中の異常が原因の可能性があるのです。黄色い鼻水が出る原因となる疾病についてまとめてみましょう。

黄色い鼻水で疑われる疾病

  • 急性副鼻腔炎
  • 慢性副鼻腔炎
  • 鼻・副鼻腔腫瘍
  • 好酸球性副鼻腔炎
  • 歯性副鼻腔炎

黄色い鼻水は鼻腔炎が主な原因です。黄色い鼻水は炎症を治すための白血球や免疫細胞が原因なので、黄色い鼻水に加えて頭痛などの症状がある場合には耳鼻咽喉科に相談しましょう。

黄色い鼻水の改善方法

黄色い鼻水を改善する方法は“原因を特定し適切に対処する”ことが大切です。自分では判断の難しい疾病などもあることから、黄色い鼻水が長引く場合には必ず耳鼻咽喉科に相談するように心掛けましょう。